努力に勝るαなし

認認家族

文字の大きさ
上 下
170 / 178
番外篇ー

月に一度の…………後編

しおりを挟む
どれだけの時間が経ったろう。
イきそうになるとリングがぎゅっと閉まる。 熱の逃げ道を塞がれる。そんなのの繰り返しだ
俺の後ろにはもうすでに九条の指が何本も入っていて、それらがバラバラと蠢く。熱い。ある1点を触れられるとその度に体が跳ねて体中の熱が1箇所に集まり外を目指すのにリングが邪魔をする
「う…あ…」
「九条、 お願いだから……」
沸騰した頭で懇願しても九条は無視する。
「うん、うん、大丈夫。智則 。1回だから大切に大切にする」
ポタポタと汗を流し、九条もとても苦しそうにしている
もう限界だ
力がないままに九条を押し倒した。震える脚を叱咤してそのままの上に乗る。
とにかく1回だ1回。
九条をイかせてしまえばいいのだ

自分から九条の上に乗るのは抵抗がある。けれど、それ以上にこの地獄を終わらせたかった。頭の中が変になりそうだ
そろりそろりと腰を下ろしていく 。九条がグぅと喉の奥を鳴らした。何とかなるかもしれない。

ゆっくりと腰を動かす、というかどう 動かしていいのか実はよく分かってない 。それでも なんとか動かしていると余裕のない表情の九条が腰に手を添えた。
 ほっとした
次の瞬間。バチン!グポ!
九条が俺の腰を一気に落としたのだ。 ありえないところに剛直が入ってきて 頭が真っ白になった
頭がチカチカする。熱い熱い。腹の中が熱い。
九条、熱い熱い。助けて
「大丈夫、大丈夫だから。大切にするから」
違う、そうじゃない。この熱をどうにかして欲しいのだ。熱い熱い。チカチカする。熱が上がりすぎてもう何もわからない。頭が沸騰する。九条
「智則。僕もつらいんだよ。でも大切にしなきゃ。1回だけだから、1回だけだから。それとも智則の一回はもしかして僕が満足するまでっていうことだった?それなら君をイかせてあげるよ?」
やつが何かを言っているけどよく聞き取れない
頭がチカチカする
九条九条、助けて助けて、イかせてイかせてもう無理
1回イっておく? 1回イきたい?智則
コクコク頷く。とにかくこの地獄から抜け出したい
君が言う 約束の1回にこれは入るの?入らないの?
九条が何かを言っているけれど理解できない、とにかくこの熱をどうにかして欲しい
僕らの契約の1回というのはお互いが満足するまで貪り合って、もう動けないってなることが1回だよね?
何か言っている、わからない、わからないけれど、この熱を、溜まっている熱を吐き出したい。そうでないと頭が焼き切れる。誰かが叫んでる
耳元で低い声が囁く
君の望むものをあげる、だから僕の言うことを繰り返して
『九条が九条が満足するまで智則を食い尽くしたらそれが1回だ』

「よくできました」

次の瞬間俺を締め付けていたものがなくなり熱が一気に出て行く。おちていく恐怖
「ひ…………!」
「智則!」
腹の内側に熱いものをぶちまけられた その刺激にすら自分が痙攣を起こす ガクガクと震えているけれど九条はお構いなしに俺を揺さぶる。助けてと誰かが叫んでいる。

意識が遠のくと九条は強く奥を責め立てて俺を再び起こす。けれど奥への刺激は強すぎて俺は失神を繰り返す。
コックリングを外してもらっても地獄のような快楽の時間は終わらなかった

翌日の俺は散々だった。
喉は涸れ、足には一切の力が入らない。
なのに九条はキラッキラのツヤツヤだ。
こっちがズタボロだというのに
「おかゆを用意してあるよ 食べる」
嬉しそうに聞いてくる
用意されてるという時点で九条は本当に俺を食い尽くすつもりだったのだろう。
1回という表現、書類にしたためる時に恥も外聞も捨ててもっと詳細に書いておけばよかったと、つくづく後悔をした
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ
BL
 「ずっと、好きだよ。」 …長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。 もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。 ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。  そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…  なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!? ーーーーー 美形×平凡っていいですよね、、、、

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました

ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。 「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」 ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m ・洸sideも投稿させて頂く予定です

5人の幼馴染と俺

まいど
BL
目を覚ますと軟禁されていた。5人のヤンデレに囲われる平凡の話。一番病んでいるのは誰なのか。

変なαとΩに両脇を包囲されたβが、色々奪われながら頑張る話

ベポ田
BL
ヒトの性別が、雄と雌、さらにα、β、Ωの三種類のバース性に分類される世界。総人口の僅か5%しか存在しないαとΩは、フェロモンの分泌器官・受容体の発達度合いで、さらにI型、II型、Ⅲ型に分類される。 βである主人公・九条博人の通う私立帝高校高校は、αやΩ、さらにI型、II型が多く所属する伝統ある名門校だった。 そんな魔境のなかで、変なI型αとII型Ωに理不尽に執着されては、色々な物を奪われ、手に入れながら頑張る不憫なβの話。 イベントにて頒布予定の合同誌サンプルです。 3部構成のうち、1部まで公開予定です。 イラストは、漫画・イラスト担当のいぽいぽさんが描いたものです。 最新はTwitterに掲載しています。

処理中です...