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青空が広がり、太陽の光がオープンカーのボディを温かく照らしていた。
「…………」
「どうぞ」
キラッキラの笑顔で助手席に誘われるが、無視して後部座席に行く。
一瞬傷ついた様な顔をしたが、予想はしていたはずだ。ツーシーターのオープンカーをチョイスしてこなかったのだから。
最も、ツーシーターであればルール違反とでも言って動物園行きを断れたのだが。
『1時間後、マンション下にて。』
突然の連絡にも関わらず、京極は来た。俺の選択肢が土曜日か日曜日しかないのが分かっていて、待機していたのだろう。
…………
なんで。
この男がどれだけ忙しい男なのか俺だって分かっている。
世界的にも有名な京極家、日本を知らない人でもKyogokuは知っているというくらいの企業を持つ京極家、その嫡男。
待機、なんて時間はない筈なのに。
『陸以外いらない!』
頭を振る
忘れるんだ。
意外とドライブは快適だった。
風が爽やかに髪をなでて、日常を忘れた
トンネル内での排ガス臭は笑うしかなかったけど。
オープンカー、しかもこちらは後部座席。
狭い密閉空間で誘引フェロモンを当てられるのを警戒していた俺としては安心の配置だった。そして首都高で真上を見ながら移動するのは初めてでちょっと新鮮だった。見る角度が違うと、風景も違って見える。
京極は俺の言葉をクスクスと笑いながら聞いていた。
そして俺が「なあ、あれって…」といえばツアーガイドさならがに「あの看板は…」と説明をしてくれた。
…………認める。楽しかったことは楽しかった。コイツの記憶能力ってどうなっているんだろう……
動物園の駐車場に着くと京極が両手を差し出してきた。
「はい」
「…………」
うららかな日差し。キャッキャキャッキャと子供たちの楽しそうな声。のどかな土曜日の光景
そして、縛られるためにうっとりとしながら両手を差し出すイケメン…。
シュールだ。
信用はできないから一応 ロープが持っては来たが
「今日はいい」
何かを仕掛けて来るならもうしていただろう。この男は純粋に俺を動物園に連れてきたかっただけなのだ。
「ありがとう」
無視して入り口に向かおうとすると直ぐに年配の男性が現れた。園長らしい。
「ご案内します」
…………縛らなくて良かったと本気で思った。どんな目で見られていたか。
挨拶をすませて飼育室に向かった。やはり京極の名は凄い。まだお披露目がされていないホワイトタイガーの赤ちゃんの所へと誘導されるのだから。
檻の前に行く
京極が俺の手を取り、「見て、あれが赤ちゃんだよ。かわいいだろう?」と耳元で囁いた。
そこには母親と一緒に寝そべる小さなホワイトタイガーの赤ちゃんがいた。
その瞬間、小さなホワイトタイガーに心を奪われてしまった。京極の手を振りほどくのを忘れるほどに。愛らしい姿に、思わず笑みがこぼれた。
「抱かせて貰えるという話だったが?」
「その……時間が合わなく……」
体重を測ったりするタイミングで俺達が着けば可能だったのだろう。
しどろもどろの園長に京極が不快感を露わにするが、悪いのはこちらだ。
「こんな可愛い姿を間近で見れたので大満足です。ありがとうございます。」
園長があからさまにホッとした。
「だが、陸…」
「俺は十分に満足した。園長さんの心遣いに感謝している」
寧ろ京極を前にしても、獣相手に無理をしない姿勢がいい。……まあ、京極も獣みたいなもんだが。どちらにしろ、生き物ファーストな所は評価に値する。
それに、このαは自分が抱っこしたいわけでは無い。俺に抱っこさせてやりたくて園長に無理難題押し付けているのだ。
つまり、園長は……とばっちりだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
しかし……某ネズミーランドの駐車場でイケメンがリードに繋がれながら笑顔で歩く姿とか想像してしまいました。シュールというかホラーというか……
