118 / 178
キャンプの代行って……計画的じゃ…ー岡田
しおりを挟む
キャンプの日、集合場所にいくと、九条様がいた。
『殿山君が、急に行けなくなったらしくて。分担した食材の件もあるので、俺が代理できました』
………
反対する者はいなかった
まあ、そうだろうね。
教授は別として、ゼミ生は殿山君でも九条様でもいいのだ。いや、先を考えたら、九条様だろうな
そして、何故か唐澤の番もきていた。
『由希の近くに毒虫がいるから』
………秋葉君の事だろうな。
九条様が不快感を威圧で示す。それでも唐澤の番は気丈にも『私、役にたてるかと。目的は同じでしょう?』といった。
九条様は鼻で嘲笑った。
どうなるかと思ったが、行程は順調だった。唐澤の番は唐澤から離れる事もなく、これみよがしにべったりとしていた。秋葉君が全く気にしてないのがなんとも言えない。
九条様は秋葉君から離れずにいる。
纏わりつく他のαがうざいのか、九条様は少し距離をあけて秋葉君とシンガリを務めていた。
岩場にやってきた。落石注意の看板に何故か肌があわ立った。
九条様を見ると、一瞬だが酷白な笑みをうかべて斜面に視線をやったのがわかった。
何かあるのか?つられてみるが何もなかった。もう一度見ると、秋葉君が叫びながら突進してきた。九条様の顔が驚きに歪み、そして九条様も駆け込んできた。
唐澤がいた場所に岩が落ちてきてそのまま谷に吸い込まれていった。唐澤を突き飛ばした秋葉君と九条様もまた、落下し、増水している川に流されていくのが見えた。
まずい。
救急に連絡をする。
唐澤はパニックになっていて使いものにならない。当身を喰らわせて失神させた。
とりあえず、下山をすることにした。数人で交代で唐澤をおぶって進む。番の華の体力もなく遅々として進まない。
電話がなって、唐澤の目が覚めた。秋葉君からで、無事だという。流されたけど問題なく下山できるから、そのままキャンプをしてほしいと言って一方的に切った。
時間的には、キャンプ地に戻って明日帰る方がいいのは確かだ。
………キャンプを続行する事にした。
キャンプ地に戻ると、再び秋葉君から唐澤に電話がかかってきた。
唐澤が珍しく怒鳴っている。
「そんなのおいて下山しろ!」
「智則!寝てる時にヤられるのと、意識がある時にヤられるのでは違うんだよ!どれだけ屈辱的か!」
「お前はわかってない!」
「それがヤツの狙いかもしれないだろ!αなんて惚れたの手に入れるなら皆卑怯になるんだよ!」
「じゃあ、俺の気持ちは!?お前に庇われて俺は無傷でお前が九条にヤられる!?」
どうやら、電話を切られたらしい。唐澤が肩で息をしている。
「智則を迎えに行く」
咄嗟に唐澤の行く手を阻んだ。
「どけ」
威圧を伴って言われる。けれど……それは駄目だ。
ずっと考えていた。
唐澤に偶々岩が落ちてくる確率と、唐澤を狙って岩を落とす可能性と。
九条家ならもっと確実に唐澤を殺せるわけで、あえて不確実性の高い手段を取る意義が見えない。だから、偶々だと思いたいけれど、直感は狙われたといっている。
もしかしたら……罰なのかもしれない。『由希にぃ』『智則』。秋葉君に名前呼びを許している唐澤と、それを続ける秋葉君への。
だとすれば、今迎えに行けば無事では済まされない。
ふいに、酷く甘い香りが漂ってきた。Ωのヒートフェロモン、αを強制的に発情させる香り。実際には何かが足りなくて俺は半勃ち程度だ。
ただ、唐澤はラットになっている。
「あんな毒虫に由希を渡さない」
唐澤の番のフェロモンだったのか。
Ωも、上位になると誘発剤なしで意図的にヒートを起こせる。上位Ωのヒートフェロモンは強烈で、番のαはよほど上位でもない限り強制的にラットにされる。つまりは………レイプだ。
「………そこでおっ始めるなよ。せめてテントでやれ」
唐澤の番はふふっと笑ってテントに移動した。
どっちが毒虫なんだか。
