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目が覚めたら見慣れぬベッドの上だった。

あれ、俺昨日…………どうやってここまで来たんだっけ?

「陸、おはよう」

京極様がにっこりと笑いながら言う。なんかよくわからないけど機嫌がいいことだけは伝わってきた。

「実はもう8時なんだ。朝ご飯は食べれそうか?」

俺が返事をする前に腹の虫がグーッとなった。昨日の夜、結構食ったはずなんだけどな……
周りを見ると頭を抱えている宮下と京極様以外はいない。
「皆さんは?」
「朝ご飯を食べて…ああ、戻ってきた」
談笑しながら 猪瀬さんたちが戻ってきた
「おお、青島、起きたか」
「俺らは今、飯を食べてきたところだけど……」
「うーん。お腹は減っているんですけど、なんか喉奥がイガイガするっていうか、ヒリヒリするっていうか」

「「「「………………」」」」

あれ、俺なんか変なこと言ったか?猪瀬さんたちの間でよくわからない空気が流れる。

「陸は昨日のこと覚えてないのか」

何だっけ?……すごい面白い盃でお酒を大量に飲んだような…
そうだ、宮下に進められるがままにお互いに注ぎあって……そこから先は覚えていない。多分 潰れたんだろうな。で、宮下が二日酔いであの状態なのか。俺は頭は痛くないんだけど……喉にすごい 違和感がある。なんで?

「宮下と飲み比べしすぎて、陸は吐いたんだ。ずっと吐いていたから、胃酸で喉がやられたんだろう」

「「「「………………」」」」

猪瀬さん達がすごく 神妙な顔をしている。俺、その時なんかやらかしたのだろうか……う~ん?

『陸、吐いておいたほうがいい』
頭から血の気が引いていく。思い出した。俺、京極様に介抱させた。指突っ込んもらって吐かせてもらっちゃった……!

「すみません、すみません、大変ご迷惑をおかけしました」

「いい、気にする必要はない」

京極様の返事に怒りの色がないのが唯一の救いだ。
けど、どう考えてもヤバイだろ。
俺だったら絶対に嫌だ。申し訳なさすぎる

「ありがとうございました。なんか俺に出来る事があったらするんで、言って下さいね!」

「……陸にできる事?」

京極様の声が低くなった。
あ、やばい。俺ができることなんてたかが知れているのに、図に乗りすぎだって思われたかな。
猪瀬さんたちは俺を呆れたっていう顔で見ているし。

「頼りにはならないですけど、でも何かあるかもしれないじゃないですか。思いついたら言ってください」

「そうだな、いづれ、な。」
髪の毛をクシャっと かき混ぜられた。
『後が辛くなるから吐いておけ……』
柔らかい声で言われた気がする。京極様も慣れてなかったのだろう。人の喉チンコの位置なんか分からない、指が口の中を彷徨っていたっけ。マジに申し訳ない……。
もう吐けないって泣き言言っても許してもらえず、『いっそ殺して』って位辛くて……その後の記憶はないけど、そのまま潰れたんだろうな。
ただ、京極様が容赦なかったから、今俺は元気なわけで……。チラリと宮下を見ると、あからさまに体調不良だ。俺ほどには吐かせられなかったらしい。対応としては京極様が正解なんだろうな

「宮下、おれ、雑炊でも食べようと思うんだが、お前もどう?少し食べたほうが良いよ」
ベッドから降りて宮下の方へ行く

「…ぞうすい…食べたら吐いちゃうかも…」

「むしろ、それで吐けるなら吐いておいたほうが方がいいよ。少し楽になるよ」

「分かった……ありがとう」


キッキンを借りてさっくりと卵雑炊をつくる
うん、中々いい出来だ。












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