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京極に口を塞がれた。ヤツの舌が唇をこじ開けようとしてくる。絶対に嫌だ……!
ふいにヤツの顔が離れた
「てめ……!」
怒鳴ろうとした直後に顎をとられそのまま口を塞がれた。閉じれない位、頬を強く掴まれ、舌が俺の口内を蹂躙していく。
金的してようにも俺の股の間に体を入れ込んでいるので不可能だ。
吐息どころか俺に空気すら与えないようなソレのせいで酸欠になりそうだ。くらくらする。
ヤツの唇が離れた時には文句より先に、とにかく空気を求めたほどだ。
呼吸が落ち着き周囲を見ると、誰もいない。こんな所でおっ始めたりしないだろ。…………しない、よな?
「陸…」
京極がうっとりしたように俺を呼ぶ
「…………」
唇をゴシゴシと擦った。ビッチングの方法はコンちゃんですら知らない。何が要因なのか分からない。とにかく早くうがいをしたい。
京極が傷ついたような目をした。まるで俺が悪いみたいじゃないか!
「陸、好きだ。付き合ってほしい」
京極が真っ直ぐに俺を見つめて言った。そうだ。このαはずっとこんな瞳をむけてきていたのに
「お前以外、何もいらない。お前が私の全てだ」
吸い込まれそうな瞳。愛おしい、そう言っているのが伝わってくる。
「お前の為なら、何だって犠牲にできる。陸より優先すべきものなど私にはない。だから、陸……」
なぜ、この男がそんな事を言うのか。俺が欲しかった言葉を。俺のバースをそれまでを勝手に書き換えてくる奴が。俺しかいらない、俺が全てだなんて…
「俺は……」
唇が戦慄く。呆然としたまま、けれど手が…
「陸……私の…」
俺が伸ばした手を握りヤツが自分の頬にあてる
「私の番…」
ツガイ……
『ヤツは陸をΩにしたの!陸の今までの努力は?お義父さんの家を継ぐためにずっと頑張ってきたのにヤツは勝手に……!』
ハッとした。
隙だらけだった京極に金的をお見舞いして逃げだした。
「陸!」
流石の京極サマでも急所は急所らしい。
追いかけてくる気配はない。けれど……、兄の家に逃げ込んだ。
「陸、お帰り」
柔らかく笑う兄に安堵した。
昨日、兄が俺の家にやってきてテキストなどを問答無用で詰め込んで自身の家に運んだのだ。暫く俺の家で過ごせ、と。瞼が腫れた、けれど決意に満ちている兄に問うことはできなかった。
「……来たか」
蓮兄さんが、疲れた顔で迎えてくれた。
京極の豹変、昨夜の兄さんの泣いた跡、大体読めた気がする。
ただ…兄は何処まで京極にバラしてしまったのだろうか。
「累、風呂を沸かして来てくれないか。コイツ、またマーキングされている」
蓮兄さんの言葉に今度は苦笑しか出なかった。あんなふうに抱き締められたんだ。確かにべったりとついているだろう。
駅のトイレで無理矢理嘔吐した。だから、京極のマーキングが体内には及んでいないはず。あとは表面だけならさっさと落としたい
「いいよ。寧ろシャワーでさっさと落としたい。蓮兄さん、話は後ででお願いします」
「……お湯はりながらシャワー浴びなよ。バスソルトがあるから、好きなの入れろよ。浸かれば汚れが落ちるから、あんまりゴシゴシすんなよ」
いや、邪霊じゃあるまいし。兄の言葉にこんな状況だけど笑ってしまった。
~~~~~~~~~~~~~~~~
シオだ塩!
悪霊、退散!!
ふいにヤツの顔が離れた
「てめ……!」
怒鳴ろうとした直後に顎をとられそのまま口を塞がれた。閉じれない位、頬を強く掴まれ、舌が俺の口内を蹂躙していく。
金的してようにも俺の股の間に体を入れ込んでいるので不可能だ。
吐息どころか俺に空気すら与えないようなソレのせいで酸欠になりそうだ。くらくらする。
ヤツの唇が離れた時には文句より先に、とにかく空気を求めたほどだ。
呼吸が落ち着き周囲を見ると、誰もいない。こんな所でおっ始めたりしないだろ。…………しない、よな?
「陸…」
京極がうっとりしたように俺を呼ぶ
「…………」
唇をゴシゴシと擦った。ビッチングの方法はコンちゃんですら知らない。何が要因なのか分からない。とにかく早くうがいをしたい。
京極が傷ついたような目をした。まるで俺が悪いみたいじゃないか!
「陸、好きだ。付き合ってほしい」
京極が真っ直ぐに俺を見つめて言った。そうだ。このαはずっとこんな瞳をむけてきていたのに
「お前以外、何もいらない。お前が私の全てだ」
吸い込まれそうな瞳。愛おしい、そう言っているのが伝わってくる。
「お前の為なら、何だって犠牲にできる。陸より優先すべきものなど私にはない。だから、陸……」
なぜ、この男がそんな事を言うのか。俺が欲しかった言葉を。俺のバースをそれまでを勝手に書き換えてくる奴が。俺しかいらない、俺が全てだなんて…
「俺は……」
唇が戦慄く。呆然としたまま、けれど手が…
「陸……私の…」
俺が伸ばした手を握りヤツが自分の頬にあてる
「私の番…」
ツガイ……
『ヤツは陸をΩにしたの!陸の今までの努力は?お義父さんの家を継ぐためにずっと頑張ってきたのにヤツは勝手に……!』
ハッとした。
隙だらけだった京極に金的をお見舞いして逃げだした。
「陸!」
流石の京極サマでも急所は急所らしい。
追いかけてくる気配はない。けれど……、兄の家に逃げ込んだ。
「陸、お帰り」
柔らかく笑う兄に安堵した。
昨日、兄が俺の家にやってきてテキストなどを問答無用で詰め込んで自身の家に運んだのだ。暫く俺の家で過ごせ、と。瞼が腫れた、けれど決意に満ちている兄に問うことはできなかった。
「……来たか」
蓮兄さんが、疲れた顔で迎えてくれた。
京極の豹変、昨夜の兄さんの泣いた跡、大体読めた気がする。
ただ…兄は何処まで京極にバラしてしまったのだろうか。
「累、風呂を沸かして来てくれないか。コイツ、またマーキングされている」
蓮兄さんの言葉に今度は苦笑しか出なかった。あんなふうに抱き締められたんだ。確かにべったりとついているだろう。
駅のトイレで無理矢理嘔吐した。だから、京極のマーキングが体内には及んでいないはず。あとは表面だけならさっさと落としたい
「いいよ。寧ろシャワーでさっさと落としたい。蓮兄さん、話は後ででお願いします」
「……お湯はりながらシャワー浴びなよ。バスソルトがあるから、好きなの入れろよ。浸かれば汚れが落ちるから、あんまりゴシゴシすんなよ」
いや、邪霊じゃあるまいし。兄の言葉にこんな状況だけど笑ってしまった。
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シオだ塩!
悪霊、退散!!
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