125 / 178
介護ー智則
しおりを挟む
『療養が済んだら智則のマンションに戻してあげる。』
そんな口約束、守られるとは思えない。脅してくる様なヤツだ。
そして、あのマンションは智則が逃げた事で警備は更に厳重になっているだろう。
あのマンションにいたΩたちはどうなっているのだろうか。智則への協力が発覚して九条の制裁を受けてはないだろうか。
あのマンションを出て早々にしたのはマンションを潰す手段を考えることだった。もともとあのマンションは単なる高級マンションだった。それが所有者が一棟丸々バス企画に変わった。その後所有者が更に変わった模様だ。どの段階であのような非道なマンションに変わったのかはわからないが所有者を見る限り、智則の力ではどうにもできないことは判明した。
戻れば、『僕らの希望』そう言って危険をおかして協力してくれた彼らに絶望を与えるのではないか。
「そうそう、マンションにいた数世帯、退居してもらったから安心してね」
智則の様子を観察しながら九条が言う。どういう意味だ。彼らに制裁を加えたのか。どっちに。囚われていた被害者かペット扱いしていたαどもか。
尋ねた所で答えてはくれないだろう。答えた所でそれが真実とは限らない。
智則の目に浮かぶ敵意に九条はため息をついた。
「ねぇ、あの時、君を喪うかもしれないと考えて、どれだけ身の凍る思いをしたか、智則は想像つく?どうしてこんな事をしてしまったのか、何故智則を閉じ込めておかなかったのか、どれだけ悔いたか。自分を呪い殺したくなったくらいだ。だからこれが僕の最大限の譲歩だよ」
だから?
どこからそんな接続詞が
ただ、智則がどれだけ反感を抱こうとも結果は変わらない。
九条次第なのだ。
ならば、懐柔されたふりをするべきなのか。
だが、それで万が一、また以前のように九条にほだされそうになってしまったら?
…………
車がマンションに着き、九条は智則を抱き上げて部屋へと向かった。
そのままバスルームへと向かう。
恐怖のあまりに身を捩るが、しっかりと掴まれているため効果はない。
「智則、今の君に無体なことはしない。暴れないで。この程度の抵抗なんて簡単にねじ伏せられる。僕には何の効果もないのだから、無駄に体を痛めつけないで。僕を煽りたいなら別だけど」
…………。
抵抗をやめると、クスっと笑いながら残念といわれた。
寝袋を外されると素っ裸で、羞恥心と不安に襲われる
九条はそんな智則に構うことなく湯のはったバスタブに下ろした。そして一度脱衣場に戻り服を脱いできて、シャワーで軽く汚れを落とした
智則が九条をちらりと見ると、九条のソコは猛々しく天を向いていた。
浴槽に向かってくる九条から逃げたいのに、指一本動かせないほど智則は疲弊をしていた。とものりに智則の意思に従ってくれるのは、もはや目だけだ。
九条がくすりと笑う
「そんなに警戒しないで 。よけー……」
煽られる、耳元でそう囁かれた。
浴槽に入った九条は智則を抱き上げて、自身の足と足の間に座らせた。
智則の背中にゴリっとしたモノがあたり、息を飲んだ。意図してあてているわけではないことは伝わってくる。
けれど……
「ごめんね、落ち着かないよね。でも裸の智則と一緒にいて平常心ではいられないんだ。でも今の智則にそんなことをしようとは思わないから安心してほしい。説得力はないとは思うけど」
九条がパネルを操作して、智則の肌を撫でるような水流が発生した。湯が泡泡になっていき、九条はそれをすくっては智則の髪にかける
「さすがに智紀に触れたら止まれないから、体を洗うのはこの水流に任せることにするよ。汚れは完全には落ちないけれど我慢して」
「…………」
「こんなもんかな。あまりに長風呂になると体力を消耗するからね」
再びお姫様抱っこで九条とともにシャワーを浴びせられた。
脱衣所で体を拭かれ寝巻きを着せられた。もう完全介護の世界だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつも読んでいただき、ありがとうございます。お気に入り登録、ありがとうございます。
また、毎回エールをくださる方、感想欄をオープンにしていないのでこの場にてお礼申し上げます。
前回の話はエールが2倍で、えちえちが不得意な私に、よくやったね、というお褒めの言葉を読者様から頂いたと勝手に解釈し、今後も頑張ろうと決意した所存です。(最近、プラス思考に磨き?がかかってしまってます。)
他の作品に浮気をしているため、更新が遅くなりがちですが、最後までお付き合いいただければと思います。
よろしくお願いいたします!
そんな口約束、守られるとは思えない。脅してくる様なヤツだ。
そして、あのマンションは智則が逃げた事で警備は更に厳重になっているだろう。
あのマンションにいたΩたちはどうなっているのだろうか。智則への協力が発覚して九条の制裁を受けてはないだろうか。
あのマンションを出て早々にしたのはマンションを潰す手段を考えることだった。もともとあのマンションは単なる高級マンションだった。それが所有者が一棟丸々バス企画に変わった。その後所有者が更に変わった模様だ。どの段階であのような非道なマンションに変わったのかはわからないが所有者を見る限り、智則の力ではどうにもできないことは判明した。
戻れば、『僕らの希望』そう言って危険をおかして協力してくれた彼らに絶望を与えるのではないか。
