努力に勝るαなし

認認家族

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智則は壊れないけどねー英樹

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智則が巣を出たいと言った。
予想はしてた。けど、傷つくなぁ。

監禁という手もあるけれど、智則にそれを再びしたら、智則は自分を殺す。秋葉の父親もそれを容認している以上、人質がいない。

英樹は智則がいなければ壊れる、けれど、智則は英樹がいなくても壊れない。
理不尽だ……。

マーキングを条件にマンションから出すと提案すると、すごく嫌そうな顔をした。。
俺も壊れる?そんな事はないよ。智則は命に執着がない。自分らしくあれない時間を過ごしていく位だったら、別に生きてる必要ないな、そんな感じで死を選ぶ。
人形はごめんだと言ってナイフを首に走らせた智則の夢を何度もみた。恐怖に何度も飛び起きた。
番を人質に取られたαなんてジャンキーと同じ。後先も計算出来ずに眼の前にあるドラッグつがいをとる。
だから、智則に命を盾にされたら監禁したくても出来ない。

超回復の時、智則は体を英樹に差し出した。そう、差し出したのであって奪われたわけではないのだ。唐澤が智則に警告をし、智則の倫理観が残る事を、つまりは英樹に抱かれる事を選んだのだ。

あれは、特殊な事態。そう、選ばせる事なく蹂躙してはいけない。セックスを強要し続けたとして、智則は壊れない、壊れる前に自身を棄てる……

だから、ハグを提案してみる。

しぶしぶ、といった感じで受け入れてくれた。智則に特別な相手はいない。ならば……というところなのだろう。
そう、俺は選択肢を与えていく。少しづつ、俺の得になる選択肢を。
毎日、ハグをするともなれば、余所を見る時間も無くなる。共に登校する回数が増えればそれだけでフェロモンの分からないβでさえ、智則に手を出すとヤバイことくらい伝わる。朝から一緒にいるのだ、昨夜は……と皆邪推する。
そう、俺は、俺の益にならない選択肢を提示しなければならない状況など作らせない。

そうして、少しづつ、俺に堕ちてくるように。
自分で選んだのであれば、智則は観念する。超回復の時に体を差し出してくれたように。
智則との未来の為に努力は惜しまない。



実行してみると、意外とメンタルがやられるということを知るのはもうしばらく後の事だったけど。




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