114 / 178
衰弱に責任はないー智則
しおりを挟む
佐久間に飲み会に誘われた。女のコがいる。合コンとは聞いてなかったぞ。
『大丈夫、全員βだから』
何がどう大丈夫なんだか。九条が口出ししてこないのは、智則が恋人を作らないという約束を守っているからだ。
ため息を押し殺した。
隣に座った女のコにボディタッチをされる。大学入ってからはそういう事がなかったのもあって、ドキドキした。頭の回転も早くて話してて楽しいコだった。
『二人で移動しない?』
好みの女のコにそんな事をいわれたら、以前の自分であればその誘いにのって、連絡先を聞き出したであろう。けれど、断るしかなかった。
佐久間に誘われて、二人で二次会をした。
『なんで、行かなかった?気が合ってたろ………九条か』
佐久間にきかれた。そうか、βにも知れ渡っているんだな。
『悔しい。俺たちはαの下僕か』
家畜だよ。
『逃れる術はないのか?』
ないな。九条からしたら、放牧を許しているだけでも感謝しろってところだろう。
後は………
『時間が解決?いづれ九条だって飽きるだろう。俺がルールを守ってる限り交流を絶つわけだし、抱けもしない相手なんて若い男が思い続けたりできないだろう』
『時間が解決、は正しいね。後半は君らβはαの執着をなめ過ぎだ』
『どなたですか?』
佐久間が会話に割り込んできたαに苛立ちながら、尋ねる。バス企画の小早川社長だった。この人にも……憧れていた。けれど、九条が智則に行った行為に彼の商品は一定の役割を果たした。あんな狂った物を生産する人を尊敬していたなんて……
『九条君の同士。秋葉君がここに入るのを偶々見たんで、ついてきた』
佐久間が警戒を強めた。
同士………、小早川社長の伴侶はβだ。そういうことなのだろう。
『おっしゃる意味がわかりません』
『そう?単純だよ。一度、番を得た九条君は喪失感のあまりに衰弱していく。秋葉君がルールを破るのが先か九条君の衰弱死が先か。あとは……君が絆されるか』
『脅しですか?』
『事実を言ってるだけだよ。彼が秋葉君を諦めることだけはないね。』
九条の窪んた眼窩を思い出す。弱っていたのは確かだ。
『貴方が英樹様を壊した』『貴方と出会う前の英樹様は無欠だった』
達也の言葉。入学生代表の英樹のあいさつ。完全無欠、自信に満ち溢れて希望に溢れていて、こんな同級生がいるのかと圧倒された。αの威圧なんてものがなくても、あのカリスマ性でひれ伏す者も多々いるだろう。
今の九条にはその面影すらない。
『君にその強さはある?彼が亡くなっても自分を責めないでいられる?』
『完全に脅しじゃないですか!智則、行くぞ』
佐久間に腕を取られる。そうだ、こんな戯言に付き合う義理などない。
智則はαと関係を持とうなんて思ってなかった。同じ価値観のβの女性と結婚して幸せな家庭を作るつもりだった。
勝手に恋慕してレイプして監禁して。逃げ出されたから衰弱死?
それが智則の責任だと?
『小早川さん、貴方がΩに無理矢理番わされて今の生活を奪われたとして相手のΩとどう対じしますか?番契約を済ませたΩが一人で過ごせば、いづれ死んでしまう』
『まず、そんな事態にはならないけどね。まぁ、なったら、風俗に売り飛ばすよ。俺と徹を裂こうとしたのだから、さっさと死んでほしいけど、苦しんで絶望の中で死んでほしいからね。………君にその強さはないでしょう』
ゾッとした。番持ちのΩに他の人をあてがうなんて、正気の沙汰ではない。情は湧かないのか。倫理は無いのか
『上位αはそんなものだよ。一度執着したら、その相手以外どうでもよくなる』
悍ましい。
『佐久間、行こう』
『秋葉君。君にコレをあげよう。α擬態薬。効果は半日位。副作用はないよ』
錠剤を渡された。何に使えと?意図が分からないが無理矢理渡された。
『大丈夫、全員βだから』
何がどう大丈夫なんだか。九条が口出ししてこないのは、智則が恋人を作らないという約束を守っているからだ。
ため息を押し殺した。
隣に座った女のコにボディタッチをされる。大学入ってからはそういう事がなかったのもあって、ドキドキした。頭の回転も早くて話してて楽しいコだった。
『二人で移動しない?』
好みの女のコにそんな事をいわれたら、以前の自分であればその誘いにのって、連絡先を聞き出したであろう。けれど、断るしかなかった。
佐久間に誘われて、二人で二次会をした。
『なんで、行かなかった?気が合ってたろ………九条か』
佐久間にきかれた。そうか、βにも知れ渡っているんだな。
『悔しい。俺たちはαの下僕か』
家畜だよ。
『逃れる術はないのか?』
ないな。九条からしたら、放牧を許しているだけでも感謝しろってところだろう。
後は………
『時間が解決?いづれ九条だって飽きるだろう。俺がルールを守ってる限り交流を絶つわけだし、抱けもしない相手なんて若い男が思い続けたりできないだろう』
『時間が解決、は正しいね。後半は君らβはαの執着をなめ過ぎだ』
『どなたですか?』
佐久間が会話に割り込んできたαに苛立ちながら、尋ねる。バス企画の小早川社長だった。この人にも……憧れていた。けれど、九条が智則に行った行為に彼の商品は一定の役割を果たした。あんな狂った物を生産する人を尊敬していたなんて……
『九条君の同士。秋葉君がここに入るのを偶々見たんで、ついてきた』
佐久間が警戒を強めた。
同士………、小早川社長の伴侶はβだ。そういうことなのだろう。
『おっしゃる意味がわかりません』
『そう?単純だよ。一度、番を得た九条君は喪失感のあまりに衰弱していく。秋葉君がルールを破るのが先か九条君の衰弱死が先か。あとは……君が絆されるか』
『脅しですか?』
『事実を言ってるだけだよ。彼が秋葉君を諦めることだけはないね。』
九条の窪んた眼窩を思い出す。弱っていたのは確かだ。
『貴方が英樹様を壊した』『貴方と出会う前の英樹様は無欠だった』
達也の言葉。入学生代表の英樹のあいさつ。完全無欠、自信に満ち溢れて希望に溢れていて、こんな同級生がいるのかと圧倒された。αの威圧なんてものがなくても、あのカリスマ性でひれ伏す者も多々いるだろう。
今の九条にはその面影すらない。
『君にその強さはある?彼が亡くなっても自分を責めないでいられる?』
『完全に脅しじゃないですか!智則、行くぞ』
佐久間に腕を取られる。そうだ、こんな戯言に付き合う義理などない。
智則はαと関係を持とうなんて思ってなかった。同じ価値観のβの女性と結婚して幸せな家庭を作るつもりだった。
勝手に恋慕してレイプして監禁して。逃げ出されたから衰弱死?