「そうそう、マンションにいた数世帯、退居してもらったから安心してね」
智則の様子を観察しながら九条が言う。どういう意味だ。彼らに制裁を加えたのか。どっちに。囚われていた被害者かペット扱いしていたαどもか。
尋ねた所で答えてはくれないだろう。答えた所でそれが真実とは限らない。
智則の目に浮かぶ敵意に九条はため息をついた。
「ねぇ、あの時、君を喪うかもしれないと考えて、どれだけ身の凍る思いをしたか、智則は想像つく?どうしてこんな事をしてしまったのか、何故智則を閉じ込めておかなかったのか、どれだけ悔いたか。自分を呪い殺したくなったくらいだ。だからこれが僕の最大限の譲歩だよ」
だから?
どこからそんな接続詞が
ただ、智則がどれだけ反感を抱こうとも結果は変わらない。
九条次第なのだ。
ならば、懐柔されたふりをするべきなのか。
だが、それで万が一、また以前のように九条にほだされそうになってしまったら?
…………
車がマンションに着き、九条は智則を抱き上げて部屋へと向かった。
そのままバスルームへと向かう。
恐怖のあまりに身を捩るが、しっかりと掴まれているため効果はない。
「智則、今の君に無体なことはしない。暴れないで。この程度の抵抗なんて簡単にねじ伏せられる。僕には何の効果もないのだから、無駄に体を痛めつけないで。僕を煽りたいなら別だけど」
…………。
抵抗をやめると、クスっと笑いながら残念といわれた。
寝袋を外されると素っ裸で、羞恥心と不安に襲われる
九条はそんな智則に構うことなく湯のはったバスタブに下ろした。そして一度脱衣場に戻り服を脱いできて、シャワーで軽く汚れを落とした
智則が九条をちらりと見ると、九条のソコは猛々しく天を向いていた。
浴槽に向かってくる九条から逃げたいのに、指一本動かせないほど智則は疲弊をしていた。とものりに智則の意思に従ってくれるのは、もはや目だけだ。
九条がくすりと笑う
「そんなに警戒しないで 。よけー……」
煽られる、耳元でそう囁かれた。
浴槽に入った九条は智則を抱き上げて、自身の足と足の間に座らせた。
智則の背中にゴリっとしたモノがあたり、息を飲んだ。意図してあてているわけではないことは伝わってくる。
けれど……
「ごめんね、落ち着かないよね。でも裸の智則と一緒にいて平常心ではいられないんだ。でも今の智則にそんなことをしようとは思わないから安心してほしい。説得力はないとは思うけど」
九条がパネルを操作して、智則の肌を撫でるような水流が発生した。湯が泡泡になっていき、九条はそれをすくっては智則の髪にかける
「さすがに智紀に触れたら止まれないから、体を洗うのはこの水流に任せることにするよ。汚れは完全には落ちないけれど我慢して」
「…………」
「こんなもんかな。あまりに長風呂になると体力を消耗するからね」
再びお姫様抱っこで九条とともにシャワーを浴びせられた。
脱衣所で体を拭かれ寝巻きを着せられた。もう完全介護の世界だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつも読んでいただき、ありがとうございます。お気に入り登録、ありがとうございます。
また、毎回エールをくださる方、感想欄をオープンにしていないのでこの場にてお礼申し上げます。
前回の話はエールが2倍で、えちえちが不得意な私に、よくやったね、というお褒めの言葉を読者様から頂いたと勝手に解釈し、今後も頑張ろうと決意した所存です。(最近、プラス思考に磨き?がかかってしまってます。)
他の作品に浮気をしているため、更新が遅くなりがちですが、最後までお付き合いいただければと思います。
よろしくお願いいたします!
23
お気に入りに追加
575
あなたにおすすめの小説

言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
勇者パーティーハーレム!…の荷物番の俺の話
バナナ男さん
BL
突然異世界に召喚された普通の平凡アラサーおじさん< 山野 石郎 >改め【 イシ 】
世界を救う勇者とそれを支えし美少女戦士達の勇者パーティーの中・・俺の能力、ゼロ!あるのは訳の分からない< 覗く >という能力だけ。
これは、ちょっとしたおじさんイジメを受けながらもマイペースに旅に同行する荷物番のおじさんと、世界最強の力を持った勇者様のお話。
無気力、性格破綻勇者様 ✕ 平凡荷物番のおじさんのBLです。
不憫受けが書きたくて書いてみたのですが、少々意地悪な場面がありますので、どうかそういった表現が苦手なお方はご注意ください_○/|_ 土下座!

執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)


ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!
執着もの短編集
円みやび
BL
色んな執着ものBLの短編集です。
大体1話、10,000文字くらいだと思います。
書きたいと思ったものをバッーと書いてます。
リクエストで増やす場合もあります。
・運命じゃない君が運命だった
運命の番に振られたΩ×なんとしても逃がさないα
・悪魔に魂を売った日
ネグレクトされてる少年×美しいヤクザ
・眠っている間に
お馬鹿な流され×幼馴染
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる