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番外篇ー
月に一度の…………中編
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「智則、今日帰りにみんなでカラオケ行かねぇ?」
佐久間が誘ってきた
ちらりと九条を見ると表情がないというか 目が死んでいる。
俺は ため息をついた。アフガンハウンドはアフガンハウンドらしくあってくれ。
「今日は予定が先約があるんだ。また、誘ってくれ」
「そっか、またな」
九条を見ると目がキラキラしていた。
今日は九条の念願の日である。
俺は正直乗り気ではない。佐久間のあの言葉は悪魔の囁きのようだったけれど 、約束は保護にはできない。
それに佐久間に俺が誘われた時、九条は強く強く拳を握っていた。いろいろなものを耐えてくれていたのは分かっている。しばらく前の九条であれば、 俺の事を智則と呼び自分との時間を奪おうとする佐久間に威圧を振るっていただろう。 そう思うとやはり譲歩するしかないのだ。どこまでも俺は甘いというか、絆されてしまったんだろうな
九条に鞄をポンと渡すと九条は嬉しそうにそれを抱え込んだ 。人質というか盾するというか……帰るという意思表示だけでは不安になる九条への安定剤みたいなもの。こういう時だけ渡す。
家に帰る、か。
これからするのかと思うと緊張してしまう
日付を決めるというのはいいことのように思えたけれど、これはこれで当日の俺の神経が持たない
家政婦さんが作ってくれた食事をとる。 なんとなくいたたまれなくて、食べ終わると同時にテーブルから立って九条にコーヒーを飲むか聞いた
くすりと笑った後にやつが近づいてきて、ふわりと俺に覆いかぶさった
「そんなに警戒しないでよ そんなに警戒されると余計に…………」
余計に、なんだよ? 余計に、そこで言葉を途切れさせるなよ、怖ぇよ
耳たぶを甘噛みされる
ピリリと電気のようなものが走った気がして思わず吐息が漏れそうになる。
「ベッド、行こう?」
九条に甘く誘われる。ここで断れたらいいのに
俺の返事も聞かずに九条はそのまま 俺を姫抱っこで寝室に引っ張り込んでいった。
優しくベッドの上に降ろされたが 、九条の目はギラギラとしていて 表情と仕草が 完璧に不一致だ。その瞳に危機感を覚えて念押しする
「1回だぞ」
九条がコクコクと頷く。鼻息が荒い、 目が怖い
九条がサイドテーブルに手を伸ばした。
なんだかよくわからないものを取り出す。義指?ヒトの手を模した、けれど人差し指と親指側のみ
俺の問うような視線に九条が笑って答えた
「コックリング。1回っていう約束だから、これを閉めたらそう簡単にはイかないですむよ。 智則のペニスに僕以外が触れるなんて、無機物でもすごく嫌だったけど、これは僕の指を模しているからよしとする。スマホ連動型でね。ほら、指示を出すと動くんだよ」
九条が1と言うと
そのリング?がキュッとしまった。
本能的にベッドから飛び降りて逃げ出そうとした。獣の前でそれは悪手だとは分かっているけれど、とっさに動いてしまったものはしょうがない。
案の定、九条はその瞬間に俺の両手首を取ってそのまま押し倒した
地獄のような時間が始まる。
快楽も過ぎれば 拷問だし地獄だ。
佐久間が誘ってきた
ちらりと九条を見ると表情がないというか 目が死んでいる。
俺は ため息をついた。アフガンハウンドはアフガンハウンドらしくあってくれ。
「今日は予定が先約があるんだ。また、誘ってくれ」
「そっか、またな」
九条を見ると目がキラキラしていた。
今日は九条の念願の日である。
俺は正直乗り気ではない。佐久間のあの言葉は悪魔の囁きのようだったけれど 、約束は保護にはできない。
それに佐久間に俺が誘われた時、九条は強く強く拳を握っていた。いろいろなものを耐えてくれていたのは分かっている。しばらく前の九条であれば、 俺の事を智則と呼び自分との時間を奪おうとする佐久間に威圧を振るっていただろう。 そう思うとやはり譲歩するしかないのだ。どこまでも俺は甘いというか、絆されてしまったんだろうな
九条に鞄をポンと渡すと九条は嬉しそうにそれを抱え込んだ 。人質というか盾するというか……帰るという意思表示だけでは不安になる九条への安定剤みたいなもの。こういう時だけ渡す。
家に帰る、か。
これからするのかと思うと緊張してしまう
日付を決めるというのはいいことのように思えたけれど、これはこれで当日の俺の神経が持たない
家政婦さんが作ってくれた食事をとる。 なんとなくいたたまれなくて、食べ終わると同時にテーブルから立って九条にコーヒーを飲むか聞いた
くすりと笑った後にやつが近づいてきて、ふわりと俺に覆いかぶさった
「そんなに警戒しないでよ そんなに警戒されると余計に…………」
余計に、なんだよ? 余計に、そこで言葉を途切れさせるなよ、怖ぇよ
耳たぶを甘噛みされる
ピリリと電気のようなものが走った気がして思わず吐息が漏れそうになる。
「ベッド、行こう?」
九条に甘く誘われる。ここで断れたらいいのに
俺の返事も聞かずに九条はそのまま 俺を姫抱っこで寝室に引っ張り込んでいった。
優しくベッドの上に降ろされたが 、九条の目はギラギラとしていて 表情と仕草が 完璧に不一致だ。その瞳に危機感を覚えて念押しする
「1回だぞ」
九条がコクコクと頷く。鼻息が荒い、 目が怖い
九条がサイドテーブルに手を伸ばした。
なんだかよくわからないものを取り出す。義指?ヒトの手を模した、けれど人差し指と親指側のみ
俺の問うような視線に九条が笑って答えた
「コックリング。1回っていう約束だから、これを閉めたらそう簡単にはイかないですむよ。 智則のペニスに僕以外が触れるなんて、無機物でもすごく嫌だったけど、これは僕の指を模しているからよしとする。スマホ連動型でね。ほら、指示を出すと動くんだよ」
九条が1と言うと
そのリング?がキュッとしまった。
本能的にベッドから飛び降りて逃げ出そうとした。獣の前でそれは悪手だとは分かっているけれど、とっさに動いてしまったものはしょうがない。
案の定、九条はその瞬間に俺の両手首を取ってそのまま押し倒した
地獄のような時間が始まる。
快楽も過ぎれば 拷問だし地獄だ。
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