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139-猪瀬
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貴嗣様が、青島に呼び出された。
こんな時間に青島が呼び出すとは珍しい事だ
少し我々に対する警戒が薄まったとはいえ、それでも青島は人目があるところで日中で会合といったように自衛にも走っている
何があったのだろうか
戻ってきた貴嗣様はふわふわと幸せそうにしておられた
「陸がヒ-トになる」
「おめでとうございます」
即答した。長かった。本当に長かった。これで番ってくれればすべての問題が解決する。
「今から移動しますか?」
一月ほど前から、鷹司のマンションのそばのホテルをとっている。いつでも青島の所に駆け付けられるようにだ。
「明日の朝からで問題ない」
「かしこまりました」
貴嗣様がふふっと笑う。
「いい香りだった。ふわふわと私を求めて…」
…いや、いらんから、そういうの。
「一点問題が。 青島にはヒート抑制剤が渡されていません」
鷹司が巣の異物排除を確実にするために、医者が抑制剤を処方しないように動いていた。
二次成長が終わった後の初ヒート、男性Ωの。しかも抑制剤なし。かなり酷なヒートになるだろう。二度と一人では体験できなくなるくらいの傷跡を青島に残すだろう
「…そう、か。大丈夫。 私がお守りを渡したから連絡が来るはずだ」
…そう上手く行くのだろうか
ああ見えて青島は我が強い。そうでなければあれ程低いスペックで帝都大に受かるはずがないのだ。あきらめの悪いヤツが、抱く側だったヤツが、貴嗣様に抱いて下さいと助けを求めるだろうか。
俺の懸念が伝わったのだろう
「問題ない。私が陸の中を忘れられないように陸も私を忘れられてないはずだ」
αの精液はΩの妙薬。
初のヒートにソレは喉から手が出る程に恋しいはずだ。
だが………
青島からの連絡はついになかった。
貴嗣様が、受けた衝撃は計り知れない。
今度こそ番えると信じていたのに、青島はまた貴嗣様を裏切った。
そして、ヤツは更に週1の会合までも断ってきたのだ。
『防犯ブザーをお前に与えたΩがどうなっても良いのか』
と聞けば、鼻で笑われた。
『彼女は意中のαと既に番った。調べ済みだろう?』
αの不文律。
正当な理由なき、番のいるΩへの手出しはご法度。
そして今回の事は正当な理由には当たらない。
しかし、無面会を容認するわけにはいかないのだ。
接近禁止命令など無視しても良いのではないか。京極を前に意見できる者などいない。
αの精液はΩの妙薬。Ωの蜜壺はαの霊薬
貴嗣様は、青島を忘れる事が出来ない。
旅行ではまだ挿入は無かった。それでもその後青島に避けられて不安定になられた。
霊薬を味わった貴嗣様が、その後も保てていたのは週1の面会とあと数ヶ月で番えるという希望があったからだ。
なのに……
霊薬というより、もはや麻薬に近いのではないか。青島に会えてない貴嗣様には禁断症状が出ている。情緒不安による様々な弊害……。
最も、青島に会えない事だけではないのかもしれない。奪われるかもという焦燥感が貴嗣様を追い詰めているのだろう
それくらい、久々にみた青島は雰囲気が変わっていた。
ヒートというものはここまで人を変えるのか。
元々靭やかな雰囲気のある男だった。アホいというか打たれ強さが表に出ている男だった。骨折をすればそこは太く頑丈になる。底辺αということに腐らず前を向いていた男。
それがどうだろう。
今や、細い細い針金で何とか立っているような、か弱さだ。直ぐにパキリと折れてしまいそうな雰囲気がある。αの庇護欲を唆る雰囲気を持っていた。貴嗣様が焦るのもそこだろう。
だが、あの青島だ。
いずれ芯を持つかもしれない。
そして、真っ直ぐ立てるようになった頃にまたヒートで折れるのか。
この繰り返しに骨太になるのか、それとも疲労骨折を放置してやがて立てなくなるのか……。
どちらにしろ、今回のヒートで青島の矜持はぽっきりと折れたのにまだ立ち上がろうとしている。
実際、俺とあった時、ヤツはおれの目を真っ直ぐに見てきた。ヒート明けのΩのくせにαに怯える事も媚びる事も無く。
…………寧ろ目には憎しみが籠もっていた。
…………まさか。
青島は、お人好しだ。大抵の事は許す、絆されるヤツだ。人を憎むヤツではない。
ならば、可能性は……貴嗣様のビッチングに確証をもった。自分が後天性Ωでは無く、書き換えたと何らかの根拠を得た?
…………。
不味い。
そうであるならば、貴嗣様が青島を得るのは…………
~~~~~~~~~~~~~~~~
狂信者、猪瀬
貴嗣サマが軽視されないうちはマトモ。
何気に陸を最も理解している???
けど、Ωを下に見すぎ!
作者の独り言…というか、悩み?アンケート?
