【本編完結済】底辺αは箱庭で溺愛される

認認家族

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怖い
無表情やめて。京極様。

とはいえ、宮下のこの状態は嫌だ。人が謝罪している姿を見るの俺は不快。ちょっと前に、客が店員さんを土下座させてる動画がアップされたりとかしてたけど、ホントに不愉快だった。
カスハラパワハラお断り!
背中に宮下を庇って京極さまを睨んだ。…………ビビってるから、見た、が近いけど。

「…………」
京極様がため息をついた。
「陸、交通事故にあったとする。お前は運転手を悪気はなかったからといって、過失だから許してと言われて許すか」
「……いいえ。でも、交通事故って被害者が悪い時もありますよね?」
宮下は風呂に浸かっていただけ。それなのにいきなり因縁つけられた。
「真っ暗な田舎の高速道路上で人飛び出してきたとして、避けきれなかったら、それはひかれた方も悪くないですか?」
ちょっと前に起きた事故。運転手に同情する声が多かった。運が悪い…。
京極様がくすりと嘲笑った
「法律では運転手が主に悪いとなる。そして、この場において私が法律だ」
怖い。恐怖に体が震えそうになる。
自分が法律だ、そんなぶっ飛んだ人を前にどうすればいいのだろうか?
でも……俺以上に宮下が怯えているのがわかる。
あの日……俺が京極様に会ったと報告した日のコンちゃんを思い出す。ガタガタと震えて『なんでなんで……』と呟きながら、己の腕で自分を抱き締めていた。画面越し、俺は怯えるコンちゃんを抱き締めてあげることすら出来なかった。ただただ「大丈夫だよ」と繰り返すだけでコンちゃんには……届かなかった。
「あの事故で、言われてますよね。これだから日本の自動化は進まないと。全自動運転になったとして、避けようがない事故の責任を誰が負うのか。自動車メーカーが負ってしまえば、メーカーは破産するから、フルオートにはしない。被害者が悪いというケースでも現行法では、車を運転していたモノが悪いとなってしまうから、日本は発展しない」

「面と向かって私を非難する者は珍しいな。」
「…………」

『他に埋もれるの!珍獣枠じゃなければなんとかなるかも知れない!』
ゴメン、コンちゃん。
「納得できないだけです」

「陸、お前はソレを庇うか」
宮下が首をぶるぶる振っている。このままでは、逆に宮下に被害がいく?
「……俺は現行法の話しをしただけですよ。情勢に合わない法では発展はない。」

「今の法律は嫌いか」

「全てが嫌いな訳ではありません。理不尽な法律が嫌いなだけです。」
京極様の目を見ながら言う。
「嫌いではないという事は、好きと言う事か」
「…………。ええ、まぁ。」
シャクだけど、京極様は尊敬に価するとおもう。既に巨大企業の重要ポジションにいて運動も出来てない容姿も優れていて。性格はというと…俺ら部下にも優しい。
欠点といえば、自分が法律だ、なんて言った今くらいだ。
まぁ、コンちゃんの運命という、特大兵器をもってるからそこはアレだけど……

京極様がふわりと笑った。
「そうか、好きか」
……
…………
一般論だよ一般論!
でも、京極様の怒りは収まったのが分かった。

「陸、法律ではないが、風呂場を移動する時は前を隠せ。マナーだ」

いや、いきなり何?
話がぶっ飛びすぎでないだろうか?

「一応洗い場ではそうしてましたよ。でも湯船に入ったし、タオルが浸かるとお湯が汚れるほうが問題じゃないですか?」

「そうか」
言いながら、京極様は俺のソコをじぃ~と見た。いや、見すぎ!
慌ててタオルで隠した
「どうした?お湯が汚れる方が問題なんだろう?」
いやいやいや
「隠さず歩くという事はこういう事だ。」
いやいやいや、そりゃチラリと見えてしまうことはあっても、フツー目を逸らすでしょうが!
「使いこまれてない色だな。きれいな肌色で…」
「っ!」
お湯にドボンと浸かった。なんだそのセクハラは!
「分かったか。見られるという事はこういう事だ」
「う"~」

助けを求めて周りを見るが……宮下はさっさと逃走していた。
う、裏切り者~!

「陸、分かったか」
京極様は未だにタオルで隠した俺のソコを見ている。
「わ、わかりました、わかりましたから見ないで下さい。」
「ならばいい。」
そう答えながらやっと目をそらしてくれた。
っか、こちらにマナーだとか言ったクセにご自分は一切合切隠してないんだど。チラリと見てしまったソレは大層なモノで
「けど京極様は隠してないですよね!」
「まぁ、見られて困るモノでもないからな」
「……」
俺も困るもんじゃないのですがっ!そりゃ、京極様に比べたら、立派さはないけれど!比較は困るけど!
ガンミしてやろうかとも思ったけれど、やめた。
体も温まったしもう出よう。

脱衣場にいくと、カゴに作務衣と下着が入ってた。
『青島の下着がわからなかったから、ここの客用のを用意した。猪瀬』
「………………」
いや、ありがたいよ?
ありがたい。ありがたいけど。
なんで!
なんで、白い綿のブリーフなんだよ!


~~~~~~~~~~~~~~

なんででしょうね……………………


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