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九条の運命3ー英樹
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智則は真面目だ。
ヘリでの来客のエスコート係に立候補すると、その人がの著作を読み漁り九条家との関係性を尋ね頭に叩きこんでいた。ヘリで来るような客だ。著作はかなりの冊数になる。英訳されてないものもある。
智則は英語中国語スペイン語はできるがアラビア語は苦手なようで、今日も英樹の部屋でスマホの自動翻訳機能を使いつつ辞書片手に読んでいた。
「…………かして」
ソファに寄りかかるように床に座っている智則の手から本を奪いとって、智則の後ろに腰かけた。
「おい」
英樹の足の間にいるような形になり、智則が抗議してきたが無視する。子供に絵本の読み聞かせをするように、智則を腕の中に囲って本を読み上げた。
智則が目をまん丸にしてこちらを見上げたてきた。真っ黒い澄んだ瞳がこぼれ落ちそう。かわいくてクスリと笑った。
「お前、凄いな」
番の純粋な称賛は耳に心地よい。うっとりと聞き入る。
そのまま本を訳して読み続けた。智則は分からない専門用語が出てくると、振り返って俺にきいてくる。
……顔が近い。思わず頬が赤くなってしまう。下半身も反応して智則当たって気づかれた。
「……おい、離れろ。対面でも可能だろ」
「ヤダ。このくらいの役得は良いでしょ?」
智則は不承不承うなずいた。九条の時間を奪っているし仕方ないって思ってくれたようだ。俺は仕事の方が智則との時間を奪ってると思っているけどね。
智則にぐりぐり押し付ける。はぁ、気持ちいい。智則が、え!?って驚いた顔をする。でもね、
「智則がこれくらいはいいって頷いてくれたでしょ」
拡大解釈だけどね。駄目だよ智則。αは卑怯なんだから、言質を取られないように正確にどこまでOKか言わないと。流石にキスは、拡大解釈の範囲外だからしないけどね。
あぁ、気持ちイイ。
部屋に独特の匂いが充満する。
久々だったから、量が半端ない。俺の下着はぐちゃぐちゃで、智則の服にも少し着いたけど気づかれてないから、黙っておく。久々の智則へのぶっかけ。あぁ、最高。
また勃ってきた。流石に怒られるだろうから見つかる前にバスルームで抜いてこよう。
「チョット、着替えてくるね」
俺の協力もあって智則はパーティまでに本を読み終えた。要約チャンネルとか使えば早いのに、りちぎに全部読んでいた。まあ、役得を何回か味わえたから俺はそれで良かったのだが。
これだけ準備したのだ。客のエスコートは、智則にとって楽しい時間になるだろう。
番と公言しないとは約束したが、ヘリで来るような連中は智則の事くらい調べ済みだ。九条の番が直々に迎えにいくのだ。それなりに会話をしてこようとするだろうし、そうなれば智則が得た情報で話題は弾む。αは番至上主義だが、それでも承認称賛欲求が強い生き物だ。自身の著作を尊敬の眼差しと共に語られれば、相貌を崩すものだ。あの真っ黒い澄んだ瞳を僕以外に、敬愛の念を込めて見せるの…………
…………
手を出す馬鹿はいないのは分かっている。でも、不安になるんだ。
与えてられるものは何でも与えるよ。
だから、そろそろ俺の元に堕ちてきてよ、智則。
ヘリでの来客のエスコート係に立候補すると、その人がの著作を読み漁り九条家との関係性を尋ね頭に叩きこんでいた。ヘリで来るような客だ。著作はかなりの冊数になる。英訳されてないものもある。
智則は英語中国語スペイン語はできるがアラビア語は苦手なようで、今日も英樹の部屋でスマホの自動翻訳機能を使いつつ辞書片手に読んでいた。
「…………かして」
ソファに寄りかかるように床に座っている智則の手から本を奪いとって、智則の後ろに腰かけた。
「おい」
英樹の足の間にいるような形になり、智則が抗議してきたが無視する。子供に絵本の読み聞かせをするように、智則を腕の中に囲って本を読み上げた。
智則が目をまん丸にしてこちらを見上げたてきた。真っ黒い澄んだ瞳がこぼれ落ちそう。かわいくてクスリと笑った。
「お前、凄いな」
番の純粋な称賛は耳に心地よい。うっとりと聞き入る。
そのまま本を訳して読み続けた。智則は分からない専門用語が出てくると、振り返って俺にきいてくる。
……顔が近い。思わず頬が赤くなってしまう。下半身も反応して智則当たって気づかれた。
「……おい、離れろ。対面でも可能だろ」
「ヤダ。このくらいの役得は良いでしょ?」
智則は不承不承うなずいた。九条の時間を奪っているし仕方ないって思ってくれたようだ。俺は仕事の方が智則との時間を奪ってると思っているけどね。
智則にぐりぐり押し付ける。はぁ、気持ちいい。智則が、え!?って驚いた顔をする。でもね、
「智則がこれくらいはいいって頷いてくれたでしょ」
拡大解釈だけどね。駄目だよ智則。αは卑怯なんだから、言質を取られないように正確にどこまでOKか言わないと。流石にキスは、拡大解釈の範囲外だからしないけどね。
あぁ、気持ちイイ。
部屋に独特の匂いが充満する。
久々だったから、量が半端ない。俺の下着はぐちゃぐちゃで、智則の服にも少し着いたけど気づかれてないから、黙っておく。久々の智則へのぶっかけ。あぁ、最高。
また勃ってきた。流石に怒られるだろうから見つかる前にバスルームで抜いてこよう。
「チョット、着替えてくるね」
俺の協力もあって智則はパーティまでに本を読み終えた。要約チャンネルとか使えば早いのに、りちぎに全部読んでいた。まあ、役得を何回か味わえたから俺はそれで良かったのだが。
これだけ準備したのだ。客のエスコートは、智則にとって楽しい時間になるだろう。
番と公言しないとは約束したが、ヘリで来るような連中は智則の事くらい調べ済みだ。九条の番が直々に迎えにいくのだ。それなりに会話をしてこようとするだろうし、そうなれば智則が得た情報で話題は弾む。αは番至上主義だが、それでも承認称賛欲求が強い生き物だ。自身の著作を尊敬の眼差しと共に語られれば、相貌を崩すものだ。あの真っ黒い澄んだ瞳を僕以外に、敬愛の念を込めて見せるの…………
…………
手を出す馬鹿はいないのは分かっている。でも、不安になるんだ。
与えてられるものは何でも与えるよ。
だから、そろそろ俺の元に堕ちてきてよ、智則。
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