「…………」
「どうぞ」
キラッキラの笑顔で助手席に誘われるが、無視して後部座席に行く。
一瞬傷ついた様な顔をしたが、予想はしていたはずだ。ツーシーターのオープンカーをチョイスしてこなかったのだから。
最も、ツーシーターであればルール違反とでも言って動物園行きを断れたのだが。
『1時間後、マンション下にて。』
突然の連絡にも関わらず、京極は来た。俺の選択肢が土曜日か日曜日しかないのが分かっていて、待機していたのだろう。
…………
なんで。
この男がどれだけ忙しい男なのか俺だって分かっている。
世界的にも有名な京極家、日本を知らない人でもKyogokuは知っているというくらいの企業を持つ京極家、その嫡男。
待機、なんて時間はない筈なのに。
『陸以外いらない!』
頭を振る
忘れるんだ。
意外とドライブは快適だった。
風が爽やかに髪をなでて、日常を忘れた
トンネル内での排ガス臭は笑うしかなかったけど。
オープンカー、しかもこちらは後部座席。
狭い密閉空間で誘引フェロモンを当てられるのを警戒していた俺としては安心の配置だった。そして首都高で真上を見ながら移動するのは初めてでちょっと新鮮だった。見る角度が違うと、風景も違って見える。
京極は俺の言葉をクスクスと笑いながら聞いていた。
そして俺が「なあ、あれって…」といえばツアーガイドさならがに「あの看板は…」と説明をしてくれた。
…………認める。楽しかったことは楽しかった。コイツの記憶能力ってどうなっているんだろう……
動物園の駐車場に着くと京極が両手を差し出してきた。
「はい」
「…………」
うららかな日差し。キャッキャキャッキャと子供たちの楽しそうな声。のどかな土曜日の光景
そして、縛られるためにうっとりとしながら両手を差し出すイケメン…。
シュールだ。
信用はできないから一応 ロープが持っては来たが
「今日はいい」
何かを仕掛けて来るならもうしていただろう。この男は純粋に俺を動物園に連れてきたかっただけなのだ。
「ありがとう」
無視して入り口に向かおうとすると直ぐに年配の男性が現れた。園長らしい。
「ご案内します」
…………縛らなくて良かったと本気で思った。どんな目で見られていたか。
挨拶をすませて飼育室に向かった。やはり京極の名は凄い。まだお披露目がされていないホワイトタイガーの赤ちゃんの所へと誘導されるのだから。
檻の前に行く
京極が俺の手を取り、「見て、あれが赤ちゃんだよ。かわいいだろう?」と耳元で囁いた。
そこには母親と一緒に寝そべる小さなホワイトタイガーの赤ちゃんがいた。
その瞬間、小さなホワイトタイガーに心を奪われてしまった。京極の手を振りほどくのを忘れるほどに。愛らしい姿に、思わず笑みがこぼれた。
「抱かせて貰えるという話だったが?」
「その……時間が合わなく……」
体重を測ったりするタイミングで俺達が着けば可能だったのだろう。
しどろもどろの園長に京極が不快感を露わにするが、悪いのはこちらだ。
「こんな可愛い姿を間近で見れたので大満足です。ありがとうございます。」
園長があからさまにホッとした。
「だが、陸…」
「俺は十分に満足した。園長さんの心遣いに感謝している」
寧ろ京極を前にしても、獣相手に無理をしない姿勢がいい。……まあ、京極も獣みたいなもんだが。どちらにしろ、生き物ファーストな所は評価に値する。
それに、このαは自分が抱っこしたいわけでは無い。俺に抱っこさせてやりたくて園長に無理難題押し付けているのだ。
つまり、園長は……とばっちりだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
しかし……某ネズミーランドの駐車場でイケメンがリードに繋がれながら笑顔で歩く姿とか想像してしまいました。シュールというかホラーというか……
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