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「もう少し見ていたいけれど、母タイガーが疲れてしまいますよね。ありがとうございました」
園長さんにペコリとお辞儀した。
「いえ、そんな…」
京極はまだ不満そうだ
「あの! 2時間後にミルクを与えるんです。あの一番右端の子が母乳をうまく飲めなくて他の兄弟に負けちゃうから、スタッフが個別にあげているのです。チャレンジなさいますか?」
仔トラのもぐもぐタイム。とても魅力的なお誘いだが2時間後か。ここまで来るのにすでに1時間かかっているということは、この動物園に滞在できるのは1時間のみ。不可能だ
「私たちはあと1時間しかここにいない。今日1日ぐらいミルクの時間を早めることはできないのか」
ヲイ!
「申し訳ございません。まだあの子は小さいので無茶をさせることはできないのです」
「私が言っているのだが?」
京極が威圧を出しているようだ。園長が苦しそうにしている。
「ですが……」
「見せて下さい!二時間後にここにくれば良いですか!?」
俺の大声に京極の威圧が緩んだ
「は、はい」
「では、二時間後にまたこちらに伺います!失礼します!」
そのまま、飼育室を出る。どうせ京極は俺から離れない。ならば俺がここから出るのが一番の得策だ
「陸、待って」
無視をしてスタスタと歩き出す。ホワイトタイガーの赤ちゃんにそんな酷なことを言うやつなんて無視だ、無視。
…………でも、俺の為、なんだよ…
ため息をついて言った
「俺はとりあえず2時間後のもぐもぐタイムを見に行ってくる。お前はどちらでもいい。もともと3時間 という約束だから帰ってもいい。忙しいだろうし、その辺はお前に任せる」
「陸と一緒にいられる事以上に重要な事なんて私にはないよ」
「………………」
「電車は不安だから送らせて欲しい。 ダメか?」
「……分かった。」
カピバラやらキリンやら色々な動物を見て回った
動物って見ているだけで力をもらえる気がする
そして動物は直感が冴えわたっているのだろう。京極が来るとしずしずと頭を垂れるようにしてやってくるものもいれば、逆に一目散に逃げ出すものもいる
……猛獣すら使役できそうだ。
そんな地球の覇王は、コレまたガイドよろしく色々教えてくれた。
……このαの頭ってどうなっているんだろう?
「はい」
餌を渡される。この動物園は所々に餌の自販機があって、来園者が餌やりすることができる。
細やかな気遣いに心がざわめく。優しさがじわりじわりと心の奥深くに侵食してくる。
やっぱり来るべきでは無かった。そう、思う。
あっという間に2時間が過ぎてホワイトタイガーの所へ行った
園長さんと飼育員さんがいた。
「良い動物園だな。二時間……良い働きをしたな。」
「ありがとうございます!」
…………多分、寄附金額を増やすんだろうな。
飼育員さんがミルクをあげているのを間近で見る
哺乳瓶が赤ちゃんの口元に差し出されると、小さな虎は舌を出してミルクを飲む
「か、可愛い……」
ありえないくらいに可愛い。
「あげてみますか?」
飼育員さんがにっこりと笑いながらいう。
「いいんですか」
「はい。ただ、赤ちゃんとはいえ猛獣なので……」
「り」
「大丈夫です。カジカジするのは当たり前の事ですから。ありがとうございます。…京極もありがとう」
飼育員さんの言葉を遮った京極を更に俺が遮る。
こんな体験、二度とできない。流石に京極にも感謝だ。
仔トラを抱くと以外とずっしりで安定感バツグンだった。
「ほら、ミルクだよ」
腕の中の白いふわふわが懸命にミルクを飲む。
うわぁ~
「陸がミルクを与えている……」
「「「???」」」
京極がブツブツ何か呟いている。
そういえば、以前から京極は時々こんな風にしていたような……。それで、京極が席を外して猪瀬がため息と共に予定を変更していたな…
「陸がミルク…陸の…陸の…私が…私も陸のミル…飲む」
ヲイ?
「陸、私は少し席を外す。存分に楽しんで」
「「「「??」」」」
をい!
京極が去っていき、聞き取れなかった飼育員さんが怪訝そうな顔をする。
「お連れ様、どうかなさったんですか?」
「いえ。無視していいです」
他になんて答えろと!?
仔トラが前足をワシャワシャした。
可愛いなぁ。
癒しだ癒し。
これ以外、何も考えたくない……
戻ってきた京極を見て、飼育員さんが顔を赤らめた。
気持ちは分からないでもない。
なんつーか、凄絶に淫靡?淫猥?
