【本編完結済】底辺αは箱庭で溺愛される

認認家族

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ABC……猪瀬

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ちょっと、番外?編
陸と出会ったばかりの頃の京極様エピソード
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学内の京極で借りている部屋に青島が来るようになって数日…………
貴嗣様は執務机を使う時もあれば、ローテーブルを使うときもある。今日はローテーブル……、つまりソファ、つまり青島の隣に座った。
商談の課題を話していると青島が船を漕ぎ始めた。理解が出来なくて眠たくなったんだな。
そのまま、コテンと貴嗣様の肩によりかかった。
…………コイツはブレーンとしての価値は0だな。
本人もそれがわかっているようで、『いつでもクビにしてください』と初日は言っていた。皆、貴嗣様の部下になりたいと思っているのに珍しいタイプだな、と、ぽつりと漏らすと、青島はちょっとだけ顔を引きつらせた。
『珍獣ですか?』と。いや、まあ珍しいけど、獣ってわけじゃ…………。
そんなやり取りをしていたのを思い出す。
貴嗣様は青島に寄りかかられて、それはそれは幸せそうに微笑んでいる。
至福の時。最高位αの至福の時。それを邪魔した者は……
……
…………
青島、貴嗣様を除く全員に緊張が走る

決して物事を立ててはいけない。
静まり返る部屋。皆、呼吸音すら気をつけていた。
身動きすらとれず、冷や汗までかいていた。もはや自分以外の誰かが物音を立てて欲しいとまで願ったほどだ。
コンコン、ノックの音に緊張と安堵が走った。これで自分は逃れられるっ
「失礼します」
入室してきた 側近候補A は一瞬で現状を悟ったらしい。しまったという顔をしていた。けれど意外にも青島の眠りは深く、起きることはなかった。
…………くそっ
再び みんなに緊張感が戻ってきた。青島のスースーとのんきな寝息が聞こえる。こっちがどんな思いをしているか

とはいえ仕事をしないわけにもいかない。猫のように物音も立てずに皆が移動をする
ロシアンルーレットを回している気分だ
青島に寄りかかられている貴嗣様が身じろぎせずに済むように書類は確実に貴嗣様の手に渡す
確認が終わった貴嗣様は目で合図をし 、担当は書類を受け取る。繰り返し……側近 A も同じようにし、 そして貴嗣様から受け取る際に手を滑らせてしまった。書類が青島の上にも落ちる。 さすがに青島も目を覚ました
「え?あれ?すみませんっ」
青島が謝罪をしながら貴嗣様から慌てて離れた
「…………。猪瀬」
「はい」
哀れ側近候補A、この瞬間に不採用が決定した。


青島には我々の事業内容を理解する事が難しいらしい。まぁ、底辺αだからな。地頭が俺達とは違う。
難しすぎる内容に、今日も今日とて船を漕ぎ始めた
青島がこの部屋に来るようになってからさらに数日が経ったため、少し打ち解けてきたようだ
多少の物音では起きないようになってきた。眠る事にも遠慮というものをしなくなった
「陸」
ウトウトとしている青島に貴嗣様が膝を貸した。いわゆる膝枕状態である
「…………」
貴嗣様が震える手で青島の髪の毛を撫でている。
千葉が今ここにいたら大爆笑しているかもしれない。俺もガンミしてしまった。軽く2桁は食ってきている男とは思えない、純情さだ。

青島がぶるりと 震えた。
今日は梅雨の戻り、少し肌寒い
側近候補Bがブランケットを取りに行った。 寒さで目を覚まされたらたまったものではないからな。
側近候補Cもまた、同時に動いていた。
貴嗣様のジャケットを取りに行っていたのだ
ほぼ同時で青島の元へ着いたが、B は 負けを悟った…
青島に貴嗣様のジャケットがかけられ、 貴嗣様はご満悦
「…………。猪瀬」
「はい」
側近候補C は本物の側近となった。





















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選考基準、それで良いのか!?
いいんです!




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