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マンションにてー英樹
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体が動かなくなって、智則が去って行こうとしているのがわかった。
ダメだダメだ。
番が去るなんて許せない
血が全身を駆け巡る。
プス
また、力が抜ける。
抑制剤か筋弛緩剤か
「うわ~ホントに高位αの執着って恐いね。肉体の限界ってどうなってんの。後で反動とかくるの?」
しるか
「青木君、なんか縛るものない?ビニール紐?他は…ワイヤー?両極端だねぇ。ビニールはアウトだけど、ワイヤーかぁ。ワイヤーは千切れないけど、千切れなさすぎるのも……でも、智則の希望だし…君、智則を諦めてくれない?」
「誰がっ。番を諦めるαがいると思ってんのか」
「だよね~。壊れた智則でも良いって位だしなぁ?………冷静でいられるうちに復讐しておくかな」
??
ワイヤーで後ろ手に縛られる。
そのまま、腹をなんども蹴り上げられた。
救いなのは、荒事に慣れてないから威力が弱い。肋骨までやられる事はなさそうだ。青あざだらけにはなりそうだけど。
力尽きたのか、悠一が蹴るのをやめた。
ポツリという。
「君はどうなるんだろうな。俺は………」
??
何の事だ
智則が戻ってきた。痛みを堪えて立ち上がる
「智則、巣に帰ろう?今なら怒らないから」
智則が悠一とアイコンタクトをとった。
なんだ?
項がチリチリする。
「あのマンションで、俺はお前に惹かれていたよ」
なら、何で逃げ出したの!
あのまま、俺に愛されていれば良かったのに。なんで、騙すような事を!
ペット?
ペットだったら、こんなふうにはしていない。迎えに来たりしてない。餌をあげるだけ。何がすきかとか、好かれる為に何かしようとか思わない。
「君を尊重していた!」
「眠らせてレイプが?俺を模した人形でぬいてたな。意志すら必要ないんだもんな。壊れれば良いと言う位だしな。だったら、一生人形で十分だろ」
いつ?
いつの間に人形の事が智則にバレた?
ちょっと前から智則の様子が変わった。あの頃?
「お前の好きは、俺は受け入れられない」
これ以上はきいていられない。番が俺を拒絶する言葉なんてきいていられない。
ナイフで体中を刺されているように、イタイ。ツライ
「……帰るよ、智則。また、巣に戻れば君はそんな事思わなくなる。それくらい愛してあげる」
そうだよ、君は500円タワーを大事に磨いていた。愛おしそうに見つめていた。あの巣に戻れば、また、君は僕をみる。
そう、今、君は混乱しているだけ。番の僕が、人形とはいえ君以外とセックスしていたから。もう不安にしない。それくらい甘やかしてドロドロに愛してあげる。
「お断りだ」
番のワガママは認めてあげたいけど、巣に帰らないのは駄目だよ。あまり言いたくないけど
「そんな事言ってると秋葉商事がどうなると思うの」
「どうなろうと構わないよ、父さんが、そう言ってくれた」
この親はっ
「本気か?後悔させるぞ」
先程の発言といい、智則の父親でも許せない。どちらにしろ、処罰リストに入っていた名前だしな。
秋葉が駄目なら深澤だ。深澤が駄目なら……
「ならば、深澤優だ。ヤツは上位種の番をレイプした。αのルールを無視したのだから、周りは助けない」
そう、俺の番を。本当は殺すか収容所送りにでもしてやりたかった。だけど、それをしたら、ヤツは智則の心にいつまでもいる。
「優は、俺の弱点になることをのぞまない。自分のせいで俺が九条に捉えられているとなったら、命だって絶つだろう」
ヤツはやはり何とかしたい。
智則にこんなにも信頼されているなんて許せない。
「そうだね、優君なら九条君が彼に手を出しているうちは、それで智則を守れているんだって思いそうだ」
智則を守る?智則を守るのは深澤優なんかじゃない。俺だ。
チリチリと今までにないほど危機感が募る
なんだ?
智則を失う。
どうやって?
「ラプンツェルみたいに優君を待ってれば?最速でむかえに行くとおもうけど」
コイツか?
この恐怖の元はこの男か?
まるで、眉間に銃口でも当てられているかのように、危機を感じる
智則を失ったりしない。
智則へと歩き出した
「九条、やるよ。」
智則が何かを投げた。500円玉?
