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45-猪瀬
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……味をしめたらしい。
何がっていうと、バナナボートとフライボートだ。
貴嗣様が、明後日のスケジュールにブッパかフライボートをいれるように言ってこられた。
…………
休息日の予定だったのですが。バーベキューでゆったりしようと。
αといえども、さすがにキツイです、この日程。
もう、ブッパ一択だ。
「あ~、京極拗らせすぎ。恋愛童貞って行動がアホ過ぎて笑える」
千葉が遠慮なくぶった斬る。
「……」
そう、貴嗣様は入れ喰い状態で欲をもて余すという経験がない。
青島がΩだったらこんなまどろっこしい事もせず、さっさと噛んで終わっていたであろうに。
心だの何だのなんて貴嗣様であれば後からいくらでも引っ張れる。奪われないように所有痕を打ち込むことが重要なのだ。
そう、青島はΩになり次第、意思など関係なく番にされるだろう。
「ブッハなんて、アレだろ、二人羽織狙い。体力のない青島がぶっ飛ばされないようにとか言って足をまた絡ませるんだろ。で、今日のは端からみてたら、完全に駅弁。駅弁したいからフライボートって本当ぶっ飛んでる」
ケタケタ笑う千葉にため息しか出ない。
貴嗣様は俺たちαから見ても天上人、だったはずなのに。冷静に冷徹に物事を判断し益不益で取捨選択を行ってきた方だったはずなのに。それにより京極グループはさらなる発展を遂げてきたというのに。
それが……番(未来の)にさわる為にこんなくだらない事を俺にさせるなんて……。俺、これでも数千万円の契約を結べる人間よ?貴嗣様の最終承認は必要だけどさ。
それが何だって……
「しっかしまぁ、青島の自滅度合いも笑えるな。」
「そうだな…」
バナナボートの操縦者は察しのいいやつだった。貴嗣様が青島を抱きかかえていたのを見て、これはと思ったのだろう。故意に落とすように操縦しまくっていた。そして宮下の筋力を褒めた青島の口を閉ざさせようとした。突然の旋回で舌を噛ませた。軽い怪我で済まさせるあたり技術力は相当なものなのだろう。大怪我であれば、貴嗣様が黙っていない。
貴嗣様は、彼に報奨金を与えるようにと言っていた。青島と密着できたことが本当に嬉しかったのだろう。恋愛童貞、か…
「昨日なんて風呂に宮下を誘うし、揃いのパンツだな!なんて笑いながら宮下に言うし。んな訳ねえっつーの」
くつくつ嗤いながら千葉が言う。
「…………」
スーツケースの鍵を開ける程度、千葉には造作もないことだ。ただ、バナナボートで緩んだ青島の警戒心を再び強める事に益はない。だから、青島には客用の下着を渡した。
白いブリーフを選んだのは千葉だ。戻ってきた貴嗣様が千葉に近寄って何かを言っていたのが見えたが、内容は…………想像したくない。
貴嗣様は孤高の存在なのだ。決してそんな事で喜ぶ様な方ではないっ
「いや、上位になればなるほど変態になるぞ」
…………、千葉よ。お前、今、自分も変態と認めたようなものだぞ?
ーーーーーーーーーーーーーーーー
やっと、シリアス展開に突入。
元々はシリアス予定だったのに、作者の性癖が時々、暴走していました。
そちらを気にいってくださった方、スミマセン
読者の皆様、はなれてい~か~な~い~で~( ゚д゚)
何がっていうと、バナナボートとフライボートだ。
貴嗣様が、明後日のスケジュールにブッパかフライボートをいれるように言ってこられた。
…………
休息日の予定だったのですが。バーベキューでゆったりしようと。
αといえども、さすがにキツイです、この日程。
もう、ブッパ一択だ。
「あ~、京極拗らせすぎ。恋愛童貞って行動がアホ過ぎて笑える」
千葉が遠慮なくぶった斬る。
「……」
そう、貴嗣様は入れ喰い状態で欲をもて余すという経験がない。
青島がΩだったらこんなまどろっこしい事もせず、さっさと噛んで終わっていたであろうに。
心だの何だのなんて貴嗣様であれば後からいくらでも引っ張れる。奪われないように所有痕を打ち込むことが重要なのだ。
そう、青島はΩになり次第、意思など関係なく番にされるだろう。
「ブッハなんて、アレだろ、二人羽織狙い。体力のない青島がぶっ飛ばされないようにとか言って足をまた絡ませるんだろ。で、今日のは端からみてたら、完全に駅弁。駅弁したいからフライボートって本当ぶっ飛んでる」
ケタケタ笑う千葉にため息しか出ない。
貴嗣様は俺たちαから見ても天上人、だったはずなのに。冷静に冷徹に物事を判断し益不益で取捨選択を行ってきた方だったはずなのに。それにより京極グループはさらなる発展を遂げてきたというのに。
それが……番(未来の)にさわる為にこんなくだらない事を俺にさせるなんて……。俺、これでも数千万円の契約を結べる人間よ?貴嗣様の最終承認は必要だけどさ。
それが何だって……
「しっかしまぁ、青島の自滅度合いも笑えるな。」
「そうだな…」
バナナボートの操縦者は察しのいいやつだった。貴嗣様が青島を抱きかかえていたのを見て、これはと思ったのだろう。故意に落とすように操縦しまくっていた。そして宮下の筋力を褒めた青島の口を閉ざさせようとした。突然の旋回で舌を噛ませた。軽い怪我で済まさせるあたり技術力は相当なものなのだろう。大怪我であれば、貴嗣様が黙っていない。
貴嗣様は、彼に報奨金を与えるようにと言っていた。青島と密着できたことが本当に嬉しかったのだろう。恋愛童貞、か…
「昨日なんて風呂に宮下を誘うし、揃いのパンツだな!なんて笑いながら宮下に言うし。んな訳ねえっつーの」
くつくつ嗤いながら千葉が言う。
「…………」
スーツケースの鍵を開ける程度、千葉には造作もないことだ。ただ、バナナボートで緩んだ青島の警戒心を再び強める事に益はない。だから、青島には客用の下着を渡した。
白いブリーフを選んだのは千葉だ。戻ってきた貴嗣様が千葉に近寄って何かを言っていたのが見えたが、内容は…………想像したくない。
貴嗣様は孤高の存在なのだ。決してそんな事で喜ぶ様な方ではないっ
「いや、上位になればなるほど変態になるぞ」
…………、千葉よ。お前、今、自分も変態と認めたようなものだぞ?
ーーーーーーーーーーーーーーーー
やっと、シリアス展開に突入。
元々はシリアス予定だったのに、作者の性癖が時々、暴走していました。
そちらを気にいってくださった方、スミマセン
読者の皆様、はなれてい~か~な~い~で~( ゚д゚)
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