【本編完結済】底辺αは箱庭で溺愛される

認認家族

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29-猪瀬

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貴嗣様が青島を連れて出て行かれた。
「猪瀬さん~。おれ、死んじゃいます」
宮下が眉を下げていう。
「しね。というか、青島に給餌されて生きていられるだけでも良かったと思え」
「…………確かに。でも、誰がそうなると思います?青島だってド底辺でもαなんだから給餌がどういうものか分かっているはずですよ?」
「……コンちゃん二次元説がさらに濃厚になりそうだな。もしくは…最後に会ったのは二次成長前だったのかもしれない。青島はβに近いαだ。俺たちのようにαの本能が発現するのも遅かったはずだ。」
αは番に与えたいという欲求が強い。先程、貴嗣様が青島にシューズを贈り、履いてもらえた事に有頂天になったように番に与えることは幸福であり給餌はその最上級に近い、番とのセックスにも近い充足感が得られることなのだ。
宮下は貴嗣様の前で青島とセックスしたようなものだ。殴られても文句はいえない
青島はその辺を理解していない。もっとも、下位になるほどαの、獣の本能は薄くなる。青島が理解出来ないのも無理はない…………のか?
いや、共感は出来なくとも理解はしとけよ、と思う。貴嗣様の件がなかったとしても、α社会において上位αの執着、給餌という行為が価値のない相手に行われるものもので無い事位、把握しておかなければ生き残れない。
上位αはセックスを単なる排泄行為としてどうでもいい相手ともするが、給餌は行わない。元々、番以外にという行為をしない、興味がないからしないのだ。
逆に、青島のような下位になってくると博愛主義だ。宮下のように具合が悪い者がいれば、給餌という感覚もなく介護感覚で行うのかもしれない。
下位αになるほど、多数のΩを番にしている……。

「まぁ、二次元ではない。単なるド底辺」
千葉がいう
「青島の家の警備は異常だ。あれだけの警備システムを青島の頭脳で整備することは不可能だ。となるとコンちゃんとやらかその関係者が作ったもの、つまり、コンちゃんは実在する。」

……
実在するのか。
…………気の毒に…………
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