意識が逸れかけるが、本能がそれをとどめた。
「人形はゴメンだ」
直感に従い智則に飛びかかった。
まるでスローモーションのようだった。
智則の右手がポケットを探り、ナイフを取り出して、そのまま頸動脈にあてて……
俺が智則にぶつかって、ナイフが吹っ飛んでいった。
ダメだダメだ。
番が去るなんて許せない
血が全身を駆け巡る。
プス
また、力が抜ける。
抑制剤か筋弛緩剤か
「うわ~ホントに高位αの執着って恐いね。肉体の限界ってどうなってんの。後で反動とかくるの?」
しるか
「青木君、なんか縛るものない?ビニール紐?他は…ワイヤー?両極端だねぇ。ビニールはアウトだけど、ワイヤーかぁ。ワイヤーは千切れないけど、千切れなさすぎるのも……でも、智則の希望だし…君、智則を諦めてくれない?」
「誰がっ。番を諦めるαがいると思ってんのか」
「だよね~。壊れた智則でも良いって位だしなぁ?………冷静でいられるうちに復讐しておくかな」
??
ワイヤーで後ろ手に縛られる。
そのまま、腹をなんども蹴り上げられた。
救いなのは、荒事に慣れてないから威力が弱い。肋骨までやられる事はなさそうだ。青あざだらけにはなりそうだけど。
力尽きたのか、悠一が蹴るのをやめた。
ポツリという。
「君はどうなるんだろうな。俺は………」
??
何の事だ
智則が戻ってきた。痛みを堪えて立ち上がる
「智則、巣に帰ろう?今なら怒らないから」
智則が悠一とアイコンタクトをとった。
なんだ?
項がチリチリする。
「あのマンションで、俺はお前に惹かれていたよ」
なら、何で逃げ出したの!
あのまま、俺に愛されていれば良かったのに。なんで、騙すような事を!
ペット?
ペットだったら、こんなふうにはしていない。迎えに来たりしてない。餌をあげるだけ。何がすきかとか、好かれる為に何かしようとか思わない。
「君を尊重していた!」
「眠らせてレイプが?俺を模した人形でぬいてたな。意志すら必要ないんだもんな。壊れれば良いと言う位だしな。だったら、一生人形で十分だろ」
いつ?
いつの間に人形の事が智則にバレた?
ちょっと前から智則の様子が変わった。あの頃?
「お前の好きは、俺は受け入れられない」
これ以上はきいていられない。番が俺を拒絶する言葉なんてきいていられない。
ナイフで体中を刺されているように、イタイ。ツライ
「……帰るよ、智則。また、巣に戻れば君はそんな事思わなくなる。それくらい愛してあげる」
そうだよ、君は500円タワーを大事に磨いていた。愛おしそうに見つめていた。あの巣に戻れば、また、君は僕をみる。
そう、今、君は混乱しているだけ。番の僕が、人形とはいえ君以外とセックスしていたから。もう不安にしない。それくらい甘やかしてドロドロに愛してあげる。
「お断りだ」
番のワガママは認めてあげたいけど、巣に帰らないのは駄目だよ。あまり言いたくないけど
「そんな事言ってると秋葉商事がどうなると思うの」
「どうなろうと構わないよ、父さんが、そう言ってくれた」
この親はっ
「本気か?後悔させるぞ」
先程の発言といい、智則の父親でも許せない。どちらにしろ、処罰リストに入っていた名前だしな。
秋葉が駄目なら深澤だ。深澤が駄目なら……
「ならば、深澤優だ。ヤツは上位種の番をレイプした。αのルールを無視したのだから、周りは助けない」
そう、俺の番を。本当は殺すか収容所送りにでもしてやりたかった。だけど、それをしたら、ヤツは智則の心にいつまでもいる。
「優は、俺の弱点になることをのぞまない。自分のせいで俺が九条に捉えられているとなったら、命だって絶つだろう」
ヤツはやはり何とかしたい。
智則にこんなにも信頼されているなんて許せない。
「そうだね、優君なら九条君が彼に手を出しているうちは、それで智則を守れているんだって思いそうだ」
智則を守る?智則を守るのは深澤優なんかじゃない。俺だ。
チリチリと今までにないほど危機感が募る
なんだ?
智則を失う。
どうやって?
「ラプンツェルみたいに優君を待ってれば?最速でむかえに行くとおもうけど」
コイツか?
この恐怖の元はこの男か?
まるで、眉間に銃口でも当てられているかのように、危機を感じる
智則を失ったりしない。
智則へと歩き出した
「九条、やるよ。」
智則が何かを投げた。500円玉?
意識が逸れかけるが、本能がそれをとどめた。
「人形はゴメンだ」
直感に従い智則に飛びかかった。
まるでスローモーションのようだった。
智則の右手がポケットを探り、ナイフを取り出して、そのまま頸動脈にあてて……
俺が智則にぶつかって、ナイフが吹っ飛んでいった。
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