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授業が終わってしまった。
席を立ちたくないが、猪瀬さんが俺を迎えにきてる。トボトボと歩きだす。気分はドナドナ。屠殺場に連れられていく……。
スマホはあの後微動だにしない。コンちゃんは今頃パニックになってる。
様子を見てから連絡しようかとも思った。けれど目撃者が多数いるこの状況、コンちゃんの情報網ならば夜になる前には知られる。ならば、先に知らせておくべきだ。
『即時報連相を!私の心配をしてくれるならば知らないより知りたいの!』
そう言われている。
京極様が借り上げている部屋に着くと西野がいて目があった。そのまま逸らされる。
うん、そういうこと。
俺に後ろめたい事をしたよという合図だ。
「陸、待っていたよ」
……待たれたくないです。
「青島は、今日は何もしないでいいよ。見学してて。西野は帰っていいよ。」
猪瀬さんに言われて西野が席を立った。
「明日な、青島」
そう言いながらもすれ違った。思わず西野のシャツを掴んだ。
置いてくな!
西野が慌てて手を払おうとするが、必死で掴む。い、の、ち、づ、な~!
「馬鹿!りっ青島!ここをどこだと思ってんだよ!」
魔の巣窟!コンちゃんの敵!
「陸」
京極様の声に俺も西野もびくりと体がはねた。
「西野はこの後予定があるらしい。離してあげなさい」
……俺も予定あるんですけど!
西野を見ると、カタカタ震えている。完全に怯えている
…………
仕方なく、ホント~にしぶしぶ手を離すと、西野は即座に俺から離れた。
「じゃあな!青島!」
捨て台詞とともに逃走した。
………………
俺が恨みがましくドアを見つめていると、
「青島、スマホをかしてください。情報漏洩対策です」
猪瀬がそう言ってきた
コンちゃんからメールがあるかもしれないのに、渡せるわけが無い。不安に怯えてる彼女に即レスしなければならないのに。理由を、他の理由をつけて断らなければ
「お断りします。お、私が信用できないなら側近などにしなければいい」
うん、そうだそうだ。側近なんかにすんなよ!
「陸、君の事は信用している。ただ、君も知らない間にそのスマホに変なアプリが入れられている可能性を心配している。その確認をしたい」
ああ、西野が言っていた事はそういう事か。
『コンちゃんとやらの痕跡を消せ』
スマホをチェックされるから
でも、西野。
コンちゃんは、俺にそれすらさせてくれないんだよ。
開封すると自動消去されるメッセージ、不定期に変わるアドレス。記憶して手打ちするしか許されてない宛先。
『陸、陸は私の推しだよ。でも……』
「陸?」
京極様に問いかけられてハッとする。
「携帯は肌身離さずその様な事は起きていません。確認の必要は無いかと。」
コンちゃんの痕跡はない。けれど、コンちゃんの心を守るためのメール消去アプリやら、俺にも分からない色々なものが入ってる。これを知られるのは不味い。
それでもというなら、珍獣認定されるの覚悟で去るのみだ。
「…………そう。陸がそう言うなら信じるよ」
京極様は、納得してくれたようだ。表情に変化がないから、本心は見えないけれど。
結局、俺はソファの上でぼんやりと過した。
観察をと言われたけれど、はっきり言って何の意味も無い時間だった。飛び交う言葉は日本語の筈なのに聞いたことも無い単語も多い。
俺、ここにいる意味ある?
さっさと帰ってコンちゃんにメールしたいよ。
席を立ちたくないが、猪瀬さんが俺を迎えにきてる。トボトボと歩きだす。気分はドナドナ。屠殺場に連れられていく……。
スマホはあの後微動だにしない。コンちゃんは今頃パニックになってる。
様子を見てから連絡しようかとも思った。けれど目撃者が多数いるこの状況、コンちゃんの情報網ならば夜になる前には知られる。ならば、先に知らせておくべきだ。
『即時報連相を!私の心配をしてくれるならば知らないより知りたいの!』
そう言われている。
京極様が借り上げている部屋に着くと西野がいて目があった。そのまま逸らされる。
うん、そういうこと。
俺に後ろめたい事をしたよという合図だ。
「陸、待っていたよ」
……待たれたくないです。
「青島は、今日は何もしないでいいよ。見学してて。西野は帰っていいよ。」
猪瀬さんに言われて西野が席を立った。
「明日な、青島」
そう言いながらもすれ違った。思わず西野のシャツを掴んだ。
置いてくな!
西野が慌てて手を払おうとするが、必死で掴む。い、の、ち、づ、な~!
「馬鹿!りっ青島!ここをどこだと思ってんだよ!」
魔の巣窟!コンちゃんの敵!
「陸」
京極様の声に俺も西野もびくりと体がはねた。
「西野はこの後予定があるらしい。離してあげなさい」
……俺も予定あるんですけど!
西野を見ると、カタカタ震えている。完全に怯えている
…………
仕方なく、ホント~にしぶしぶ手を離すと、西野は即座に俺から離れた。
「じゃあな!青島!」
捨て台詞とともに逃走した。
………………
俺が恨みがましくドアを見つめていると、
「青島、スマホをかしてください。情報漏洩対策です」
猪瀬がそう言ってきた
コンちゃんからメールがあるかもしれないのに、渡せるわけが無い。不安に怯えてる彼女に即レスしなければならないのに。理由を、他の理由をつけて断らなければ
「お断りします。お、私が信用できないなら側近などにしなければいい」
うん、そうだそうだ。側近なんかにすんなよ!
「陸、君の事は信用している。ただ、君も知らない間にそのスマホに変なアプリが入れられている可能性を心配している。その確認をしたい」
ああ、西野が言っていた事はそういう事か。
『コンちゃんとやらの痕跡を消せ』
スマホをチェックされるから
でも、西野。
コンちゃんは、俺にそれすらさせてくれないんだよ。
開封すると自動消去されるメッセージ、不定期に変わるアドレス。記憶して手打ちするしか許されてない宛先。
『陸、陸は私の推しだよ。でも……』
「陸?」
京極様に問いかけられてハッとする。
「携帯は肌身離さずその様な事は起きていません。確認の必要は無いかと。」
コンちゃんの痕跡はない。けれど、コンちゃんの心を守るためのメール消去アプリやら、俺にも分からない色々なものが入ってる。これを知られるのは不味い。
それでもというなら、珍獣認定されるの覚悟で去るのみだ。
「…………そう。陸がそう言うなら信じるよ」
京極様は、納得してくれたようだ。表情に変化がないから、本心は見えないけれど。
結局、俺はソファの上でぼんやりと過した。
観察をと言われたけれど、はっきり言って何の意味も無い時間だった。飛び交う言葉は日本語の筈なのに聞いたことも無い単語も多い。
俺、ここにいる意味ある?
さっさと帰ってコンちゃんにメールしたいよ。
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