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117ー猪瀬
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大学から借り上げている執務室で浮ついた貴嗣様がいう。
「明日からマンションの前で陸を待つ」
「………………はい」
「離れに不備は無いか」
「明日の朝までには完了します」
皆不眠不休だけどな!
「わかった」
「…………」
本日何度目ですか、この話!
貴嗣様の見立てでは、早く見積もって明日、妥当な所だと明々後日には青島がΩ化する。
無断欠席をこれ以上続けられない青島は熱が下がり次第、大学にリモート受講の申請をしに行くはずだ。
そこで確保する。
浮かれている貴嗣様は今日からマンションの前で待機したいと言っていたが、流石に止めた。
何日も車を停めていてマンションの住人に不審者と認定されて警察でも呼ばれると面倒だ。一応、マンション付近での事件は黙認しろと警察には指示済みだが、下っ端まで周知されているとは限らない。
攫う時に青島は抵抗するだろうし、面倒は避けたい。
不意に電話が鳴った
出ると学生課だった。
「青島陸が、リモート受講の申請をしています。不備がない為、受理するしか無いのですが」
なんだと?
「引き延ばせ。直ぐに向かう」
何故だ。青島を監視している者からの連絡は無かった。青島の変装程度見破れる者達だったはずだ。
俺の緊張した声に浮ついていた貴嗣様も表情を改めている
「青島が学生課に現れました」
俺の報告を聞くや否や、貴嗣様は部屋を飛び出していく。
思わず舌打ちした。
迎車の手配、離れから職人の退避、食料品といった巣篭もり用品の手配など連絡事項ばかりだ。番の危機を前に飛び出して行った貴嗣様に追いつけるとは到底思えない。
Ωになったという自覚がないままにふらふらと出歩く番ほど危険なものはない。それを貴嗣様は身をもって知っている。
学生課であれば特に問題ないだろうが、貴嗣様の心にそんな余裕はない。 焦燥感、無事な青島を見て安堵、拒絶されて絶望。このジェットコースターに貴嗣様の精神が耐えられるのか
煽るような事を青島がしないでくれる事を願うしかない。
だが、あの青島だ。自分で自分の首しめることをしそうだ。
意図せずΩになられた母君の事がある。そこいらのαに奪われる前にと貴嗣様は一刻も早く番にならねばと、それしか頭に無いだろう。
ラットになり易い条件が揃っている。
慎重に動いてくれよ、青島。
そして、俺の想像通り、馬鹿島は貴嗣様を煽っていた。
遅れて学生課に着いた俺の耳に入った青島の言葉
「俺が求めているのはコンちゃんだ!ぐっ!」
愚か者!
青島の言葉に貴嗣様が怒り誘引フェロモンを発したようだ。数名のΩの顔が紅潮している。
……慰謝料兼口止め料を即時払いと契約書の作成……。
貴嗣様はと言うと、
青島の手を自身の下半身へと導いていた
「陸にあげるから、大人しくしてね」
「「「…………」」」
カシャン
女がカップを落とした。
その音で青島が正気に戻る。
そのままオメガ用の防犯ベルを鳴らした。αが弱いとされるノイズに、一瞬だが貴嗣様に隙が出来た。青島が、GPS を飲み込んだ。
貴嗣様がベルを奪い取り、踏み潰した。そして過剰な誘淫フェロモン発した。
青島を含め、わずかにいたΩ達がヒートになる。
甘い香り。
喉が鳴る。
咄嗟に自分に抑制剤を打った。βの事務員達が香りにつられて襲いかかるのを殴って止めた。そしてΩ達をシェルターに放り投げた。
…………疲れた。
…………慰謝料。治療費、秘密保持契約書作成。
執務室の見張り……。
頭が痛い……。
唯一の救いは、貴嗣様がラットにならないですんだことか。
上着を青島に被せて執務室に移動したという事はまだ理性が残っているという事だ。
これ以上のトラブルは避けたい。
さっさと番って下さい!
~~~~~~~~~~~~
猪瀬さんはフラグ立てる名人かな?♪
「明日からマンションの前で陸を待つ」
「………………はい」
「離れに不備は無いか」
「明日の朝までには完了します」
皆不眠不休だけどな!
「わかった」
「…………」
本日何度目ですか、この話!
貴嗣様の見立てでは、早く見積もって明日、妥当な所だと明々後日には青島がΩ化する。
無断欠席をこれ以上続けられない青島は熱が下がり次第、大学にリモート受講の申請をしに行くはずだ。
そこで確保する。
浮かれている貴嗣様は今日からマンションの前で待機したいと言っていたが、流石に止めた。
何日も車を停めていてマンションの住人に不審者と認定されて警察でも呼ばれると面倒だ。一応、マンション付近での事件は黙認しろと警察には指示済みだが、下っ端まで周知されているとは限らない。
攫う時に青島は抵抗するだろうし、面倒は避けたい。
不意に電話が鳴った
出ると学生課だった。
「青島陸が、リモート受講の申請をしています。不備がない為、受理するしか無いのですが」
なんだと?
「引き延ばせ。直ぐに向かう」
何故だ。青島を監視している者からの連絡は無かった。青島の変装程度見破れる者達だったはずだ。
俺の緊張した声に浮ついていた貴嗣様も表情を改めている
「青島が学生課に現れました」
俺の報告を聞くや否や、貴嗣様は部屋を飛び出していく。
思わず舌打ちした。
迎車の手配、離れから職人の退避、食料品といった巣篭もり用品の手配など連絡事項ばかりだ。番の危機を前に飛び出して行った貴嗣様に追いつけるとは到底思えない。
Ωになったという自覚がないままにふらふらと出歩く番ほど危険なものはない。それを貴嗣様は身をもって知っている。
学生課であれば特に問題ないだろうが、貴嗣様の心にそんな余裕はない。 焦燥感、無事な青島を見て安堵、拒絶されて絶望。このジェットコースターに貴嗣様の精神が耐えられるのか
煽るような事を青島がしないでくれる事を願うしかない。
だが、あの青島だ。自分で自分の首しめることをしそうだ。
意図せずΩになられた母君の事がある。そこいらのαに奪われる前にと貴嗣様は一刻も早く番にならねばと、それしか頭に無いだろう。
ラットになり易い条件が揃っている。
慎重に動いてくれよ、青島。
そして、俺の想像通り、馬鹿島は貴嗣様を煽っていた。
遅れて学生課に着いた俺の耳に入った青島の言葉
「俺が求めているのはコンちゃんだ!ぐっ!」
愚か者!
青島の言葉に貴嗣様が怒り誘引フェロモンを発したようだ。数名のΩの顔が紅潮している。
……慰謝料兼口止め料を即時払いと契約書の作成……。
貴嗣様はと言うと、
青島の手を自身の下半身へと導いていた
「陸にあげるから、大人しくしてね」
「「「…………」」」
カシャン
女がカップを落とした。
その音で青島が正気に戻る。
そのままオメガ用の防犯ベルを鳴らした。αが弱いとされるノイズに、一瞬だが貴嗣様に隙が出来た。青島が、GPS を飲み込んだ。
貴嗣様がベルを奪い取り、踏み潰した。そして過剰な誘淫フェロモン発した。
青島を含め、わずかにいたΩ達がヒートになる。
甘い香り。
喉が鳴る。
咄嗟に自分に抑制剤を打った。βの事務員達が香りにつられて襲いかかるのを殴って止めた。そしてΩ達をシェルターに放り投げた。
…………疲れた。
…………慰謝料。治療費、秘密保持契約書作成。
執務室の見張り……。
頭が痛い……。
唯一の救いは、貴嗣様がラットにならないですんだことか。
上着を青島に被せて執務室に移動したという事はまだ理性が残っているという事だ。
これ以上のトラブルは避けたい。
さっさと番って下さい!
~~~~~~~~~~~~
猪瀬さんはフラグ立てる名人かな?♪
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