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本能を言い訳にするならー智則
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九条がこっちをジッと見つめてきている。
とりあえず、無視するのみ。
人の意志を奪い取るような威圧を放ってくるようなαなんて、無視するに限る。
なのに、αどもが、日々俺に九条宛の要件を押し付けてくる。
どうせ言い返しても無駄だから、素直に九条の所にいく。
要件だけ果たして去る。九条が何かを言いかけるが、遮ってじゃあなと去る。
『僕が失礼なことをしたんだよ。アルファの中で序列は絶対的だ。それなのに僕は序列を超えることをしてしまったから、九条君が怒るのは当然のことだ』
憤った智則に由希が言った言葉だ。
納得はしていない。だがαの中のルールと言われれば、もうβの自分には知らぬ世界だ。そういうものなのだろうと受け入れざる得ない
けれど、ではあの後の智則への威圧は何だというのだろうか。α同士のルールの中にβの智則を巻き込んでほしくはない
「智則、待って」
ここのところ素直に引退っていた九条がオレを引き留めた。
「どうしたら許してくれるの。唐澤先輩の所に謝りに行けばいいの」
久々にまともに見た九条の顔にはうっすらとだが、隈ができていた。
「由希先輩のことは、いい。本人が怒っていないし。俺にしたことも、別にいい。そーゆーもんだと、受け入れるしかない。そして、今がある」
九条の顔が歪んだ。
「君は一度のミスも許してくれないの」
「アレだけは無理だ」
「本能的なものなんだよっ」
「だから、距離を取ろうとしている。聞き耳を立てている他の奴らも、そーゆー事だから、九条への雑用を俺に依頼するな」
所詮アルファとベータは違うのだ
本能的な違いを言われたら、歩み寄りなど不可能だ。
とりあえず、無視するのみ。
人の意志を奪い取るような威圧を放ってくるようなαなんて、無視するに限る。
なのに、αどもが、日々俺に九条宛の要件を押し付けてくる。
どうせ言い返しても無駄だから、素直に九条の所にいく。
要件だけ果たして去る。九条が何かを言いかけるが、遮ってじゃあなと去る。
『僕が失礼なことをしたんだよ。アルファの中で序列は絶対的だ。それなのに僕は序列を超えることをしてしまったから、九条君が怒るのは当然のことだ』
憤った智則に由希が言った言葉だ。
納得はしていない。だがαの中のルールと言われれば、もうβの自分には知らぬ世界だ。そういうものなのだろうと受け入れざる得ない
けれど、ではあの後の智則への威圧は何だというのだろうか。α同士のルールの中にβの智則を巻き込んでほしくはない
「智則、待って」
ここのところ素直に引退っていた九条がオレを引き留めた。
「どうしたら許してくれるの。唐澤先輩の所に謝りに行けばいいの」
久々にまともに見た九条の顔にはうっすらとだが、隈ができていた。
「由希先輩のことは、いい。本人が怒っていないし。俺にしたことも、別にいい。そーゆーもんだと、受け入れるしかない。そして、今がある」
九条の顔が歪んだ。
「君は一度のミスも許してくれないの」
「アレだけは無理だ」
「本能的なものなんだよっ」
「だから、距離を取ろうとしている。聞き耳を立てている他の奴らも、そーゆー事だから、九条への雑用を俺に依頼するな」
所詮アルファとベータは違うのだ
本能的な違いを言われたら、歩み寄りなど不可能だ。
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