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20ー猪瀬
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相変わらず青島は無自覚に俺たちを攻撃する
手作りイチゴジャムは良い。スマホの買い替えで不快指数のましていた貴嗣様だったが、青島御手製のいちごジャムで僅かに怒りは納まった。
だが、他のジャムまで手作りとは思わず食べてしまった為に、余計な不興を買ってしまった。
とはいえ、知った後に食べるのを止めてしまえば青島が凹む。そうなれば貴嗣様は青島を傷つけたとして俺たちを叱責される。チラチラと貴嗣様を盗み見ながら食べ続けるしかなかった。
宮下が青島のスマートウオッチに言及した。
その時の青島の表情に皆が釘付けになった。柔らかい笑みを浮かべながらベルトを撫でる。
確信した。
青島の新しいスマホには何も入ってない。コンちゃんの情報が入ってるのはソレだ。
貴嗣様を見ると、視線だけでソレを炭化出来そうな程に妬心を露にされている。
千葉がスコーンに入っていた胡桃を貴嗣様に弾いた。こんな無礼な事が出来るのは処分を怖れない千葉と、逆に青島の二人位だろう。
貴嗣様が深呼吸された。それでも殺しきれないのだろう、苛ついたように指をテーブル叩く。同時に青島が顔を上げる。ギリギリで間に合った。
「「「「…………」」」」
ため息が漏れた。
まだ、青島に貴嗣様の執着を気が付かれる訳にはいかないのだ
微妙な緊張感があるままにベッドの割り振りとなる。勿論貴嗣様と青島の位置は確定している。あとはどれだけ自然に見せるかだけだ。
箱に沈んでいるクジは全て青島の位置、端にしてある。貴嗣様はクジを手に隠し持って行い、俺たちは箱の上蓋に貼り付けてあるのをとるのだ。失態続きの宮下は青褪めながら手のストレッチをしている。不自然過ぎるが、幸い青島は違うように勘違いしているようだ。
これは早々に青島にクジを引かせて、皆の緊張を少し緩めないと箱箱をひっくり返してしまう愚か者が出るかもしれない。臨場感は失われるが、鈍い青島ならば大丈夫であろう。
予定通り青島、貴嗣様という配置になった。
表情に変化はみられないが、長年一緒にいる俺には貴嗣様が喜んいるのが伝わってきた。
貴嗣様が、青島を露天風呂に誘った。千葉とアイコンを取り合った。
湯舟に引き留めるから、スマートウオッチを調べるようにという事だ。
「皆で行こう!」
青島が言う
それは許されない。青島の裸を見たら俺たちは目を焼かれる。少なくとも今日は不可能だ。スマートウオッチの事もだが、青島の体を貴嗣様が視姦し尽くした後であればまだましだ。…………この狼がいつ、満腹になるかは不明だが。執着度を鑑みると、10年20年単位であろう。
とはいえ、毎回貴嗣様とだけ入る訳にはいかない。不審がられない為に共に入浴することも起こりうる。だから脱衣所や浴室を改装したのだ。
「皆さんも大潮は初ですよね?」
大潮どころか、この別荘が初だがな!
「皆でワイワイしましょう!」
親睦旅行も初だがな!
青島と裸でワイワイなんてした日には、風呂が血の池地獄になる。若しくは魚の餌だ。眼の前は海だし、文字通りそうなる
とはいえ、青島に不信感を抱かせない為に、誰かしらは犠牲になるのだろう。恐らく俺かもしくは……。
「か、家族風呂サイズだから!狭いから二人位がちょうどいいぞ!」
宮下、自ら地獄に近づいたな。明日の青島の言動が読めるぞ。
「「「「そうそう!」」」」
…………人柱、確定。
手作りイチゴジャムは良い。スマホの買い替えで不快指数のましていた貴嗣様だったが、青島御手製のいちごジャムで僅かに怒りは納まった。
だが、他のジャムまで手作りとは思わず食べてしまった為に、余計な不興を買ってしまった。
とはいえ、知った後に食べるのを止めてしまえば青島が凹む。そうなれば貴嗣様は青島を傷つけたとして俺たちを叱責される。チラチラと貴嗣様を盗み見ながら食べ続けるしかなかった。
宮下が青島のスマートウオッチに言及した。
その時の青島の表情に皆が釘付けになった。柔らかい笑みを浮かべながらベルトを撫でる。
確信した。
青島の新しいスマホには何も入ってない。コンちゃんの情報が入ってるのはソレだ。
貴嗣様を見ると、視線だけでソレを炭化出来そうな程に妬心を露にされている。
千葉がスコーンに入っていた胡桃を貴嗣様に弾いた。こんな無礼な事が出来るのは処分を怖れない千葉と、逆に青島の二人位だろう。
貴嗣様が深呼吸された。それでも殺しきれないのだろう、苛ついたように指をテーブル叩く。同時に青島が顔を上げる。ギリギリで間に合った。
「「「「…………」」」」
ため息が漏れた。
まだ、青島に貴嗣様の執着を気が付かれる訳にはいかないのだ
微妙な緊張感があるままにベッドの割り振りとなる。勿論貴嗣様と青島の位置は確定している。あとはどれだけ自然に見せるかだけだ。
箱に沈んでいるクジは全て青島の位置、端にしてある。貴嗣様はクジを手に隠し持って行い、俺たちは箱の上蓋に貼り付けてあるのをとるのだ。失態続きの宮下は青褪めながら手のストレッチをしている。不自然過ぎるが、幸い青島は違うように勘違いしているようだ。
これは早々に青島にクジを引かせて、皆の緊張を少し緩めないと箱箱をひっくり返してしまう愚か者が出るかもしれない。臨場感は失われるが、鈍い青島ならば大丈夫であろう。
予定通り青島、貴嗣様という配置になった。
表情に変化はみられないが、長年一緒にいる俺には貴嗣様が喜んいるのが伝わってきた。
貴嗣様が、青島を露天風呂に誘った。千葉とアイコンを取り合った。
湯舟に引き留めるから、スマートウオッチを調べるようにという事だ。
「皆で行こう!」
青島が言う
それは許されない。青島の裸を見たら俺たちは目を焼かれる。少なくとも今日は不可能だ。スマートウオッチの事もだが、青島の体を貴嗣様が視姦し尽くした後であればまだましだ。…………この狼がいつ、満腹になるかは不明だが。執着度を鑑みると、10年20年単位であろう。
とはいえ、毎回貴嗣様とだけ入る訳にはいかない。不審がられない為に共に入浴することも起こりうる。だから脱衣所や浴室を改装したのだ。
「皆さんも大潮は初ですよね?」
大潮どころか、この別荘が初だがな!
「皆でワイワイしましょう!」
親睦旅行も初だがな!
青島と裸でワイワイなんてした日には、風呂が血の池地獄になる。若しくは魚の餌だ。眼の前は海だし、文字通りそうなる
とはいえ、青島に不信感を抱かせない為に、誰かしらは犠牲になるのだろう。恐らく俺かもしくは……。
「か、家族風呂サイズだから!狭いから二人位がちょうどいいぞ!」
宮下、自ら地獄に近づいたな。明日の青島の言動が読めるぞ。
「「「「そうそう!」」」」
…………人柱、確定。
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