上 下
101 / 235

100ー???

しおりを挟む


…………。
いやいやいや、当時の自分~!
夢みすぎのシンデレラか!
情熱的な想いって碌なもんじゃないっ
αなんかにβが想われたら不幸、ホラーだわ!


パーティの後日。
講義終了後に、教室に入ってきた京極様。
まるで吸い込まれるように青島君のもとへと行った。
ずっと探していた側近候補だと。
正直、二軍な青島君では京極様の下で働くのは無理なんじゃないかな……と思っていたんだけど……。11月にもなると、様相が一転していた。
京極様が青島君を「私の番」と呼んでいるのだ。
青島君の顔は完全に引き攣っている。
そりゃ、α×α、男×男だもんね。それに二人共本来ヘテロ、だよね。
それでも京極様は情熱的で、青島君に袖にされてもめげなかった。私達βはキャッキャキャッキャとしていた。ロミオとジュリエット。情熱的で羨ましい。そんな感じだった。青島君が無理矢理キスされるのを見るまでは。
いや、それすらもまるでお芝居を見ているようで素敵だと思った。

カフェで、兄に話した。
「生クリームついてる」
兄さんが、グイっと私の口元を親指で拭いた。そのままぱくりと食べた。
キャ~と黄色い声が上がる。
「兄さん、目立つからやめてよ」
小声でいうけれど、無視された。
「こっちにもついてる」
また唇をふかれた。
めっちゃ、ざわついてるんだけど。
「兄さん」
「お前は食べるの下手だよなぁ」
「……和君」
「何?」
………、ホントにこの人は(怒)
「ついていたなら、教えてよ」
「今、教えたよ?」
キョトンとされても!
α達は、自分らがどれだけ周りの視線を集めているか興味がないのだ。……それが京極 様とまでなるとさらに注目を浴びてるよね。青島君、ヘテロだと思うし、婚約者いるし。……さすがに青島君が少し気の毒に思えた。

そうβの友達に言うと、皆もなんとなく同意してくれた。
少なくともキャッキャキャッキャとはしゃぐのはやめ、少し冷静になって見るようになった
無理やりキスされた青島君は口をぐいっと吹き、そのまま教室を出ていく。京極様が青島君の後をふわふわとついていく。青島君がトイレに入っていったのでβの男友達に様子を探ってもらった。
曰く、青島君は嘔吐していたとのこと。そして、男友達は見た。青島君にハンカチを差し出している京極様を!
β陣営はドン引きした。地の底まで京極様の評価は落ちた。
ホラーかよ!


「だってフツーにホラーでしょ!吐き気がするくらい嫌いな人に無理矢理キスされてトイレ駆け込んで、吐いて顔上げたらソイツがハイって笑顔でタオル差し出すんだよ!?恐怖でしょ?」
「う~ん、αなら当然の行動だよ。俺もお前が体調不良になれば介抱するよ。」
「そりゃ、兄さんだから。じゃなくて!元凶にそんなことされたらホラーだよ!ほっといてよ!」
「けど、番がさらに体調を崩したら大変じゃない」
「精神は!αにその気遣いは無いの!?殺人鬼から逃れてシェルターに入って顔をあげたら、目の前に殺人鬼がまたいたようなもんよ!」
「いや、番だぞ?」
「青島君にとっては違うから!万が一、青島君がホラー映画が好きでも自分が主人公になるなんて絶対嫌なはずだよ!」
「αは番のお世話をしたいものなんだよ?」
……
…………通じない、通じない!
時折αが出る程度のβ家系のαな兄ですらこれだ
αΩな京極家なんて、最早サイコパス……。





~~~~~~~~~~~~~~~

いや、マジでホラー映画。
臭いブサメンにやられたら超怖く無いっすか?

これ、???を男性にするか女性にするか迷ったんですよね。
BLに女子を出してはイケナイというオキテがあるみたいですし、実際、前回のエールは激減。そ~こ~の~貴方みてますよ((笑))。そしてそれでもエールくれた奇特な貴方(お一人ですからもう、キバツ決定!)ありがとうございます。
まぁ、冗談?はさておき、
それでも、この行動をやっていたのが好きな人じゃなかったら?のリアル感(ホラー感)を読者さんに実感して頂きたかったんですよね~。仕事では無く趣味で書いてるんでいいや!と迷いを捨てて書きました。お仕事じゃないって楽ですよね~。


しかし、記念すべき100回目(一個前?)が女性視点とは……
進みが悪くてついつい他作品に浮気してしまう。ただ、そっちもオチは決めているけれど、えちえちが書けずに筆が止まってしまう。う~ん。作品紹介にストーリー性は無くうす~くえっちしている作品で書いているからこのままアップしたろか!?
とか、自分で遅筆ループに嵌ってました。
なんとかこっちは書けたから良かった……
個人的に好きな数字の108回は、何か記念なものにしたかったけど……DEF-猪瀬の回?累兄さんは長くなりすぎてるし別作品として後日アップ予定だし……う~ん。108回もフツーに書いて終わりそう。

趣味とはいえ、こんなに長く続けていられるのも読んでくださる皆様がいるお陰。
拙い文章ですが、今後ともよろしくお願いします♪



しおりを挟む
感想 146

あなたにおすすめの小説

美形な幼馴染のヤンデレ過ぎる執着愛

月夜の晩に
BL
愛が過ぎてヤンデレになった攻めくんの話。 ※ホラーです

変なαとΩに両脇を包囲されたβが、色々奪われながら頑張る話

ベポ田
BL
ヒトの性別が、雄と雌、さらにα、β、Ωの三種類のバース性に分類される世界。総人口の僅か5%しか存在しないαとΩは、フェロモンの分泌器官・受容体の発達度合いで、さらにI型、II型、Ⅲ型に分類される。 βである主人公・九条博人の通う私立帝高校高校は、αやΩ、さらにI型、II型が多く所属する伝統ある名門校だった。 そんな魔境のなかで、変なI型αとII型Ωに理不尽に執着されては、色々な物を奪われ、手に入れながら頑張る不憫なβの話。 イベントにて頒布予定の合同誌サンプルです。 3部構成のうち、1部まで公開予定です。 イラストは、漫画・イラスト担当のいぽいぽさんが描いたものです。 最新はTwitterに掲載しています。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ
BL
 「ずっと、好きだよ。」 …長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。 もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。 ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。  そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…  なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!? ーーーーー 美形×平凡っていいですよね、、、、

孕めないオメガでもいいですか?

月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから…… オメガバース作品です。

処理中です...