努力に勝るαなし

認認家族

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九条の超回復ーー智則

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「………終わったのか……」
安堵の余り、そのままつぶれた。
なのに………指が入ってきた。

え?

そのまま、指が激しく出入りする。中でバラバラに動かされありえない感覚に悲鳴をあげる。
まるで神経を直接触られるようなところがあって、九条はそこをしつこく撫でてくる。その強弱に頭が真っ白になる。
前も何故か反応して、恥辱に涙が止まらない。
『意識がある時のヤられるの違う。屈辱感が違うんだよ!』
由希のいった台詞がよみがえる。
嫌だ嫌だ、こんなのでいきたくないのに。強く中を擦られまたイった。
指がぐぽんとでていき……九条が入ってきた。柔らかくされたとはいえ、αの一物だ。引き裂かれるような痛みにうめいた。けれど、痛みの方がまだましだ。九条は遠慮なく腰を打ち付けてくる。痛みを認識できている今の方がさっきよりもまだ……。
九条が中で果てた。

「え?智則?現実?」

少し、意識が戻ってきたらしい。
慌てて智則から離れた。
「ご、ごめん…」
言いながら、拘束用具に成り果てた洋服を外す。リュックから防寒服を取り出した。

「これをきて、早く逃げて。また、直ぐ性衝動に襲われる」
………
正直、あんなデカブツ入れられた直後でたいして動けるわけがないんだが。
ヨロヨロと着替えていると、九条が切れ端になった服で、自身の脚を縛っているのが見えた。
「何を……」
「こうでもしないと、智則を追っていっちゃうから。あと、腕も縛って」

背中側に両手を回して差し出してきた。
………
まだ、肋骨は折れているはず。なのに手を縛る?
智則が首を振ると九条は困ったようにいう。
「智則。でも僕はまた理性を失うよ。君を探しまわって捕まえてまた……」
「肋骨折れてんだろ」
「関係ないよ。違うな。だからこそ、番が欲しくなって理性が無くなる。正直、これでも心許ない」
肋骨が折れて理性の無い状態で夜の山を彷徨う?死んでもおかしくない。
「……ここにいる」
「智則」
「ここにいる。俺の責任だ」
「智則」

脂汗を流している九条をみて覚悟を決めた。九条の脚の拘束をとる。あの痛みがなんだというのだ。
服を脱ぐ。
これは…
「………治療だ」
治療行為だ。

裸になった智則に九条が覆い被さってきた。
「ありがとう…」











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