…………これの運転する車で帰るのか。
気が重い……。
何かをするなら、帰りだろう。そう思って警戒をしながら車に乗ったが、特に京極が暴挙に出ることもなかった。
…………疲れた。
園長さんにペコリとお辞儀した。
「いえ、そんな…」
京極はまだ不満そうだ
「あの! 2時間後にミルクを与えるんです。あの一番右端の子が母乳をうまく飲めなくて他の兄弟に負けちゃうから、スタッフが個別にあげているのです。チャレンジなさいますか?」
仔トラのもぐもぐタイム。とても魅力的なお誘いだが2時間後か。ここまで来るのにすでに1時間かかっているということは、この動物園に滞在できるのは1時間のみ。不可能だ
「私たちはあと1時間しかここにいない。今日1日ぐらいミルクの時間を早めることはできないのか」
ヲイ!
「申し訳ございません。まだあの子は小さいので無茶をさせることはできないのです」
「私が言っているのだが?」
京極が威圧を出しているようだ。園長が苦しそうにしている。
「ですが……」
「見せて下さい!二時間後にここにくれば良いですか!?」
俺の大声に京極の威圧が緩んだ
「は、はい」
「では、二時間後にまたこちらに伺います!失礼します!」
そのまま、飼育室を出る。どうせ京極は俺から離れない。ならば俺がここから出るのが一番の得策だ
「陸、待って」
無視をしてスタスタと歩き出す。ホワイトタイガーの赤ちゃんにそんな酷なことを言うやつなんて無視だ、無視。
…………でも、俺の為、なんだよ…
ため息をついて言った
「俺はとりあえず2時間後のもぐもぐタイムを見に行ってくる。お前はどちらでもいい。もともと3時間 という約束だから帰ってもいい。忙しいだろうし、その辺はお前に任せる」
「陸と一緒にいられる事以上に重要な事なんて私にはないよ」
「………………」
「電車は不安だから送らせて欲しい。 ダメか?」
「……分かった。」
カピバラやらキリンやら色々な動物を見て回った
動物って見ているだけで力をもらえる気がする
そして動物は直感が冴えわたっているのだろう。京極が来るとしずしずと頭を垂れるようにしてやってくるものもいれば、逆に一目散に逃げ出すものもいる
……猛獣すら使役できそうだ。
そんな地球の覇王は、コレまたガイドよろしく色々教えてくれた。
……このαの頭ってどうなっているんだろう?
「はい」
餌を渡される。この動物園は所々に餌の自販機があって、来園者が餌やりすることができる。
細やかな気遣いに心がざわめく。優しさがじわりじわりと心の奥深くに侵食してくる。
やっぱり来るべきでは無かった。そう、思う。
あっという間に2時間が過ぎてホワイトタイガーの所へ行った
園長さんと飼育員さんがいた。
「良い動物園だな。二時間……良い働きをしたな。」
「ありがとうございます!」
…………多分、寄附金額を増やすんだろうな。
飼育員さんがミルクをあげているのを間近で見る
哺乳瓶が赤ちゃんの口元に差し出されると、小さな虎は舌を出してミルクを飲む
「か、可愛い……」
ありえないくらいに可愛い。
「あげてみますか?」
飼育員さんがにっこりと笑いながらいう。
「いいんですか」
「はい。ただ、赤ちゃんとはいえ猛獣なので……」
「り」
「大丈夫です。カジカジするのは当たり前の事ですから。ありがとうございます。…京極もありがとう」
飼育員さんの言葉を遮った京極を更に俺が遮る。
こんな体験、二度とできない。流石に京極にも感謝だ。
仔トラを抱くと以外とずっしりで安定感バツグンだった。
「ほら、ミルクだよ」
腕の中の白いふわふわが懸命にミルクを飲む。
うわぁ~
「陸がミルクを与えている……」
「「「???」」」
京極がブツブツ何か呟いている。
そういえば、以前から京極は時々こんな風にしていたような……。それで、京極が席を外して猪瀬がため息と共に予定を変更していたな…
「陸がミルク…陸の…陸の…私が…私も陸のミル…飲む」
ヲイ?
「陸、私は少し席を外す。存分に楽しんで」
「「「「??」」」」
をい!
京極が去っていき、聞き取れなかった飼育員さんが怪訝そうな顔をする。
「お連れ様、どうかなさったんですか?」
「いえ。無視していいです」
他になんて答えろと!?
仔トラが前足をワシャワシャした。
可愛いなぁ。
癒しだ癒し。
これ以外、何も考えたくない……
戻ってきた京極を見て、飼育員さんが顔を赤らめた。
気持ちは分からないでもない。
なんつーか、凄絶に淫靡?淫猥?
…………これの運転する車で帰るのか。
気が重い……。
何かをするなら、帰りだろう。そう思って警戒をしながら車に乗ったが、特に京極が暴挙に出ることもなかった。
…………疲れた。
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