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九条の運命8ー英樹
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酷い。
俺に智則を骨折させようとした。
「僕がどれだけ傷つくか分かっててやったの」
人の骨を折ったことくらい何回もある。伊達に九条の御曹司なんてしてない。誘拐未遂なんてざらだ。
けれど、智則の骨を折ったら、その感触を俺は一生忘れられないだろう。ずっと魘される。
なんで、なんで、自分を大切にしてくれない。首を切ろうとしたり、腕を折ろうとしたり。
大切にした結果?そんなわけない。大切なら自分を害する道を選ばない
「お前は、俺の体の傷しか気にしないんだな。俺は自分の心の方が大事だ」
心?俺だって智則の心を守りたいって思ってる。智則が喜ぶ事をしてあげたいし、望むものを最大限で与えている。
エスコート役だって本当はしてほしくは無かった。上位種の目にとまるような事はさせたくなかった。けれど、智則が望んだから!だから、焦燥感に苛まれながらも許したのに。
「与えているし、許した。九条がいうのはそう云うこと。対等じゃない。お前はいつもそうだ。歩みよろうとすると俺がお前の家畜なんだってと実感させる」
「…………そんな扱いしてない。むしろ……むしろ君だろう!?俺を家畜扱いしているのは」
「は?」
「気が向いた時にだけ俺に与えてくれる。俺は餌を前にいつもお座りさせられてて、君がヨシって言うまでマテをしている。俺が涎をたれ流してても君は知らんぷり。そして粗相をすれば身を盾にして俺を躾る。」
「な……」
「ホントに、イヌの躾だよね。いたずらをしたら目も合わせない、距離をとる。ご主人様に振り向いて欲しくてずっと見つめているのに無視をするっ」
智則が拳を握った。深呼吸を繰り返してから言った
「お互い、思ってる事は同じだな。ならば離れないか。」
失敗した。つい、感情的になった。マーキングできてないせい。αの上位種なんてそんなもの。番と離れるだけで不安障害に陥る
「駄目に決まってるでしょ。周りがどうなっても良いの?」
智則の顔が歪む。違う。こんな事を言っては逆効果。智則が更に離れてしまう。だけど、なんて言ってとめればいいのか。何故だ?頭が働かない。
智則は返事もせずに踵をかえした。
駄目だ駄目だ。
番が去っていく。
いかないでっ
後ろから飛びかかった。腕の中に番がいる。番が暴れる。離せ?無理に決まってる。俺の番だ。逃げるというなら楔を打ち込むだけだ。邪魔な服を破いた。
「九条!ここが外だって分かってんのか!」
一刻も早く楔を打ち込まないと。
「クソっ達也!」
番が俺以外を呼ぶ。そんな口必要ない。
唇を奪うと、番がおずおずと舌を差し出してきた。弾力のあるそれを味わう。あぁ、甘い。酔いそうだ。チクリと何か刺さった気がした。
俺に智則を骨折させようとした。
「僕がどれだけ傷つくか分かっててやったの」
人の骨を折ったことくらい何回もある。伊達に九条の御曹司なんてしてない。誘拐未遂なんてざらだ。
けれど、智則の骨を折ったら、その感触を俺は一生忘れられないだろう。ずっと魘される。
なんで、なんで、自分を大切にしてくれない。首を切ろうとしたり、腕を折ろうとしたり。
大切にした結果?そんなわけない。大切なら自分を害する道を選ばない
「お前は、俺の体の傷しか気にしないんだな。俺は自分の心の方が大事だ」
心?俺だって智則の心を守りたいって思ってる。智則が喜ぶ事をしてあげたいし、望むものを最大限で与えている。
エスコート役だって本当はしてほしくは無かった。上位種の目にとまるような事はさせたくなかった。けれど、智則が望んだから!だから、焦燥感に苛まれながらも許したのに。
「与えているし、許した。九条がいうのはそう云うこと。対等じゃない。お前はいつもそうだ。歩みよろうとすると俺がお前の家畜なんだってと実感させる」
「…………そんな扱いしてない。むしろ……むしろ君だろう!?俺を家畜扱いしているのは」
「は?」
「気が向いた時にだけ俺に与えてくれる。俺は餌を前にいつもお座りさせられてて、君がヨシって言うまでマテをしている。俺が涎をたれ流してても君は知らんぷり。そして粗相をすれば身を盾にして俺を躾る。」
「な……」
「ホントに、イヌの躾だよね。いたずらをしたら目も合わせない、距離をとる。ご主人様に振り向いて欲しくてずっと見つめているのに無視をするっ」
智則が拳を握った。深呼吸を繰り返してから言った
「お互い、思ってる事は同じだな。ならば離れないか。」
失敗した。つい、感情的になった。マーキングできてないせい。αの上位種なんてそんなもの。番と離れるだけで不安障害に陥る
「駄目に決まってるでしょ。周りがどうなっても良いの?」
智則の顔が歪む。違う。こんな事を言っては逆効果。智則が更に離れてしまう。だけど、なんて言ってとめればいいのか。何故だ?頭が働かない。
智則は返事もせずに踵をかえした。
駄目だ駄目だ。
番が去っていく。
いかないでっ
後ろから飛びかかった。腕の中に番がいる。番が暴れる。離せ?無理に決まってる。俺の番だ。逃げるというなら楔を打ち込むだけだ。邪魔な服を破いた。
「九条!ここが外だって分かってんのか!」
一刻も早く楔を打ち込まないと。
「クソっ達也!」
番が俺以外を呼ぶ。そんな口必要ない。
唇を奪うと、番がおずおずと舌を差し出してきた。弾力のあるそれを味わう。あぁ、甘い。酔いそうだ。チクリと何か刺さった気がした。
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