努力に勝るαなし

認認家族

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結婚しよう?

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あの頃は、αの対象にβがなるなんて発想はなくて、九条にヤられた今ならわかる。連中は智則をそういう対象として見ていたのだ。
鳥肌がたった。

「…………今、何を考えた?」
低い低い声で九条に言われて首を振る。流石に寺田はなさ過ぎる、寺田は。だったら……
「殿山君とか諸々想像するのは禁止だからね。智則が想像したと思うだけで、処分したくなるから。」

思わず首を振った。しないしない。そんな理不尽な事がおきたら、殿山にも申し訳ない。…………寺田は良いのか?………寺田は智則に手を伸ばした事がある
思わず息を飲んだ

「く、九条。寺田は反省してた」

そう、入学して1週間ぐらいまではしつこかった寺田だが、その後は急に近寄ってこなくなった。それまでは智則の反撃にあって地に沈められようとも、翌日には智則にまとわりついて腰に手を回してきたりしていた。なんつー嫌がらせをと思っていたのだが、あれは…
そしてある日、土下座をして謝ってきたのだ。
『どうか、どうか、とりなしを…』言っていて…意味が分からず困っていたら、そうだ、達也が講堂の外に連れて行って……その後見ていない?講義はもともとほぼ重なっていなかったから、気にしていなかったが…まさか?

「うん。そうだね。でも、だから?僕の智則に手を出そうとしたんだよ?」

「…過去にまで遡るのか?」
智則に情欲を抱いたもの、智則が過去に好意を寄せたもの、すべてに?

「違うよ。智則は僕が先に見つけたのに、それなのに智則に近づいたから」

近づいたから、だから、なんだ?
九条の執着は理解した、したつもりだった。逃げれないことも理解させられた。けれど、認識が甘かったのだ。入学したばかりのあの頃、智則と九条は話したこともほぼなかった。それなのに、処分されたのか。血がひいていく

「結婚、してくれるよね?」

耳に九条の息がかかる。九条の剛直はさらに硬度をましていて、めまいがする。
こんな異常なプロポーズがあるのだろうか。
けれど、この脅しを受け入れるしかないのだ。
……九条はどこまでも、どこまでも、力で智則を従わせる…

「智則、泣かないでっ。僕が悪かったから。」

九条が狼狽えた。
オレ、泣いているのか?

「智則。僕らの結婚はほぼ恋愛結婚だよ。僕は君に惚れているし、君は僕を好きだ。結婚はお互いの愛情が基盤になって?相手のことを深く理解して支え合って?もう、智則は僕を理解したでしょ。僕は君がしたいことをできる範囲で支えるし、逆に僕は君という存在が横にいるだけで救われる。ある意味、智則が求める結婚の形でしょう?」


だから、智則…ぼくと結婚してよ…後ろからぎゅっと抱きしめて力なくささやかれる
脅しの次は泣き落としか、

「ねぇ、僕らαにはわからない感覚だけど、βの恋愛感情は3年で醒めるって。恋愛結婚してもドキドキは3年でしょ?その後は家族になっていくってあった。だったら、初めから家族としての結婚でもいいじゃない?ぼくと…結婚してよ。お願い…」

九条なら本来智則の同意なんて必要としないはずで。
けれど、こんな風に懇願してくるのだ、卑怯だと思う。智則がしょげた大型犬に弱いことを絶対知っている。九条は智則が九条をもて遊んていると言うが、掌の上で転がされているのは智則の方だと思う。

「…先ずは指輪をくれ。籍は…………卒業後でどうだ」

「ありがとう!!」

少しだけ控えめになっていた九条の剛直がマックスになってぎょっとした。……こんなのを収めててよく自分の腹が無事だったなと、思わずお腹を押さえた。

「…………僕ってやっぱり偉いと思う……」
九条が低く呻いた。理性理性……直後、智則の腰を掴み激しく動き出した。
「おいっ」

「ヤられたくないなら、腿に軽く力入れて。」

…………これは逆らったらやばいやつだ。指示に従って足に力を入れる。
九条のペニスに擦られる。敏感な場所に擦りつけてくる。。唯一の救いは智則自身のタンクが空だったことだろう。敏感な場所をこすられても 淡い快感を拾うのみで済んでいる。
九条が智則の肩口を強く噛みつきながら 盛大にイった。
αの吐精は長い。その白濁を九条は手で受け止めながら、智則の胸や腹にひたすら塗り込んでいく。

智則が九条の事が好きというのは事実なのだろう。こんな事をされても鳥肌がたったりしないのだから。
種類は九条とは異なるのだが。

九条が智則を横たわらせた。少しだけ離れて智則の全身を見つめる。
満足そうにうなずいた。
「ああ、これで智則は名実ともに僕のものだ…………。」

うっとりと満たされた様に微笑む九条に、己の惨状を見下ろして智則は思う。
婚約はもう仕方がないが、諸々交渉をせねば……






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