106 / 243
104-???
しおりを挟む
~~~~~~~~~~~~~~
陸が京極様以外といたします。
苦手な方は飛ばして下さい。
~~~~~~~~~~~~~~
久々のオフ。
ファンサの予定もない完全フリーな日は久々だ。
うん、久々にbarにいこう。久しぶりに男としたい。俺はバイだ。と言うかゲイだけど女ともできる。が、嗜好はゲイだから女とヤッても楽しくはない。仕事だ。
行きつけの店に向かって歩く。
通りには手軽にすませようという男たち。
Barにでも行けよ。トラブルの元だぞ。
ただ、少しいつもと雰囲気が違った。皆がチラチラと気にしている方を見ると、ああ…と納得した。何かが俺らを惹きつける。
ここいらに立つには全くすれてない男。ノンケの雰囲気のある男。処女か一人知っている程度の男。身の置き場が無くて縮こまっている感じもオスの嗜虐心を煽る。
通りで男を漁るのは手っ取り早く済ませたい連中ばかりだ。たから、処女とか手間のかかるヤツなど人気はない。けれどこの男が相手ならばその手間すら愉しめる、そう思ってるタチ同士が牽制しあってるのが見て取れた。
俺の視線を感じたのか、その男がこちらを向き、目があった。迷子のような瞳に安堵が広がる。どうやら俺は合格らしい。
声をかけると意外と簡単についてきた。自宅でも良いと言う。
不用心だな。俺はこのコを他のヤツらがやりまくってるホテルにつれていきたくはなかったから自宅に誘ったが、タチの悪い輩だったら複数人待ち構えていて輪姦される可能性だってあったんだぞ?
ただ、警戒心が全くないわけではないようだ。俺の部屋に入ってからは体が緊張している。
なのに、リラックスできるようにとハーブティーを淹れてあげると、素直に飲んだ。クスリとか心配しないのか?
瞼にキスすると、ビクリと震えた。
………。
警戒しているのではなく、これは怖がっている?
まさか……
「童貞処女?」
「お、男に処女とかいうな!」
思わず笑ってしまった。
「童貞は認めたんだな」
うぐって音が聞こえそうで、余計に笑いが漏れる。
「でもさ、君ヘテロだろ?顔だって悪く無いんだし、何で今まで童貞?しかも何であんな所に立ってたの」
「彼女はいた!ただ彼女は結婚するまで清い関係でいましょうって!」
「いや、ソレ完璧にキープ君じゃん」
女ってやっぱ最低だな。そんな言葉に騙されるような無垢いヤツを利用しやがって。顔は悪くはないし育ちも良さそうだから、キープしとこって感じだろうな。お人好しそうだし、体だって適度に運動している靭やかな筋肉で構成されてて……。
するりと触ると、ギャっと悲鳴をあげた。焦る様子が可愛い。初物感強すぎ。
「…ねぇ?何であんな所に立ってたの。」
あの通りで、追い詰められた目をしてた。でもキレるとかではなく迷子みたいに頼りない目。
「……関係ある?するのにそんな情報必要?」
強気な発言。でも指先は忙しなく動いてて怯えてるのがわかる
「じゃあ、今日はしない」
「え!?」
……そんなに驚く事か?いや、驚く事か。俺だって逆の立場なら驚くわ。持ち帰られて何もしないなんてさ。
「駄目だ!もう、こんな機会ない!」
やっぱり訳ありか。
「怯える童貞処女を相手にするほど飢えてはいないんだよ、俺も。理由、教えてよ」
いや、普段だったら同意済みならヤってるけどね。一夜かぎりだし。けど、このコとは……
「…………ろくでもないヒヒ爺に目をつけられて、騙されて借金させられたんだ。体で払えって言われている」
…………。
わからないでもない。
不思議な魅力があるからな、このコ……
「その予行練習?」
「…………予行練習というより……あの男への嫌がらせだ。ヤツは俺の初にも拘ってるようだから」
理解はできる。この子はまっさらな雪原みたいなものだ。唯一の足跡をつけたくもなる。
「…………アリ地獄にでも嵌った気分なんだ。普通に生きて、彼女との将来を夢見て過ごしていただけだったはずなのに……」
聞いていられなくて、口付けをした。
「名前は?」
「……陸」
「俺は……」
言おうとしたら首をふられた。
「多分……俺が覚えてない方がいい。」
…………初めての男を忘れるの?それとも、初めての男の名前をおぼえていると何か不都合があるの?
そんなに暗い目をしないで。
陸が京極様以外といたします。
苦手な方は飛ばして下さい。
~~~~~~~~~~~~~~
久々のオフ。
ファンサの予定もない完全フリーな日は久々だ。
うん、久々にbarにいこう。久しぶりに男としたい。俺はバイだ。と言うかゲイだけど女ともできる。が、嗜好はゲイだから女とヤッても楽しくはない。仕事だ。
行きつけの店に向かって歩く。
通りには手軽にすませようという男たち。
Barにでも行けよ。トラブルの元だぞ。
ただ、少しいつもと雰囲気が違った。皆がチラチラと気にしている方を見ると、ああ…と納得した。何かが俺らを惹きつける。
ここいらに立つには全くすれてない男。ノンケの雰囲気のある男。処女か一人知っている程度の男。身の置き場が無くて縮こまっている感じもオスの嗜虐心を煽る。
通りで男を漁るのは手っ取り早く済ませたい連中ばかりだ。たから、処女とか手間のかかるヤツなど人気はない。けれどこの男が相手ならばその手間すら愉しめる、そう思ってるタチ同士が牽制しあってるのが見て取れた。
俺の視線を感じたのか、その男がこちらを向き、目があった。迷子のような瞳に安堵が広がる。どうやら俺は合格らしい。
声をかけると意外と簡単についてきた。自宅でも良いと言う。
不用心だな。俺はこのコを他のヤツらがやりまくってるホテルにつれていきたくはなかったから自宅に誘ったが、タチの悪い輩だったら複数人待ち構えていて輪姦される可能性だってあったんだぞ?
ただ、警戒心が全くないわけではないようだ。俺の部屋に入ってからは体が緊張している。
なのに、リラックスできるようにとハーブティーを淹れてあげると、素直に飲んだ。クスリとか心配しないのか?
瞼にキスすると、ビクリと震えた。
………。
警戒しているのではなく、これは怖がっている?
まさか……
「童貞処女?」
「お、男に処女とかいうな!」
思わず笑ってしまった。
「童貞は認めたんだな」
うぐって音が聞こえそうで、余計に笑いが漏れる。
「でもさ、君ヘテロだろ?顔だって悪く無いんだし、何で今まで童貞?しかも何であんな所に立ってたの」
「彼女はいた!ただ彼女は結婚するまで清い関係でいましょうって!」
「いや、ソレ完璧にキープ君じゃん」
女ってやっぱ最低だな。そんな言葉に騙されるような無垢いヤツを利用しやがって。顔は悪くはないし育ちも良さそうだから、キープしとこって感じだろうな。お人好しそうだし、体だって適度に運動している靭やかな筋肉で構成されてて……。
するりと触ると、ギャっと悲鳴をあげた。焦る様子が可愛い。初物感強すぎ。
「…ねぇ?何であんな所に立ってたの。」
あの通りで、追い詰められた目をしてた。でもキレるとかではなく迷子みたいに頼りない目。
「……関係ある?するのにそんな情報必要?」
強気な発言。でも指先は忙しなく動いてて怯えてるのがわかる
「じゃあ、今日はしない」
「え!?」
……そんなに驚く事か?いや、驚く事か。俺だって逆の立場なら驚くわ。持ち帰られて何もしないなんてさ。
「駄目だ!もう、こんな機会ない!」
やっぱり訳ありか。
「怯える童貞処女を相手にするほど飢えてはいないんだよ、俺も。理由、教えてよ」
いや、普段だったら同意済みならヤってるけどね。一夜かぎりだし。けど、このコとは……
「…………ろくでもないヒヒ爺に目をつけられて、騙されて借金させられたんだ。体で払えって言われている」
…………。
わからないでもない。
不思議な魅力があるからな、このコ……
「その予行練習?」
「…………予行練習というより……あの男への嫌がらせだ。ヤツは俺の初にも拘ってるようだから」
理解はできる。この子はまっさらな雪原みたいなものだ。唯一の足跡をつけたくもなる。
「…………アリ地獄にでも嵌った気分なんだ。普通に生きて、彼女との将来を夢見て過ごしていただけだったはずなのに……」
聞いていられなくて、口付けをした。
「名前は?」
「……陸」
「俺は……」
言おうとしたら首をふられた。
「多分……俺が覚えてない方がいい。」
…………初めての男を忘れるの?それとも、初めての男の名前をおぼえていると何か不都合があるの?
そんなに暗い目をしないで。
89
お気に入りに追加
1,572
あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

アルファな俺が最推しを救う話〜どうして俺が受けなんだ?!〜
車不
BL
5歳の誕生日に階段から落ちて頭を打った主人公は、自身がオメガバースの世界を舞台にしたBLゲームに転生したことに気づく。「よりにもよってレオンハルトに転生なんて…悪役じゃねぇか!!待てよ、もしかしたらゲームで死んだ最推しの異母兄を助けられるかもしれない…」これは第二の性により人々の人生や生活が左右される世界に疑問を持った主人公が、最推しの死を阻止するために奮闘する物語である。
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。

朝起きたら幼なじみと番になってた。
オクラ粥
BL
寝ぼけてるのかと思った。目が覚めて起き上がると全身が痛い。
隣には昨晩一緒に飲みにいった幼なじみがすやすや寝ていた
思いつきの書き殴り
オメガバースの設定をお借りしてます
急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。
石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。
雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。
一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。
ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。
その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。
愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる