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智則ーではなかった
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今日は、大学に行く日だ。
智則が元気になる日。
今日も一緒に大学へと行ったのに、はしゃぎすぎて俺をおいて構内にいってしまう。智則は瞬間移動でもできるのかな…
講義が終わって達也にまた、車に戻るように言われる。
まだ、きらきらした智則を見ていたいのに。
忘れ物をした。とりに戻ろうとしたら、達也が
「私が取りに行くので英樹様は先に車に…」
そういうので、言われるまま車へと向かった。
だが、向かっている最中に項がチリチリした。これは無視してはいけない智則のピンチの合図だ
達也の叫び声が聞こえた
「貴方の辛さなど、英樹様と比較にならない!英樹様は壊れた!」
俺が壊れた?
何のことだ?
「貴方さえ貴方さえいなければ!英樹さまを弄び翻弄し!貴様ほどの毒婦、生きてる価値すらない!」
何て事を!
智則になんてひどいことを!
許せない!
達也が智則に向かっていくのが見えた。
智則!!
威圧を放った。
周囲のα達が倒れ、達也が血を吐いた。
だから?
「智則を傷つける者は許さない!」
憎い憎い憎い
智則を傷つける者が憎い
誰かが何かを叫んでいる
「智則を守る」
ふいに温かさに包まれた。
なんだ?
とものり?
「とものり、ぶじ?」
「ああ、無事だ無事だ!ぐ……!」
とものり、ぶじ…
きつくきつく抱きしめた。
「よかったよかった……智則は僕が守るの…」
「わかった、わかったから離れろ!」
智則の声。久々にきく智則の声…、。心が揺さぶられる。
「智則は僕が守る……」
もう、はなれない。
約束はした。けれど、巣にとじ込めないということだけだったのだから、離れる必要などなかったのだ。
離れたら、守れない。英樹の想いを理解している達也でさえも智則を害しようとしたのだ。
強く強く抱きしめると、智則が呻いた。
首筋に鼻先を埋めると、僅かに智則の香りがした。
嗅いでいるうちに、少し靄が晴れてきて……自分が今まで何をしていたかわかってきた。はずかしい。
倒れている達也に駆け寄った。……流石に申し訳ない。ここしばらくの俺の醜態。智則を攻撃しようとしたのは許せないが、そこまで達也を追い詰めたのも俺だ。
俺も痩せたが、達也はもっと窶れた。まあ、俺が戻ってきた以上、達也もすぐに元に戻るだろう。
…………しばらくは、達也に頭が上がらない。
黒歴史、そんなものを自分が作る日が来ようとは思いもよらなかった。
智則が元気になる日。
今日も一緒に大学へと行ったのに、はしゃぎすぎて俺をおいて構内にいってしまう。智則は瞬間移動でもできるのかな…
講義が終わって達也にまた、車に戻るように言われる。
まだ、きらきらした智則を見ていたいのに。
忘れ物をした。とりに戻ろうとしたら、達也が
「私が取りに行くので英樹様は先に車に…」
そういうので、言われるまま車へと向かった。
だが、向かっている最中に項がチリチリした。これは無視してはいけない智則のピンチの合図だ
達也の叫び声が聞こえた
「貴方の辛さなど、英樹様と比較にならない!英樹様は壊れた!」
俺が壊れた?
何のことだ?
「貴方さえ貴方さえいなければ!英樹さまを弄び翻弄し!貴様ほどの毒婦、生きてる価値すらない!」
何て事を!
智則になんてひどいことを!
許せない!
達也が智則に向かっていくのが見えた。
智則!!
威圧を放った。
周囲のα達が倒れ、達也が血を吐いた。
だから?
「智則を傷つける者は許さない!」
憎い憎い憎い
智則を傷つける者が憎い
誰かが何かを叫んでいる
「智則を守る」
ふいに温かさに包まれた。
なんだ?
とものり?
「とものり、ぶじ?」
「ああ、無事だ無事だ!ぐ……!」
とものり、ぶじ…
きつくきつく抱きしめた。
「よかったよかった……智則は僕が守るの…」
「わかった、わかったから離れろ!」
智則の声。久々にきく智則の声…、。心が揺さぶられる。
「智則は僕が守る……」
もう、はなれない。
約束はした。けれど、巣にとじ込めないということだけだったのだから、離れる必要などなかったのだ。
離れたら、守れない。英樹の想いを理解している達也でさえも智則を害しようとしたのだ。
強く強く抱きしめると、智則が呻いた。
首筋に鼻先を埋めると、僅かに智則の香りがした。
嗅いでいるうちに、少し靄が晴れてきて……自分が今まで何をしていたかわかってきた。はずかしい。
倒れている達也に駆け寄った。……流石に申し訳ない。ここしばらくの俺の醜態。智則を攻撃しようとしたのは許せないが、そこまで達也を追い詰めたのも俺だ。
俺も痩せたが、達也はもっと窶れた。まあ、俺が戻ってきた以上、達也もすぐに元に戻るだろう。
…………しばらくは、達也に頭が上がらない。
黒歴史、そんなものを自分が作る日が来ようとは思いもよらなかった。
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