【本編完結済】底辺αは箱庭で溺愛される

認認家族

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斜行エレベーターで下る。
露天風呂の脇に細い道が砂浜まで続いていた。
人工ものなのかもしれない。逆サイドは岩場で磯遊びが出来そうな感じだし。
因みに俺は岩場のほうが好きだ。ちょっとアスレチック感があるから。
アスレチック感…………
が、ねえ!
いや、ちょっとはあるんだよ、段差の大きい所とか潮溜まりとか?
でも、岩をよじ登ろうとすると、京極様が横からスルリというかタンタンタンって忍者みたい登って手を先に述べてくるのさ。
差し出された手を拒否るのも違うからと掴むとグイッと引っ張られて次の瞬間には上にいるのだ。
潮溜まりにいたってはお姫様抱っこされてガンって飛び越える。
なんつー筋力…………。俺、それなりに重いけどね?上位種ではないけれど一応αだから、βよりは……βの平均身長よりは1cm上だよ?そこそこ筋肉だってあるから、重いよ?それなのにうさぎを抱っこするみたいに手軽に……
いや、流石に姫抱っこは抵抗したよ?けど、やり辛くしただけみたいで空中で京極様がバランス崩して、あわやって感じだったから、もう無抵抗……というか首に腕を回すという協力体制をとっている。
こ~ゆ~のって、行けないとこまでいったら引き返すもんじゃないの?ああ、でも京極様は行ける訳だから……う~ん
まあ、迷惑かけているけれど京極様の機嫌は良いから問題ないか。
…………俺のプライドの問題点はあるけど。とりあえず、部屋に戻ったら筋トレしよう。昨日は酔いつぶれてしまってやってないから、いつもの二倍だな。

しかし、長閑だ。
ちょっと一休み
ずっと波音しか聞こえてこない。船とか車とかの音もないなぁ。
「過疎地なんですか、ここ」
「うちが所有者している島だ。住民は管理人位しかいない」
………ヲイヲイ
マジか。規模、ちがくね!?
でも、納得。
露天風呂も不用心だし、そこからのエレベーターだって鍵もない。防犯意識低いなぁと思っていたら、そんなオチか。
一番近い島でも……どれくらいの距離だろう。
目を眇めると
「近そうに見えるけれど、実際には離れている。潮の流れも特殊で泳いで他の島を目指すのは自殺行為だ」
「ボートかヘリか、ですか」
凄いなぁ。究極のプライベート空間だな
「ああ、それ以外にこの島を出る手段はない」
「………」
何故かひやりとした。よく分からないけど……そうだ、今の嗤い方が怖いんだ。
咄嗟にスマートウオッチを庇った。
京極様が目を眇めた
「筏などでは転覆するし、なにより作っている間に見つける。逃げる手段はない。その為に買い取った島だ」

怖い
威圧とも違う、けれどなんかしらの圧……そうだ、肉食動物を見た時の恐怖感だ。ギラギラとした目……
本能的にじりっと後ずさり、そして、足を取られた。岩場なんて凸凹だらけ、足元も見ずに後ずされば転んでも仕方ない。
「うわっ」
が、後ろは海だ。
ポスン
次の瞬間には京極様の腕の中にいた。どうやら引き寄せてくれたらしい。
「先代が、だ」
え?
ああ、さっきの話……。
「もう使、でも、勿体無いだろう?だから研修とか家族旅行とかで使っているんだ。」

イヤイヤ、ヘリでしか来れない所を持ってる方が勿体無くない!?
どういう金銭感覚なんだ
あまりにも常人離れしていて、ついつい笑ってしまった。








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