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143-猪瀬
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青島とリビングのドアを開けた。
「このドアは18時になるまでロックされるからな」
一応は青島に警告をしておく
中央 一人掛けのソファーに貴嗣様が座られていた。周囲にはオメガがかしずいている。王と呼ぶにふさわしい風格だ
何の感情もないような表情をした貴嗣様が青島を見て相貌を崩した。
「陸、待っていたよ」
青島は周囲を見ることもなくただまっすぐに貴嗣様を目指して歩いて行った
貴嗣様は一瞬目を見張った後、腕を広げて青島の到着を待った
青島が貴嗣様のもとに行き顔を近づけそして口づけをした。貴嗣様が青島の後頭部に手を伸ばし舌を合わせている。ねっとりと濃厚な口づけだ。
違和感を覚えて貴嗣様の元へ向かおうとすると視線で止められた。
やがて貴嗣様の喉仏が動いた。
まさか……
「よく飲んだな」
「陸がくれるものだったら私は何でも受け入れるよ。何のお薬だったのかな」
青島の言葉に貴嗣様が平然と答える。猛毒だったらどうするつもりだったのだろう。
「さあな?保険だ、保険」
青島がそのまま貴嗣様の真後ろに立った。
「私の上に座ってくれればいいのに」
貴嗣様の申し出を青島はスルーした。
貴嗣様の後ろに立つ。青島の存在感にΩたちが去っていく
Ω達は全員首輪をしていない。自主的に首輪を外すように貴嗣様が仕向けたのだろう。そのせいもあって貴嗣狙いの Ωたちも、ガウン姿の柄の悪いαを前にフェロモンレイプを仕掛ける勇気はまだなかったようだ。
そしてその間に本命馬の青島が来てしまったのだ
青島はひたすら壁の時計をにらんでいた。
開演は17時。18時になれば希望するΩはこの部屋を出てもいいとしている。とにかくこの回を解散させたいのだろう。どのΩがコンちゃんなのかを悟られないように時計だけを見つめていた。
このまま終了してしまえば青島の首輪は外せない
Ωの誰かが仕掛けてくることを願ったが、誰も動かない。αとしては底辺だった青島だがΩとしてはそれなりのランクになったようだ。俺たちαが貴嗣様に自然に頭を垂れてしまうようにΩたちも青島に一種の畏敬の念を抱いているようだ。
時計の針が18時を回った。
青島がふぅっと緊張を緩めた。
「猪瀬、これでΩは全員帰ってもいいんだよな。帰らせろ」
そう言ってリビングのドアを開けに青島が貴嗣様の元から離れた。数人のΩが青島の後をついていく
直後にΩの1人が貴嗣様に近づきフェロモンをぶっ放した。
密閉された空間にΩフェルモンが充満する。
「な!?」
慌てて青島がドアを捻るが開かない
「どういうことだ、猪瀬!騙したのか!18時でロックは解除されると言っていた!」
「何のことだかわからない。そのドアは18時で開場されるぞ?ああ、どうやらこの部屋の時計は少し進んでいるようだな」
そう言って時計を見せた。
「時計の時刻はこの部屋に入ってすぐに正しいことを俺は確認した」
「だな。ただ、どうやらこの時計は壊れているらしく1分が50秒なんだ。今は17時52分だ」
何が起こるかわからないからと言って携帯や時計は参加者全員から取り上げておいたのだ。
時計を取り上げられた青島が部屋に入ってすぐに室内の時間を確認するのは想像がついていた。だから、青島が入室するまでは時計は正しい時刻に設定していた。
青島が緊張で60秒を正しく測れない方に賭けた。
そして、俺達は賭けに勝ったのだ
「このドアは18時になるまでロックされるからな」
一応は青島に警告をしておく
中央 一人掛けのソファーに貴嗣様が座られていた。周囲にはオメガがかしずいている。王と呼ぶにふさわしい風格だ
何の感情もないような表情をした貴嗣様が青島を見て相貌を崩した。
「陸、待っていたよ」
青島は周囲を見ることもなくただまっすぐに貴嗣様を目指して歩いて行った
貴嗣様は一瞬目を見張った後、腕を広げて青島の到着を待った
青島が貴嗣様のもとに行き顔を近づけそして口づけをした。貴嗣様が青島の後頭部に手を伸ばし舌を合わせている。ねっとりと濃厚な口づけだ。
違和感を覚えて貴嗣様の元へ向かおうとすると視線で止められた。
やがて貴嗣様の喉仏が動いた。
まさか……
「よく飲んだな」
「陸がくれるものだったら私は何でも受け入れるよ。何のお薬だったのかな」
青島の言葉に貴嗣様が平然と答える。猛毒だったらどうするつもりだったのだろう。
「さあな?保険だ、保険」
青島がそのまま貴嗣様の真後ろに立った。
「私の上に座ってくれればいいのに」
貴嗣様の申し出を青島はスルーした。
貴嗣様の後ろに立つ。青島の存在感にΩたちが去っていく
Ω達は全員首輪をしていない。自主的に首輪を外すように貴嗣様が仕向けたのだろう。そのせいもあって貴嗣狙いの Ωたちも、ガウン姿の柄の悪いαを前にフェロモンレイプを仕掛ける勇気はまだなかったようだ。
そしてその間に本命馬の青島が来てしまったのだ
青島はひたすら壁の時計をにらんでいた。
開演は17時。18時になれば希望するΩはこの部屋を出てもいいとしている。とにかくこの回を解散させたいのだろう。どのΩがコンちゃんなのかを悟られないように時計だけを見つめていた。
このまま終了してしまえば青島の首輪は外せない
Ωの誰かが仕掛けてくることを願ったが、誰も動かない。αとしては底辺だった青島だがΩとしてはそれなりのランクになったようだ。俺たちαが貴嗣様に自然に頭を垂れてしまうようにΩたちも青島に一種の畏敬の念を抱いているようだ。
時計の針が18時を回った。
青島がふぅっと緊張を緩めた。
「猪瀬、これでΩは全員帰ってもいいんだよな。帰らせろ」
そう言ってリビングのドアを開けに青島が貴嗣様の元から離れた。数人のΩが青島の後をついていく
直後にΩの1人が貴嗣様に近づきフェロモンをぶっ放した。
密閉された空間にΩフェルモンが充満する。
「な!?」
慌てて青島がドアを捻るが開かない
「どういうことだ、猪瀬!騙したのか!18時でロックは解除されると言っていた!」
「何のことだかわからない。そのドアは18時で開場されるぞ?ああ、どうやらこの部屋の時計は少し進んでいるようだな」
そう言って時計を見せた。
「時計の時刻はこの部屋に入ってすぐに正しいことを俺は確認した」
「だな。ただ、どうやらこの時計は壊れているらしく1分が50秒なんだ。今は17時52分だ」
何が起こるかわからないからと言って携帯や時計は参加者全員から取り上げておいたのだ。
時計を取り上げられた青島が部屋に入ってすぐに室内の時間を確認するのは想像がついていた。だから、青島が入室するまでは時計は正しい時刻に設定していた。
青島が緊張で60秒を正しく測れない方に賭けた。
そして、俺達は賭けに勝ったのだ
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