努力に勝るαなし

認認家族

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智則の父親ー英樹

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達也に車を飛ばさせ、すぐにマンションに着いた。

達也は車で待機させる。

エントランスで管理人に進路を阻まれた。
「駄目です」
「オレは九条だ。それを阻むのか」
「………」
管理人が不自然にポケットに手を入れた
「何をした?」

「秋葉さんに頼まれました。エントランスで止めてくれと。ただ、私では対応できないだろうから、ベルを押せと。向うから、と。」


智則が………

期待を込めて見つめると、智則ではなく、秋葉悠一がドアから出てきた。

チっ

英樹の報復リストの上位にいる男だ。
この男がもっと智則を大切にしていれば、智則も深澤なんかとあんなに関わることもなかったろうに

ヤツが管理人に会釈してからこっちに話しかけてきた。

「お~想像以上に凶悪な顔してんね。超回復直後だったりする?はじめまして、九条君。智則が世話になってね」

いちいちムカつく。

「ここじゃなんだから、外で話さないか」

「話す事なんてない。智則を連れて帰る」

「う~ん。それはダメ」

「貴方の許可など求めていない」

「うん。そうだね。勝手に拉致ってレイプして?久々にあった息子は話している最中に割腹自殺して?」

「なっそんな状態の智則を一人にしてるのか!」
この男、信じられん!智則の親だろう!

「そこなんだね、君は……。智則は君に惹かれ始めていたよ。ホント、君なんかより優君の方がいい男なのになんで自分を見ないDV野郎に…」

智則が俺を?
え?

「ああ……そういうことか。智則は毛並みの良い大型犬が好きだからな」

??
大型犬?

「けど、親としては子の目を覚まさせたいけどね。………智則の心も得たいなら放牧しなさい。」

「放牧?そんな事はありえない。智則を連れて帰る」

「ふうん?で、今度は睡姦ではなくそのままレイプするのかな?超回復直後だとそうなるかな。智則の心は壊れるね」

「俺から離れる位なら壊す。壊れた智則なら俺からにげない」

「だってさ、智則」

え?
振り向くと少し離れた所に強張った顔の智則がいた。

「智則、違うんだ。今のは……」

智則は力なく笑った。

「九条、俺はお前を好きになりかけていたよ。でも……βの好きとαの好きは違うんだな」

「智則っ!ちがっ違うんだっ!今のは売り言葉に買い言葉っていうかっ!同じ同じだよっ好きにβもαもないっ!」

「 βの好きは相手を尊重することだよ。αのは……いや、お前のは、ペットに対するのと同じだ。俺は人間だ……帰ってくれないか」

イヤダイヤダ
首をふる。

「ペットだなんて思ってない。僕には智則が必要なんだよ。帰ろうよ。ねぇ、僕たちの巣に帰ろう?」

必死に手を伸ばすが払われる。

だが、触れて智則の体温を感じた瞬間、英樹の理性が消えた。

元々、番に巣立たれて不安定であったが、さらに超回復で番を切望する状態にあったのだ。

智則の腕を引き、うつ伏せに押し倒して頭を抑えつけて項を噛んだ。何か聞こえた気がした。番の血を嘗める。ああ美味しい。でももっと美味しいものがある。

触ろうとすると邪魔なものがあったので引き裂いた。


番の足を広げようとして、、手が急に動かなくなった。体が急に重たくなった。
もう少し、もう少しで極上の蜜が得られるのに。

体が動かない。








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