A,猪瀬さん、苦労人だよね、これ以上は…
B,猪瀬(微?)ザマァが見たい
どっちの方が多いのだろう…
作者はBの予定でしたが、読み返すと、猪瀬、苦労人というか中間管理職の悲哀というか…狂信者ってだけで(?)ザマアは気の毒か?とか悩んでしまったんですよね…。なんつーか…さらに地獄が…読者様メンタル大丈夫かな?と。Bにした時の京極ザマァも地獄度が…
読者さんで希望がある方は、3/21 23時までに感想に「Aだよ」「Bだよ」一言でいいので書いていただければ幸いです
こんな時間に青島が呼び出すとは珍しい事だ
少し我々に対する警戒が薄まったとはいえ、それでも青島は人目があるところで日中で会合といったように自衛にも走っている
何があったのだろうか
戻ってきた貴嗣様はふわふわと幸せそうにしておられた
「陸がヒ-トになる」
「おめでとうございます」
即答した。長かった。本当に長かった。これで番ってくれればすべての問題が解決する。
「今から移動しますか?」
一月ほど前から、鷹司のマンションのそばのホテルをとっている。いつでも青島の所に駆け付けられるようにだ。
「明日の朝からで問題ない」
「かしこまりました」
貴嗣様がふふっと笑う。
「いい香りだった。ふわふわと私を求めて…」
…いや、いらんから、そういうの。
「一点問題が。 青島にはヒート抑制剤が渡されていません」
鷹司が巣の異物排除を確実にするために、医者が抑制剤を処方しないように動いていた。
二次成長が終わった後の初ヒート、男性Ωの。しかも抑制剤なし。かなり酷なヒートになるだろう。二度と一人では体験できなくなるくらいの傷跡を青島に残すだろう
「…そう、か。大丈夫。 私がお守りを渡したから連絡が来るはずだ」
…そう上手く行くのだろうか
ああ見えて青島は我が強い。そうでなければあれ程低いスペックで帝都大に受かるはずがないのだ。あきらめの悪いヤツが、抱く側だったヤツが、貴嗣様に抱いて下さいと助けを求めるだろうか。
俺の懸念が伝わったのだろう
「問題ない。私が陸の中を忘れられないように陸も私を忘れられてないはずだ」
αの精液はΩの妙薬。
初のヒートにソレは喉から手が出る程に恋しいはずだ。
だが………
青島からの連絡はついになかった。
貴嗣様が、受けた衝撃は計り知れない。
今度こそ番えると信じていたのに、青島はまた貴嗣様を裏切った。
そして、ヤツは更に週1の会合までも断ってきたのだ。
『防犯ブザーをお前に与えたΩがどうなっても良いのか』
と聞けば、鼻で笑われた。
『彼女は意中のαと既に番った。調べ済みだろう?』
αの不文律。
正当な理由なき、番のいるΩへの手出しはご法度。
そして今回の事は正当な理由には当たらない。
しかし、無面会を容認するわけにはいかないのだ。
接近禁止命令など無視しても良いのではないか。京極を前に意見できる者などいない。
αの精液はΩの妙薬。Ωの蜜壺はαの霊薬
貴嗣様は、青島を忘れる事が出来ない。
旅行ではまだ挿入は無かった。それでもその後青島に避けられて不安定になられた。
霊薬を味わった貴嗣様が、その後も保てていたのは週1の面会とあと数ヶ月で番えるという希望があったからだ。
なのに……
霊薬というより、もはや麻薬に近いのではないか。青島に会えてない貴嗣様には禁断症状が出ている。情緒不安による様々な弊害……。
最も、青島に会えない事だけではないのかもしれない。奪われるかもという焦燥感が貴嗣様を追い詰めているのだろう
それくらい、久々にみた青島は雰囲気が変わっていた。
ヒートというものはここまで人を変えるのか。
元々靭やかな雰囲気のある男だった。アホいというか打たれ強さが表に出ている男だった。骨折をすればそこは太く頑丈になる。底辺αということに腐らず前を向いていた男。
それがどうだろう。
今や、細い細い針金で何とか立っているような、か弱さだ。直ぐにパキリと折れてしまいそうな雰囲気がある。αの庇護欲を唆る雰囲気を持っていた。貴嗣様が焦るのもそこだろう。
だが、あの青島だ。
いずれ芯を持つかもしれない。
そして、真っ直ぐ立てるようになった頃にまたヒートで折れるのか。
この繰り返しに骨太になるのか、それとも疲労骨折を放置してやがて立てなくなるのか……。
どちらにしろ、今回のヒートで青島の矜持はぽっきりと折れたのにまだ立ち上がろうとしている。
実際、俺とあった時、ヤツはおれの目を真っ直ぐに見てきた。ヒート明けのΩのくせにαに怯える事も媚びる事も無く。
…………寧ろ目には憎しみが籠もっていた。
…………まさか。
青島は、お人好しだ。大抵の事は許す、絆されるヤツだ。人を憎むヤツではない。
ならば、可能性は……貴嗣様のビッチングに確証をもった。自分が後天性Ωでは無く、書き換えたと何らかの根拠を得た?
…………。
不味い。
そうであるならば、貴嗣様が青島を得るのは…………
~~~~~~~~~~~~~~~~
狂信者、猪瀬
貴嗣サマが軽視されないうちはマトモ。
何気に陸を最も理解している???
けど、Ωを下に見すぎ!
作者の独り言…というか、悩み?アンケート?
A,猪瀬さん、苦労人だよね、これ以上は…
B,猪瀬(微?)ザマァが見たい
どっちの方が多いのだろう…
作者はBの予定でしたが、読み返すと、猪瀬、苦労人というか中間管理職の悲哀というか…狂信者ってだけで(?)ザマアは気の毒か?とか悩んでしまったんですよね…。なんつーか…さらに地獄が…読者様メンタル大丈夫かな?と。Bにした時の京極ザマァも地獄度が…
読者さんで希望がある方は、3/21 23時までに感想に「Aだよ」「Bだよ」一言でいいので書いていただければ幸いです
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