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あの時はこの手段しかないと思っていた。
Ωの俺はヒートに無理矢理させられて,あの男に無理やり番にされるか、もしくはこの男をレイプして先に番契約を成立させるかの二択だった。
そして、俺が選んだのは後者だった。
大丈夫、あの男は今日は会合で遅い。
ならば、今日が最初で最後の機会だ
「猪瀬……東京から離れてくれないか」
そう言うと、猪瀬が驚いたような顔をして俺を見た。
「り、陸様…?」
猪瀬のあの男への思いを俺は知っている。その忠誠心も。それを猪瀬も分かっているから、だから、そこまで狼狽えているのだ。
京極貴嗣……俺のツガイであり猪瀬の主。猪瀬家の人は京極家に仕える為に存在すると言っても過言ではない。不要だ、京極にそう伝えられただけで衰弱死する程、彼らには京極への忠誠が骨の髄まで染みている。そしてそれはαとしての本能、ツガイを求める本能より強い。
ただ、上位αとして生まれた以上、ツガイを求める本能もまた猪瀬は強い。執着もまた……。
40も後半になった猪瀬を見上げる。
まだ白髪もない、脂の乗った大人のα
昔から京極ホールディングスの専務として名を馳せ、数多のΩから婚姻を望まれているα。なのに、未だに独身なのは……。
「お願いだ…」
俺の懇願に一瞬だけ顔を歪めた。
「陸様。私は貴嗣様に生涯を捧げるつもりなのです。貴方に作っていただいた未来を失うつもりはありません。」
違う、奪った未来を戻しただけだ。いや、完全には戻せていない。俺が出来たのは側近という立ち場を取り戻す事だけ。
京極貴嗣がツガイにする予定だった俺、その俺にフェロモンレイプなんてされて番契約なんてものをされなければ、今頃、かわいい女性Ωと婚姻して家庭を持っていただろうに……。
俺は上位Ωだ。上位Ωの具合は良いらしい、一度でもしたら忘れられないドラッグのようなモノと言われている。この現代でも誘拐され高額で人身売買される事がある位希少な上位Ω
猪瀬は……たった一度味わったソレが忘れられないのだろう、フェロモンレイプというありえない状況もまた、俺という存在を猪瀬の魂にまで刻みつけてしまったのだ。
だから…番契約を消滅させても猪瀬は俺に縛られてしまった。
どんなに良縁なΩを紹介しても猪瀬は番わない。性欲の処理に使う程度だ。
俺とあの男が番ってもソレは変わることがない…。
「第一、私は貴嗣様から離れたら死んでしまいますよ?」
わかっている、そんな事。お前は俺にレイプされて、あの男から『そんなは部下いらない』そう言われただけで脳が生命活動を放棄したくらい、あの男を盲信している。
「守るから。俺も一緒に行くから、だからここから逃げてくれないか」
俺が、お前の本能に逝くなと説得し続ければ留まれるだろう?
「架向、ですか」
「……そうだ」
俺の息子から逃げてくれ。あの男がαだった俺をビッチングしてΩにしたように、俺の可愛い息子がお前をΩにしようとしている。俺が味わった絶望をお前にまで味あわせたくない。ましてやそれを行うのが俺の息子だなんて…!
けれど、息子を止める術などないのだ。願うだけ、京極の血はそれだけで対象をαからΩへと性転換させる。それが無意識であってもだ。
あの男は言った
『幼き頃、母に側にいて欲しかった。Ωの母親は家にいるものだと聞いていた。だから願った。側にいてほしいと。そして母はΩになった』
あの男は願っただけ。
架向も家族の様に慕っていた猪瀬に離れて欲しく無いと思っているだけだ。それだけ、ビッチングしようという意図などなく、ただ寂しい、側にいてと願ってしまうそれだけ、夢で見てしまう、それだけで猪瀬はΩになってしまう。
けれど、疑問にも思うのだ。
それは遠く距離の離れた相手でも転換させれるのか、と。
あの男は俺を意図的にビッチングした。そして出会ってから俺がΩになるまでとにかく側にいた。京極のフェロモンが届かなければ不可能なのでは?と尋ねても答えはしないだろう。だが会った事もない地球の裏側にいる相手までビッチングが可能だとしたら流石にそれはチートがすぎるだろう。
だから……
「一緒に逃げてくれ、猪瀬」
婚約者である女性Ωと番結婚をするつもりだった俺は地獄へと叩き落とされた。
下位αの俺でさえそうだったのだ、40年以上も上位αだった猪瀬はどうなってしまうのか。
「お願いだ猪瀬……俺が耐えられない。」
俺は猪瀬をレイプして、猪瀬の20年を奪ってしまった。麻薬の様な器。誰とSEXしても俺との強烈な快楽に勝る事がない。
そんなつもりは無かったのに。俺をビッチングしたあの男に無理矢理番にされる位なら、他のαの番なる方がマシだと思った、ただそれだけだったのに。
猪瀬は俺があの男に襲われるお膳立てした。俺に選択を迫ったのだ。俺の婚約者がゲスいαにレイプされるのを見るか?俺があの男に身を差して番となるかのどちらかを。
だから俺は猪瀬をレイプした。自業自得だ、そうあの時は思ったんだ。