それが智則の責任だと?
『小早川さん、貴方がΩに無理矢理番わされて今の生活を奪われたとして相手のΩとどう対じしますか?番契約を済ませたΩが一人で過ごせば、いづれ死んでしまう』
『まず、そんな事態にはならないけどね。まぁ、なったら、風俗に売り飛ばすよ。俺と徹を裂こうとしたのだから、さっさと死んでほしいけど、苦しんで絶望の中で死んでほしいからね。………君にその強さはないでしょう』
ゾッとした。番持ちのΩに他の人をあてがうなんて、正気の沙汰ではない。情は湧かないのか。倫理は無いのか
『上位αはそんなものだよ。一度執着したら、その相手以外どうでもよくなる』
悍ましい。
『佐久間、行こう』
『秋葉君。君にコレをあげよう。α擬態薬。効果は半日位。副作用はないよ』
錠剤を渡された。何に使えと?意図が分からないが無理矢理渡された。
11
お気に入りに追加
565
あなたにおすすめの小説
イケメン幼馴染に執着されるSub
ひな
BL
normalだと思ってた俺がまさかの…
支配されたくない 俺がSubなんかじゃない
逃げたい 愛されたくない
こんなの俺じゃない。
(作品名が長いのでイケしゅーって略していただいてOKです。)
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
悪役令息(?)に転生したけど攻略対象のイケメンたちに××されるって嘘でしょ!?
紡月しおん
BL
美園 律花。
それはとあるBL乙女ゲーム『紅き薔薇は漆黒に染まりて』の悪役令息の名である。
通称:アカソマ(紅染)。
この世界は魔法のあるファンタジーな世界のとある学園を舞台に5人のイケメンを主人公が攻略していくゲームだ。
その中で律花は単純に主人公と攻略イケメンの"当て馬"として動くが主人公を虐めるような悪いことをする訳では無い。ただ単に主人公と攻略イケメンの間をもやもやさせる役だ。何故悪役令息と呼ばれるのかは彼がビッチ気質故だ。
なのにー。
「おい。手前ぇ、千秋を犯ったってのはマジか」
「オレの千秋に手を出したの?ねぇ」
な、なんで······!!
✤✤✤✤✤ ✤✤✤✤✤
✻ 暴力/残酷描写/エロ(?) 等有り
がっつり性描写初めての作品です(¨;)
拙い文章と乏しい想像力で妄想の限りに書いたので、読者の皆様には生暖かい目で見て頂けると有難いですm(*_ _)m
その他付け予定タグ
※タグ付けきれないのでこちらで紹介させて頂きます。
・ヤンデレ(?)/メンヘラ(?)/サイコパス(?)
・異世界転生/逆行転生
・ハッピーエンド予定
11/17 〜 本編ややシリアス入ります。
攻略対象達のヤンデレ注意です。
※甘々溺愛イチャラブ生活&学園イベント(ヤンデレ付き)はまだまだ遠いです。暫く暗い話が続く予定です。
※当作はハッピーエンドを予定しています。
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
親友だと思ってた完璧幼馴染に執着されて監禁される平凡男子俺
toki
BL
エリート執着美形×平凡リーマン(幼馴染)
※監禁、無理矢理の要素があります。また、軽度ですが性的描写があります。
pixivでも同タイトルで投稿しています。
https://www.pixiv.net/users/3179376
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/98346398
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
高スペックな義兄弟が出来たのですが。
ぱふぱふ
BL
▷ 高 ス ペ ッ ク な 義 兄 弟 が 現 れ た !
どうする?
→逃げる
→諦めて捕まる
→引きこもる◀
▷ 鍵 が か か っ て い る !!
どうする?
→逃げる ◀
→諦めて捕まる
▷ 回 り こ ま れ て し ま っ た!!
・・・無理ゲーじゃね?
────────────────────
▫ファンタジー要素を含みます。
▫主人公の周りがヤバいです。
▫過激な表現(R18に引っかかりそうなもの)がある場合は※をつけます。
▫本番の時、又はそれに近い行為の時は※※をつけます。
▫おかしな表現などございましたらそっと目を瞑ってやってください。
▫話は完全に作者の趣味です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる