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151-猪瀬
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貴嗣様が縋りつくように青島を見て言う
「陸……お願いだ。私以外のαと暮らさないで。」
どうすれば、どうすればいい。どうすれば貴嗣様が貴嗣様らしくあれるのか。貴嗣様にこんな掠れた声は合わない
『契約した以上は守るさ』
ならば…
「青島、青島は俺を守ると言う。ならば、俺の精神も守ってくれないか。辛いんだ」
番がため息をついた。俺が番を落胆させた?違う、これは青島だ
「何を言っているんだ、お前らがあの場にいたΩにしたことと同じだろう。…来い」
青島のフェロモンが誘ってくる。ふらふらと吸い寄せられる俺の腕を貴嗣様が掴んだ。正気に返る
心は別にあるのに、引き寄せられる体。貴嗣様のためにΩに変わったのに貴嗣様ではない番を誘う青島
「俺たちにこれを実感させるためか、それだけのためにお前はこんなことをしたのか!」
「…俺には番うしか選択肢がなかったよ。京極か猪瀬かゲスどもか。そして京極、あんただけはない。」
「なんで…なんで、私だけはないの?陸…君は私のΩなのに…」
蒼白になった貴嗣様が問う。番が激昂したのがフェロモンで伝わる
「逆に聞きたい。俺と番うためだけに、ここまで人の尊厳を叩き潰すような輩と選ぶか?本気で聞いているなら高位αは腐っているな」
「…でも、そうでもしないと君は首輪を外してくれなかった…。待てると思っていたんだ。だが、陸はヒートの後、私を…憎んだ。関係を再構築しようとした私の存在を消し去った。修復は不可能だった。だから…番えばと…陸が私を無視したから、だから…」
「だから?だからネックガードの為にあんな事をしたと?あの場のΩたちの今後を考えたことはあったのか」
「……」
「猪瀬」
番がおれに囁いた。チェリー色の薄い唇…それに食らいついた。嫌だと逃げる舌を追いかけ甘い甘い唾液を飲む。ああ、頭が痺れる…
「やめてくれ!陸!!そうまでして!陸が犠牲になることではない!」
貴嗣様の悲鳴に我に返る。慌てて腕の中にいた青島を離した。青島が袖でゴシゴシと口を拭った。フェロモンが……
青島は俺を好いてはいない…
『嫌いじゃなかったよ、猪瀬…』
首を振る。青島の言葉を追い出したかった。
「こうしなきゃダメなんだよ!俺はコンちゃんを守ったけれど代わりに他の人達全部を見捨てた!だったら俺も同じ目に遭うべきだ!」
番のフェロモンが揺れる。助けてって泣いている!
「陸!」
貴嗣様が番を抱きしめた。
ダメだ!ソレは俺のだ!
「猪瀬!!」
千葉の声で俺の動きが止まる。後ろから羽交い絞めにされた。
「や、やめ、や…」
青島がガタガタと震えている。当然だ、番以外のαに触れられるとΩは恐怖と混乱に陥る。俺の俺の番が…!
「離せ!」
最大限の威圧を放った
「俺の番だ!」
俺を縛りつけていた鎖が外れた。使いが震えながら俺に手を伸ばす。腕をつかみ、そのまま。胸の中にしまい込んだ。番が安心できるようにフェロモンで包み込んであげる。
「猪瀬、ありがとう」
番のフェロモンが和らいだ。俺の番……
「陸、ひどいよ。私の目の前で……」
ハッとする。貴嗣様の目に哀しみが宿っている…!
俺は、俺は……!
「どこがだ?あの場にいたΩに恋人はいなかったのか?好きな相手はいなかったのか?Ωに惚れていたαはあなたと同じ思いをするのだろうな。恋人抱きしめると全身でその恋人は拒絶するんだ。」
青島は良心の呵責に追い込まれていたのか。確かに、あの場でコンちゃんを差し出していれば、Ωは全員助かった。けれど、青島は迷わずコンちゃんを取った。……この辺はαらしい冷静さがあるのに、後で後悔するとは。違うな、後悔はしていない。ヤツは最良の手段を取ったと自分でも思っているのだろう。ただ、見捨てたΩへの……贖罪。
青島は冷静に話している。けれどフェロモンは不安定に揺れている。罰してくれど叫んでいる。辛いって泣いている。
「陸…済まなかった…」
貴嗣様がポツリという。千葉に促され貴嗣様が去っていく。
「戻るか。……謝らないからな」
番の強がり。頼って欲しくて抱きしめた。
「……番ってのは難儀なもんだな……」
~~~~~~~~~~~~~~~~
猪瀬と陸だけはありません!
全てはフェロモンです!
……多分。
24時間ポイントがあり得ない事になっていました。バクですか?と何度も見返しましたがやはり15000を超えていました。。はて??
なので、その他、というランキングの24位に一瞬ですが入ってました。
記念にスクショを取りたい。が。機械オンチはスクショの取り方すら分からない(笑)。心のスクリーンに投影しておきます(古い~)
これも読んで下さっている皆様のおかげ
いつもありがとうございます!
「陸……お願いだ。私以外のαと暮らさないで。」
どうすれば、どうすればいい。どうすれば貴嗣様が貴嗣様らしくあれるのか。貴嗣様にこんな掠れた声は合わない
『契約した以上は守るさ』
ならば…
「青島、青島は俺を守ると言う。ならば、俺の精神も守ってくれないか。辛いんだ」
番がため息をついた。俺が番を落胆させた?違う、これは青島だ
「何を言っているんだ、お前らがあの場にいたΩにしたことと同じだろう。…来い」
青島のフェロモンが誘ってくる。ふらふらと吸い寄せられる俺の腕を貴嗣様が掴んだ。正気に返る
心は別にあるのに、引き寄せられる体。貴嗣様のためにΩに変わったのに貴嗣様ではない番を誘う青島
「俺たちにこれを実感させるためか、それだけのためにお前はこんなことをしたのか!」
「…俺には番うしか選択肢がなかったよ。京極か猪瀬かゲスどもか。そして京極、あんただけはない。」
「なんで…なんで、私だけはないの?陸…君は私のΩなのに…」
蒼白になった貴嗣様が問う。番が激昂したのがフェロモンで伝わる
「逆に聞きたい。俺と番うためだけに、ここまで人の尊厳を叩き潰すような輩と選ぶか?本気で聞いているなら高位αは腐っているな」
「…でも、そうでもしないと君は首輪を外してくれなかった…。待てると思っていたんだ。だが、陸はヒートの後、私を…憎んだ。関係を再構築しようとした私の存在を消し去った。修復は不可能だった。だから…番えばと…陸が私を無視したから、だから…」
「だから?だからネックガードの為にあんな事をしたと?あの場のΩたちの今後を考えたことはあったのか」
「……」
「猪瀬」
番がおれに囁いた。チェリー色の薄い唇…それに食らいついた。嫌だと逃げる舌を追いかけ甘い甘い唾液を飲む。ああ、頭が痺れる…
「やめてくれ!陸!!そうまでして!陸が犠牲になることではない!」
貴嗣様の悲鳴に我に返る。慌てて腕の中にいた青島を離した。青島が袖でゴシゴシと口を拭った。フェロモンが……
青島は俺を好いてはいない…
『嫌いじゃなかったよ、猪瀬…』
首を振る。青島の言葉を追い出したかった。
「こうしなきゃダメなんだよ!俺はコンちゃんを守ったけれど代わりに他の人達全部を見捨てた!だったら俺も同じ目に遭うべきだ!」
番のフェロモンが揺れる。助けてって泣いている!
「陸!」
貴嗣様が番を抱きしめた。
ダメだ!ソレは俺のだ!
「猪瀬!!」
千葉の声で俺の動きが止まる。後ろから羽交い絞めにされた。
「や、やめ、や…」
青島がガタガタと震えている。当然だ、番以外のαに触れられるとΩは恐怖と混乱に陥る。俺の俺の番が…!
「離せ!」
最大限の威圧を放った
「俺の番だ!」
俺を縛りつけていた鎖が外れた。使いが震えながら俺に手を伸ばす。腕をつかみ、そのまま。胸の中にしまい込んだ。番が安心できるようにフェロモンで包み込んであげる。
「猪瀬、ありがとう」
番のフェロモンが和らいだ。俺の番……
「陸、ひどいよ。私の目の前で……」
ハッとする。貴嗣様の目に哀しみが宿っている…!
俺は、俺は……!
「どこがだ?あの場にいたΩに恋人はいなかったのか?好きな相手はいなかったのか?Ωに惚れていたαはあなたと同じ思いをするのだろうな。恋人抱きしめると全身でその恋人は拒絶するんだ。」
青島は良心の呵責に追い込まれていたのか。確かに、あの場でコンちゃんを差し出していれば、Ωは全員助かった。けれど、青島は迷わずコンちゃんを取った。……この辺はαらしい冷静さがあるのに、後で後悔するとは。違うな、後悔はしていない。ヤツは最良の手段を取ったと自分でも思っているのだろう。ただ、見捨てたΩへの……贖罪。
青島は冷静に話している。けれどフェロモンは不安定に揺れている。罰してくれど叫んでいる。辛いって泣いている。
「陸…済まなかった…」
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「……番ってのは難儀なもんだな……」
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猪瀬と陸だけはありません!
全てはフェロモンです!
……多分。
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なので、その他、というランキングの24位に一瞬ですが入ってました。
記念にスクショを取りたい。が。機械オンチはスクショの取り方すら分からない(笑)。心のスクリーンに投影しておきます(古い~)
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