【本編完結済】底辺αは箱庭で溺愛される

認認家族

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140ー猪瀬

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「陸が私と会ってくれない」
「…………そうですね」
青島がビッチングへの確証を持っている事を俺はまだ貴嗣様に報告出来ていない。
週1の会合で僅かに青島の態度が軟化していて、そこに貴嗣様は希望を抱いている。
それを完璧に折ってしまうのだ。
できれば、できれば穏やかに番って欲しい。想いあっての番契約のほうが、αの後の生活が安定する。
貴嗣様には毅然とした姿が似合うのだ。無理矢理番にした青島が逃げないか、自殺を選ばないかといった心配などせずに凪いだ状態でいていただきたいのだ。
まやかしでもいい。同じ無理矢理でも、憎まれていると知らずに番ってしまえば、貴嗣様は安堵する。青島がいずれΩの本能につられると信じられる。貴嗣様だって安心して少しだけなら青島に自由な時間を与えるはずだ。
…………青島、どちらにしろお前に逃げ道なんてない。ならば賢い選択をしてくれ。24時間監視カメラつきの生活なんて嫌だろ。貴嗣様が用意した中でなら自由が約束る、そんな番契約のほうが良いだろう?

なのに……
なのに、青島、お前は何故そんなにも馬鹿なのか。
貴嗣様と会う事を頑なに拒否している。
既に貴嗣様には禁断症状が出ている。
青島の次のヒートまではもたない。

『京極のお坊っちゃん、余裕無いねえ』
『ああ、アレ?Ωに変わったのにまだ噛めてないってあれか』
『商才に優れているのにαとしての基本がダメだねぇ。』
『落したΩ一匹、番にも出来ないなんてなぁ』

…………巫山戯るな、巫山戯るな。
貴嗣様はお前ら風情に侮辱されるいわれなどない。

千葉との全面対決は望んではいない。だが、貴嗣様が壊れてはならない。番を得た貴嗣様ならば無敵だ。千葉は強敵だが何とかなる。まだ、ヤツはコンちゃんを番に出来てないし公表もしていない以上、αの不文律には触れない。
タイムリミットだ。

「猪瀬、私はもう限界だ。陸をヒートにして番う」
「はい」
千葉、もうタイムリミットだ。お前はコンちゃんを守れなかった。

青島、お前が悪い。
貴嗣さまは誰よりも尊き存在。
それを損なうものなど許しはしない


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
短いのですが、区切り(視点)の問題で、ここで切ります。


そして、投票ありがとうございました。
結果は、A10票B13票AB両方1票
想定数以上の感想をいただいき、びっくりしています。
4、5件を予想していたので、本当に有り難いです。
作者が迷っていたのを表すような接戦結果でしたね。
結果はBでしたが、Aの方も読み続けていただければ幸いです
…Bだけど、それほど地獄にならないように配慮をしたいと思います
※個人の感想です。地獄と感じるかは個人差があります。((笑))
読者様の無理のない範囲でお付き合いいただければ幸いです。


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