努力に勝るαなし

認認家族

文字の大きさ
上 下
47 / 178

本能を言い訳にするならー智則

しおりを挟む
九条がこっちをジッと見つめてきている。

とりあえず、無視するのみ。


人の意志を奪い取るような威圧を放ってくるようなαなんて、無視するに限る。

なのに、αどもが、日々俺に九条宛の要件を押し付けてくる。

どうせ言い返しても無駄だから、素直に九条の所にいく。
要件だけ果たして去る。九条が何かを言いかけるが、遮ってじゃあなと去る。

『僕が失礼なことをしたんだよ。アルファの中で序列は絶対的だ。それなのに僕は序列を超えることをしてしまったから、九条君が怒るのは当然のことだ』

憤った智則に由希が言った言葉だ。
納得はしていない。だがαの中のルールと言われれば、もうβの自分には知らぬ世界だ。そういうものなのだろうと受け入れざる得ない

けれど、ではあの後の智則への威圧は何だというのだろうか。α同士のルールの中にβの智則を巻き込んでほしくはない

「智則、待って」

ここのところ素直に引退っていた九条がオレを引き留めた。

「どうしたら許してくれるの。唐澤先輩の所に謝りに行けばいいの」

久々にまともに見た九条の顔にはうっすらとだが、隈ができていた。

「由希先輩のことは、いい。本人が怒っていないし。俺にしたことも、別にいい。そーゆーもんだと、受け入れるしかない。そして、今がある」

九条の顔が歪んだ。
「君は一度のミスも許してくれないの」

「アレだけは無理だ」

「本能的なものなんだよっ」

「だから、距離を取ろうとしている。聞き耳を立てている他の奴らも、そーゆー事だから、九条への雑用を俺に依頼するな」

所詮アルファとベータは違うのだ

本能的な違いを言われたら、歩み寄りなど不可能だ。













しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ
BL
 「ずっと、好きだよ。」 …長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。 もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。 ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。  そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…  なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!? ーーーーー 美形×平凡っていいですよね、、、、

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

美形な幼馴染のヤンデレ過ぎる執着愛

月夜の晩に
BL
愛が過ぎてヤンデレになった攻めくんの話。 ※ホラーです

5人の幼馴染と俺

まいど
BL
目を覚ますと軟禁されていた。5人のヤンデレに囲われる平凡の話。一番病んでいるのは誰なのか。

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました

ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。 「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」 ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m ・洸sideも投稿させて頂く予定です

勇者パーティーハーレム!…の荷物番の俺の話

バナナ男さん
BL
突然異世界に召喚された普通の平凡アラサーおじさん< 山野 石郎 >改め【 イシ 】 世界を救う勇者とそれを支えし美少女戦士達の勇者パーティーの中・・俺の能力、ゼロ!あるのは訳の分からない< 覗く >という能力だけ。 これは、ちょっとしたおじさんイジメを受けながらもマイペースに旅に同行する荷物番のおじさんと、世界最強の力を持った勇者様のお話。 無気力、性格破綻勇者様 ✕ 平凡荷物番のおじさんのBLです。 不憫受けが書きたくて書いてみたのですが、少々意地悪な場面がありますので、どうかそういった表現が苦手なお方はご注意ください_○/|_ 土下座!

処理中です...