努力に勝るαなし

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介護ー智則

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『療養が済んだら智則のマンションに戻してあげる。』
そんな口約束、守られるとは思えない。脅してくる様なヤツだ。
そして、あのマンションは智則が逃げた事で警備は更に厳重になっているだろう。

あのマンションにいたΩたちはどうなっているのだろうか。智則への協力が発覚して九条の制裁を受けてはないだろうか。

あのマンションを出て早々にしたのはマンションを潰す手段を考えることだった。もともとあのマンションは単なる高級マンションだった。それが所有者が一棟丸々バス企画に変わった。その後所有者が更に変わった模様だ。どの段階であのような非道なマンションに変わったのかはわからないが所有者を見る限り、智則の力ではどうにもできないことは判明した。

戻れば、『僕らの希望』そう言って危険をおかして協力してくれた彼らに絶望を与えるのではないか。

「そうそう、マンションにいた数世帯、退居してもらったから安心してね」

智則の様子を観察しながら九条が言う。どういう意味だ。彼らに制裁を加えたのか。どっちに。囚われていた被害者かペット扱いしていたαどもか。
尋ねた所で答えてはくれないだろう。答えた所でそれが真実とは限らない。

智則の目に浮かぶ敵意に九条はため息をついた。

「ねぇ、あの時、君を喪うかもしれないと考えて、どれだけ身の凍る思いをしたか、智則は想像つく?どうしてこんな事をしてしまったのか、何故智則を閉じ込めておかなかったのか、どれだけ悔いたか。自分を呪い殺したくなったくらいだ。だからこれが僕の最大限の譲歩だよ」


どこからそんな接続詞が

ただ、智則がどれだけ反感を抱こうとも結果は変わらない。
九条次第なのだ。
ならば、懐柔されたふりをするべきなのか。
だが、それで万が一、また以前のように九条にほだされそうになってしまったら?
…………



車がマンションに着き、九条は智則を抱き上げて部屋へと向かった。
そのままバスルームへと向かう。
恐怖のあまりに身を捩るが、しっかりと掴まれているため効果はない。

「智則、今の君に無体なことはしない。暴れないで。この程度の抵抗なんて簡単にねじ伏せられる。僕には何の効果もないのだから、無駄に体を痛めつけないで。僕を煽りたいなら別だけど」

…………。

抵抗をやめると、クスっと笑いながら残念といわれた。

寝袋を外されると素っ裸で、羞恥心と不安に襲われる
九条はそんな智則に構うことなく湯のはったバスタブに下ろした。そして一度脱衣場に戻り服を脱いできて、シャワーで軽く汚れを落とした
智則が九条をちらりと見ると、九条のソコは猛々しく天を向いていた。
浴槽に向かってくる九条から逃げたいのに、指一本動かせないほど智則は疲弊をしていた。とものりに智則の意思に従ってくれるのは、もはや目だけだ。

九条がくすりと笑う
「そんなに警戒しないで 。よけー……」
煽られる、耳元でそう囁かれた。

浴槽に入った九条は智則を抱き上げて、自身の足と足の間に座らせた。
智則の背中にゴリっとしたモノがあたり、息を飲んだ。意図してあてているわけではないことは伝わってくる。
けれど……

「ごめんね、落ち着かないよね。でも裸の智則と一緒にいて平常心ではいられないんだ。でも今の智則にそんなことをしようとは思わないから安心してほしい。説得力はないとは思うけど」

九条がパネルを操作して、智則の肌を撫でるような水流が発生した。湯が泡泡になっていき、九条はそれをすくっては智則の髪にかける
「さすがに智紀に触れたら止まれないから、体を洗うのはこの水流に任せることにするよ。汚れは完全には落ちないけれど我慢して」

「…………」

「こんなもんかな。あまりに長風呂になると体力を消耗するからね」

再びお姫様抱っこで九条とともにシャワーを浴びせられた。

脱衣所で体を拭かれ寝巻きを着せられた。もう完全介護の世界だ。






















ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

いつも読んでいただき、ありがとうございます。お気に入り登録、ありがとうございます。
また、毎回エールをくださる方、感想欄をオープンにしていないのでこの場にてお礼申し上げます。
前回の話はエールが2倍で、えちえちが不得意な私に、よくやったね、というお褒めの言葉を読者様から頂いたと勝手に解釈し、今後も頑張ろうと決意した所存です。(最近、プラス思考に磨き?がかかってしまってます。)

他の作品に浮気をしているため、更新が遅くなりがちですが、最後までお付き合いいただければと思います。
よろしくお願いいたします!































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