『殿山君が、急に行けなくなったらしくて。分担した食材の件もあるので、俺が代理できました』
………
反対する者はいなかった
まあ、そうだろうね。
教授は別として、ゼミ生は殿山君でも九条様でもいいのだ。いや、先を考えたら、九条様だろうな
そして、何故か唐澤の番もきていた。
『由希の近くに毒虫がいるから』
………秋葉君の事だろうな。
九条様が不快感を威圧で示す。それでも唐澤の番は気丈にも『私、役にたてるかと。目的は同じでしょう?』といった。
九条様は鼻で嘲笑った。
どうなるかと思ったが、行程は順調だった。唐澤の番は唐澤から離れる事もなく、これみよがしにべったりとしていた。秋葉君が全く気にしてないのがなんとも言えない。
九条様は秋葉君から離れずにいる。
纏わりつく他のαがうざいのか、九条様は少し距離をあけて秋葉君とシンガリを務めていた。
岩場にやってきた。落石注意の看板に何故か肌があわ立った。
九条様を見ると、一瞬だが酷白な笑みをうかべて斜面に視線をやったのがわかった。
何かあるのか?つられてみるが何もなかった。もう一度見ると、秋葉君が叫びながら突進してきた。九条様の顔が驚きに歪み、そして九条様も駆け込んできた。
唐澤がいた場所に岩が落ちてきてそのまま谷に吸い込まれていった。唐澤を突き飛ばした秋葉君と九条様もまた、落下し、増水している川に流されていくのが見えた。
まずい。
救急に連絡をする。
唐澤はパニックになっていて使いものにならない。当身を喰らわせて失神させた。
とりあえず、下山をすることにした。数人で交代で唐澤をおぶって進む。番の華の体力もなく遅々として進まない。
電話がなって、唐澤の目が覚めた。秋葉君からで、無事だという。流されたけど問題なく下山できるから、そのままキャンプをしてほしいと言って一方的に切った。
時間的には、キャンプ地に戻って明日帰る方がいいのは確かだ。
………キャンプを続行する事にした。
キャンプ地に戻ると、再び秋葉君から唐澤に電話がかかってきた。
唐澤が珍しく怒鳴っている。
「そんなのおいて下山しろ!」
「智則!寝てる時にヤられるのと、意識がある時にヤられるのでは違うんだよ!どれだけ屈辱的か!」
「お前はわかってない!」
「それがヤツの狙いかもしれないだろ!αなんて惚れたの手に入れるなら皆卑怯になるんだよ!」
「じゃあ、俺の気持ちは!?お前に庇われて俺は無傷でお前が九条にヤられる!?」
どうやら、電話を切られたらしい。唐澤が肩で息をしている。
「智則を迎えに行く」
咄嗟に唐澤の行く手を阻んだ。
「どけ」
威圧を伴って言われる。けれど……それは駄目だ。
ずっと考えていた。
唐澤に偶々岩が落ちてくる確率と、唐澤を狙って岩を落とす可能性と。
九条家ならもっと確実に唐澤を殺せるわけで、あえて不確実性の高い手段を取る意義が見えない。だから、偶々だと思いたいけれど、直感は狙われたといっている。
もしかしたら……罰なのかもしれない。『由希にぃ』『智則』。秋葉君に名前呼びを許している唐澤と、それを続ける秋葉君への。
だとすれば、今迎えに行けば無事では済まされない。
ふいに、酷く甘い香りが漂ってきた。Ωのヒートフェロモン、αを強制的に発情させる香り。実際には何かが足りなくて俺は半勃ち程度だ。
ただ、唐澤はラットになっている。
「あんな毒虫に由希を渡さない」
唐澤の番のフェロモンだったのか。
Ωも、上位になると誘発剤なしで意図的にヒートを起こせる。上位Ωのヒートフェロモンは強烈で、番のαはよほど上位でもない限り強制的にラットにされる。つまりは………レイプだ。
「………そこでおっ始めるなよ。せめてテントでやれ」
唐澤の番はふふっと笑ってテントに移動した。
どっちが毒虫なんだか。
応援ありがとうございます!
2
お気に入りに追加
532
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる