【本編完結済】底辺αは箱庭で溺愛される

認認家族

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116ー猪瀬

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青島が大学を休んでいる。
貴嗣様の見立てではあと二三日で登校してくるとの事だ。
青島が登校の為にマンションを出しだい拉致する手筈になっている。流石に鷹司の所有するマンション内で事を犯すのは後々面倒だから、こればかりは待ちの姿勢にならざるえない
それまでは大学にあるこのレンタルルームで仕事だ。青島を捕まえたらヒート休暇で貴嗣様は1週間仕事をしない。
今のうちに…と思うのに

「寝室の進行状況は?」
「中央は完了しています。東と西は8割といったところです」
「そうか。急がせるように」
「………………はい」
本日何度目ですか、この指示!

貴嗣様の指示で、青島に出会って直ぐから離れを造っていたが、旅行後に色々あって昔監禁用に使用されていた蔵のリノベーションを優先させたりと、予定外の事が続いて離れの内装は進んでいなかった。それを突然、1週間後から使用するから完了させろと言われましても!
人手を追加しようにも、京極の敷地内に入れるのだから腕は勿論の事、身辺調査済みの職人という条件があって、即採用とはいかない。
…………職人もだが、突然の方針転換に俺も昼夜兼行だ。
更にその上厄介な事に、
「陸は、壁紙の色は明るい方が好きだ」
とか、
「陸は暖炉が好きだから、ベッドから見えるように」
とか言いだす始末。
なんとか、不眠不休で対応するも、更にはた迷惑な事を
「でも、陸にはブルーよりもグリーンが似合うから……」
「いや、部屋の場合は違うのか?」
そう言って時間がないというのに壁紙を貼り直させる
あなた、即断即決な人でしたよね?壁紙の一つやら2つ、選ぶことすらできないのですか
だいたい、青島を拉致してヒートにさせるのだから、まともに壁紙など見れないでしょう?だったらとりあえずの箱ができていれば問題ないわけですし、内装は追々好みに変えていけばいいのではないのですか?そう、提案すると
『ヒートか。 そうだな。その間、陸は私しか見ないのだから、壁紙よりも、優先すべき事があるな。ヒートの陸か……』
今あなた何を想像しました?
『急用を思い出した』
そう言って貴嗣様が部屋を出ていく。ハイハイ、そうですね、急ぎですね。だいたい 想像はつきます…
職人達が目を白黒させる。そりゃ意味がわからんだろう。側近の立場としては分かられたくない。今のうちだぞ、そう云うとハッとした職人達が慌てて作業を再開する。
戻って来るまでにもっと進んでいたら流石に諦めてくださるだろう。
そして、暫くして戻ってきた貴嗣様は正視 するのがためらわれるほど淫靡な雰囲気を醸し出していた
職人も思わず目をそらした。

『クローゼットが何故二つある』
『大きい方が使い様、小さい方が主様のクローゼットとなっております』
『私と陸を分断するつもりなのか』
貴嗣様が威圧を発する。
いや貴方、先ほどまで 平和ボケをしていたのだからそのままのモードでいてください。職人のうち耐性がない者は倒れてるじゃないですか
それでも親方はさすがである。理不尽な上位αで慣れているのだろう
『いえ、ヒート中でも番様の傍を離れなければならない時間がどうしてもあります。数分ですが。その際、番様が安心して巣作りできるように、クローゼットは主様だけのニオイで満たしておく方がいいんですよ。』
『陸の巣作り……そうか。では私の服を運び込まなければ 』
……いやそれ今必要ですか。 使用人に後で運ばせればいいでしょう? 部屋が完成してから
『そうですね。番様によっては主様が戻って来られるまでクローゼットの中にいる方もいらっしゃるほどですから、持って来られる物は吟味なされた方がいいですね』
要約すると、自室のクローゼットで時間を潰して下さい、ニオイ漬けしてて下さい、といった所か。
『体が痛くないように私の香りがするも用意しておかねばな』
貴嗣様が幸せそうにうっとりと笑った。 その色香のせいで、なんとか無事だった職人も数名が腰砕けになった。この人手不足の時に!

さすがにプロだけあって、親方は何も言わなかった。ただ俺に目で訴えた。この男をどうにかここから連れ出してくれ、そうでないと仕事が進みませんと


そんなこんなで冒頭のやり取りに戻る。
ヒート休暇を餌になんとか大学まで引っ張り出してきたが、やはり新居が気になるのだろう。

『恋愛童貞って可愛いもんだろ』
いや 千葉、恋愛童貞なんて可愛いくもない、はた迷惑なだけだ

























~~~~~~~~~~~~~~
いやいやいや、職人さんたち!
クッションにフェロモン漬けってナニするか分かってますか!?
ぽ~となってんじゃねぇ!








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