努力に勝るαなし

認認家族

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久々の大学ー智則

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久々に大学に行った。

αやΩ達が遠巻きにこちらを見る。智則に何がおきていたのかをしっている。
そして、βでヘテロである智則にとってそれはとても恥ずかしいものでもあった。

けれど、自分がこそこそしなければならないのは違う
その思いだけで正面を向く。
俯いてたまるか!


殿山が、声をかけてきた。
智則の殿山に対する思いは複雑だ
智則の認識では、学内で親しみを覚えていたα、それが殿山だった。
分かっている、αは階級社会だ。九条に言われれば従うしかない。時折、殿山が辛そうにしているのも見た。
けれど、感情はついていかない。同じゼミを目指す者として信頼していた。

なのに…


九条の事は意識から締め出した。
風景と思う事にした。
はっきりいって、殿山より容易だ。
九条は解放と言った智則に放牧と言い直したのだ。人を家畜のようにみるものなど、なんの価値もない。
それよりは、申し訳なさそうにこちらをみる殿山を無視するほういたたまれない。


達也が話しかけてきた。
『このままでは英樹様が壊れる。既に壊れかけている』
だから?
『壊れてしまえばいい。そうしたら智則は逃げ出せない』
九条はそういった。智則が壊れることを望んだのだ。因果応報だ。
『貴方が、貴方が現れる前までは、英樹様は無欠だった!貴方が狂わせた!』
まるで智則が加害者のような、そんな言い分だ。
『戻りなさい、あのマンションに』

口先だけだ。実力行使してこない以上、こちらは無視するだけだ。


様子が気になり教室で、九条をちらりと見た。久々にまともに見た九条は目が窪んで頬も痩けて幽鬼のようなのにこちらをギラギラと見つめていた。目が合ってしまった。嬉しそうに笑った。赤子の様に邪気のない笑顔だった。
慌てて目をそらしたが、九条が何かを言ったようだが、無視をした。
背景だ背景。







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