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講義がよく被るαがいる。青島君。
他のαに比べるとキラキラしさは劣るけれど、努力家な感じがして好感が持てる、そんなαがいる。
キラキラしいαが多いこの大学では少数派。βでも手を伸ばせそうなα
最も、私みたいなβは更に少数だ。
この大学は最高学府とも言われているから、世の中のバース分布を無視して一軍αが大多数となってる。その中で、更に一軍というか別次元なαがいる。エンペラーというかなんというか……皆、自然と様付けで呼んでしまうようなαが。β女子は勿論、一軍α女子も夢中になっていた。ただ、あまりにも神々しくて、β女子達は声をかける事が出来なかった。α女子は、私こそが京極様の伴侶に相応しい、と、臆する事もなく隣を争っていた。ただ、ある日からパタッと一軍α男子同様、側近争いになってた。伴侶枠はあきらめた?
「凄くない~?ある日突然α女子の態度が変わったの」
「京極、だったよな?」
「うん、そう。和君、京極様の事知ってんの?」
「まぁ……α界隈では有名だからなぁ」
和君がいう。
和君って呼んでいるけれど、実際は兄だ。妹とカフェに来ているなんて知れたら恥ずかしいから外では和臣と呼べと言われているが、兄を、それもαの兄を呼びすてなんてできるわけがない。うちの家系はポロリポロリとαが生まれるがメインはβだ。αの兄は家が苦手なのか早々に一人暮らしを始めた。
「まぁ、触らぬ神に祟りなし、だ。お前は近寄るなよ?」
「うん」
近寄りたくても神々しすぎて、目が焼かれるよ。
京極様主催のミニパーティの招待状が届いた。
え!?
私の友人数名にも届いてた。
「何着ていく~?」
「梅雨だから、雨とか気になるし、ホテルで着替える?」
皆キャッキャとはしゃいでいた。うちらβ女か近寄って良いお方ではない。でも……京極様から来てくださるならソレは別なのだ。慌ててエステを予約したりドレスを買ったり時間が無い中、皆が夢を見た。
着替えて広間にいく途中、兄に会った。
「え?なんでここに?」
流石に偶然って事はないでしょう。兄は無言で私を抱きしめた。
え?
「「あ…、私達先に行くね~」」
何を誤解したのか、友人達が去っていく。しょうがない。兄の背中をポンポンと叩いた。昔から、兄は時々こうして情緒不安定になることがある。
「どうしたの?」
首をふる。けれど、それだけ。
「何かあった?」
顔色が悪い。目には焦燥感が溢れている。
「何も……。部屋で…あ、いや、ロビーで待っているから、終わったら一緒に帰ろう?」
「うん」
悲壮感。
どうしたのだろう?
会場は立食パーティだった。決め事があったわけではないけれど、招待客が順番に京極様へ挨拶に行く。
私たちも挨拶にいく。
初めて間近で見た京極様はとてつもなく神々しくて……体が歓喜に震えた
チッ
ち?
え?
舌打ちされた?
「伝えておけ。お前風情に興味はないと」
京極様が心底不快そうに言う
は?はぁあ!?
え?なに?私と貴方様は初対面ですよね!?
舌打ちされる覚えもないんだけど!?
さっきの感動を返せ!!
だいたい、誰に何をだよ!
5W1H!
伝言頼むなら正確にしやがれ!
無視だ無視!
「って、事があったんだけど!」
怒り心頭し過ぎて友人をおいて会場を出てきた。ロビーにいた兄に不満をぶち撒けるが、兄はうんうんと嬉しそうに笑うのみだ。
「安心した」
…………何が?
αってのは!
主語述語目的語、小学校の国語からやり直せ!
そう思うのにふわりと笑われると何も言えなくなる。
「…………でも、京極様、なんの目的でパーティ開いたんだろう?男女バース関係なく集まっていたんだよ?」
「…………うん。まぁ…………友達は?」
「京極様に挨拶すませてそのまま食事。かわいいデザートに夢中になってた。」
「そう、違ったんだね。よかった」
??
本当に、会話出来ているんだろうかと思う時がある。主語、目的語を入れてよ
「あ…………」
京極様が私達のよこを通り過ぎた。
私の声を拾って振り向く。
兄がペコリと頭を下げた。
「ウザい。が…羨ましくはあるな」
とだけ言ってホテルを出ていった。
まだパーティの時間内なのに。いやいや、主催者が先に帰るってどうなのよっ
あと、いきなり何!?
兄を見れば、戸惑ってる様子など無く。α同士って言葉省略しすぎじゃない?
ジト目で見るけど、無視された。
後日知る、京極様に探し人がいた事を。
兄に猛烈に抗議した。分かっていたなら教えてよと。
そして、イイな~、とも言った。
αの想いは情熱的ってきく。そんな風に想われていたら幸せだろうなぁ、と。
兄は、うっそりと嗤った。そう……、と。
他のαに比べるとキラキラしさは劣るけれど、努力家な感じがして好感が持てる、そんなαがいる。
キラキラしいαが多いこの大学では少数派。βでも手を伸ばせそうなα
最も、私みたいなβは更に少数だ。
この大学は最高学府とも言われているから、世の中のバース分布を無視して一軍αが大多数となってる。その中で、更に一軍というか別次元なαがいる。エンペラーというかなんというか……皆、自然と様付けで呼んでしまうようなαが。β女子は勿論、一軍α女子も夢中になっていた。ただ、あまりにも神々しくて、β女子達は声をかける事が出来なかった。α女子は、私こそが京極様の伴侶に相応しい、と、臆する事もなく隣を争っていた。ただ、ある日からパタッと一軍α男子同様、側近争いになってた。伴侶枠はあきらめた?
「凄くない~?ある日突然α女子の態度が変わったの」
「京極、だったよな?」
「うん、そう。和君、京極様の事知ってんの?」
「まぁ……α界隈では有名だからなぁ」
和君がいう。
和君って呼んでいるけれど、実際は兄だ。妹とカフェに来ているなんて知れたら恥ずかしいから外では和臣と呼べと言われているが、兄を、それもαの兄を呼びすてなんてできるわけがない。うちの家系はポロリポロリとαが生まれるがメインはβだ。αの兄は家が苦手なのか早々に一人暮らしを始めた。
「まぁ、触らぬ神に祟りなし、だ。お前は近寄るなよ?」
「うん」
近寄りたくても神々しすぎて、目が焼かれるよ。
京極様主催のミニパーティの招待状が届いた。
え!?
私の友人数名にも届いてた。
「何着ていく~?」
「梅雨だから、雨とか気になるし、ホテルで着替える?」
皆キャッキャとはしゃいでいた。うちらβ女か近寄って良いお方ではない。でも……京極様から来てくださるならソレは別なのだ。慌ててエステを予約したりドレスを買ったり時間が無い中、皆が夢を見た。
着替えて広間にいく途中、兄に会った。
「え?なんでここに?」
流石に偶然って事はないでしょう。兄は無言で私を抱きしめた。
え?
「「あ…、私達先に行くね~」」
何を誤解したのか、友人達が去っていく。しょうがない。兄の背中をポンポンと叩いた。昔から、兄は時々こうして情緒不安定になることがある。
「どうしたの?」
首をふる。けれど、それだけ。
「何かあった?」
顔色が悪い。目には焦燥感が溢れている。
「何も……。部屋で…あ、いや、ロビーで待っているから、終わったら一緒に帰ろう?」
「うん」
悲壮感。
どうしたのだろう?
会場は立食パーティだった。決め事があったわけではないけれど、招待客が順番に京極様へ挨拶に行く。
私たちも挨拶にいく。
初めて間近で見た京極様はとてつもなく神々しくて……体が歓喜に震えた
チッ
ち?
え?
舌打ちされた?
「伝えておけ。お前風情に興味はないと」
京極様が心底不快そうに言う
は?はぁあ!?
え?なに?私と貴方様は初対面ですよね!?
舌打ちされる覚えもないんだけど!?
さっきの感動を返せ!!
だいたい、誰に何をだよ!
5W1H!
伝言頼むなら正確にしやがれ!
無視だ無視!
「って、事があったんだけど!」
怒り心頭し過ぎて友人をおいて会場を出てきた。ロビーにいた兄に不満をぶち撒けるが、兄はうんうんと嬉しそうに笑うのみだ。
「安心した」
…………何が?
αってのは!
主語述語目的語、小学校の国語からやり直せ!
そう思うのにふわりと笑われると何も言えなくなる。
「…………でも、京極様、なんの目的でパーティ開いたんだろう?男女バース関係なく集まっていたんだよ?」
「…………うん。まぁ…………友達は?」
「京極様に挨拶すませてそのまま食事。かわいいデザートに夢中になってた。」
「そう、違ったんだね。よかった」
??
本当に、会話出来ているんだろうかと思う時がある。主語、目的語を入れてよ
「あ…………」
京極様が私達のよこを通り過ぎた。
私の声を拾って振り向く。
兄がペコリと頭を下げた。
「ウザい。が…羨ましくはあるな」
とだけ言ってホテルを出ていった。
まだパーティの時間内なのに。いやいや、主催者が先に帰るってどうなのよっ
あと、いきなり何!?
兄を見れば、戸惑ってる様子など無く。α同士って言葉省略しすぎじゃない?
ジト目で見るけど、無視された。
後日知る、京極様に探し人がいた事を。
兄に猛烈に抗議した。分かっていたなら教えてよと。
そして、イイな~、とも言った。
αの想いは情熱的ってきく。そんな風に想われていたら幸せだろうなぁ、と。
兄は、うっそりと嗤った。そう……、と。
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