Ωの俺はヒートに無理矢理させられて,あの男に無理やり番にされるか、もしくはこの男をレイプして先に番契約を成立させるかの二択だった。
そして、俺が選んだのは後者だった。
大丈夫、あの男は今日は会合で遅い。
ならば、今日が最初で最後の機会だ
「猪瀬……東京から離れてくれないか」
そう言うと、猪瀬が驚いたような顔をして俺を見た。
「り、陸様…?」
猪瀬のあの男への思いを俺は知っている。その忠誠心も。それを猪瀬も分かっているから、だから、そこまで狼狽えているのだ。
京極貴嗣……俺のツガイであり猪瀬の主。猪瀬家の人は京極家に仕える為に存在すると言っても過言ではない。不要だ、京極にそう伝えられただけで衰弱死する程、彼らには京極への忠誠が骨の髄まで染みている。そしてそれはαとしての本能、ツガイを求める本能より強い。
ただ、上位αとして生まれた以上、ツガイを求める本能もまた猪瀬は強い。執着もまた……。
40も後半になった猪瀬を見上げる。
まだ白髪もない、脂の乗った大人のα
昔から京極ホールディングスの専務として名を馳せ、数多のΩから婚姻を望まれているα。なのに、未だに独身なのは……。
「お願いだ…」
俺の懇願に一瞬だけ顔を歪めた。
「陸様。私は貴嗣様に生涯を捧げるつもりなのです。貴方に作っていただいた未来を失うつもりはありません。」
違う、奪った未来を戻しただけだ。いや、完全には戻せていない。俺が出来たのは側近という立ち場を取り戻す事だけ。
京極貴嗣がツガイにする予定だった俺、その俺にフェロモンレイプなんてされて番契約なんてものをされなければ、今頃、かわいい女性Ωと婚姻して家庭を持っていただろうに……。
俺は上位Ωだ。上位Ωの具合は良いらしい、一度でもしたら忘れられないドラッグのようなモノと言われている。この現代でも誘拐され高額で人身売買される事がある位希少な上位Ω
猪瀬は……たった一度味わったソレが忘れられないのだろう、フェロモンレイプというありえない状況もまた、俺という存在を猪瀬の魂にまで刻みつけてしまったのだ。
だから…番契約を消滅させても猪瀬は俺に縛られてしまった。
どんなに良縁なΩを紹介しても猪瀬は番わない。性欲の処理に使う程度だ。
俺とあの男が番ってもソレは変わることがない…。
「第一、私は貴嗣様から離れたら死んでしまいますよ?」
わかっている、そんな事。お前は俺にレイプされて、あの男から『そんなは部下いらない』そう言われただけで脳が生命活動を放棄したくらい、あの男を盲信している。
「守るから。俺も一緒に行くから、だからここから逃げてくれないか」
俺が、お前の本能に逝くなと説得し続ければ留まれるだろう?
「架向、ですか」
「……そうだ」
俺の息子から逃げてくれ。あの男がαだった俺をビッチングしてΩにしたように、俺の可愛い息子がお前をΩにしようとしている。俺が味わった絶望をお前にまで味あわせたくない。ましてやそれを行うのが俺の息子だなんて…!
けれど、息子を止める術などないのだ。願うだけ、京極の血はそれだけで対象をαからΩへと性転換させる。それが無意識であってもだ。
あの男は言った
『幼き頃、母に側にいて欲しかった。Ωの母親は家にいるものだと聞いていた。だから願った。側にいてほしいと。そして母はΩになった』
あの男は願っただけ。
架向も家族の様に慕っていた猪瀬に離れて欲しく無いと思っているだけだ。それだけ、ビッチングしようという意図などなく、ただ寂しい、側にいてと願ってしまうそれだけ、夢で見てしまう、それだけで猪瀬はΩになってしまう。
けれど、疑問にも思うのだ。
それは遠く距離の離れた相手でも転換させれるのか、と。
あの男は俺を意図的にビッチングした。そして出会ってから俺がΩになるまでとにかく側にいた。京極のフェロモンが届かなければ不可能なのでは?と尋ねても答えはしないだろう。だが会った事もない地球の裏側にいる相手までビッチングが可能だとしたら流石にそれはチートがすぎるだろう。
だから……
「一緒に逃げてくれ、猪瀬」
婚約者である女性Ωと番結婚をするつもりだった俺は地獄へと叩き落とされた。
下位αの俺でさえそうだったのだ、40年以上も上位αだった猪瀬はどうなってしまうのか。
「お願いだ猪瀬……俺が耐えられない。」
俺は猪瀬をレイプして、猪瀬の20年を奪ってしまった。麻薬の様な器。誰とSEXしても俺との強烈な快楽に勝る事がない。
そんなつもりは無かったのに。俺をビッチングしたあの男に無理矢理番にされる位なら、他のαの番なる方がマシだと思った、ただそれだけだったのに。
猪瀬は俺があの男に襲われるお膳立てした。俺に選択を迫ったのだ。俺の婚約者がゲスいαにレイプされるのを見るか?俺があの男に身を差して番となるかのどちらかを。
だから俺は猪瀬をレイプした。自業自得だ、そうあの時は思ったんだ。
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