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モブでいたかった空気の読めるαー殿山
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達也がテーブルの上にあったお湯のみを下げて、新しくコーヒーとケーキを持ってきてくれた
「あ、俺お茶あるんで大丈夫です」
………
なんか違和感
なんだ?
ああ、普段から秋葉個人宛に出される食べ物には手を伸ばさないのだ
大皿料理といったみんなで食べるものには手を伸ばす。潔癖症だったら普通は逆だし何なんだろうか
警戒心が強い?ならば九条様の家には来ないだろうし
「九条、ケーキ色々あるから、じゃんけんで買ったものが順に選べるようにしない?」
「いいよ」
九条様がうっすらと笑った
ケーキを食べたら帰ると言っていたアキバだが腹が膨れて少し眠くなったらしい。
ウトウトしだした。
「智則、大丈夫?少し眠る?」
「う~ん、いや、帰れる」
いや帰れるって言いながら、半分寝てるその状態は無理じゃね?
「無理でしよ?少しねたら?殿山君はどうする?」
え!?
これなんて答えるのが正解なんだろうか
「あ、俺は予定が……」
「智則、殿山君も家に泊まるって言ってるし、智則も泊まっていきなよ」
あ、ハズレた。そっちが、正解ね。ハイハイ
「う~ん、殿山が…でも……」
秋葉が完全に寝落ちした。
……なんか、不自然じゃ……
いやいや、考えてはいけない。
九条様が智則の髪を撫でながらこちらに向かっていった
「智則は可愛いよね。師匠とやらに何か言われているみたいで、大皿料理とか食べるけれど、個別に自分用に出されたものを外では食べないようにしているんだ。なのに俺の部屋に来ちゃうんだから、抜けてるよね。師匠の忠告も意図を説明していないから的を得ていないんだ。違うかな?智則が理解できないだけかな」
「え、えっと………」
「殿山くんは野心家ではないね。だから君に決めたんだ」
ナニヲ!?
「智則は俺とセックスしたなんて思ってない。あの会話で、みんな誤解したみたいだけど、いや、誤解をさせておいたけど、その誤解を解きたくないんだよ、わかるよね?」
え?
あんだけ精液ベッタリで?
………
不自然に眠りに落ちた秋葉
じゃあねとだけ言って九条様は秋葉を抱きかかえ隣の部屋へと消えていった。
え?
え?
隣の部屋からめっちゃ九条様のフェロモンが。
え?
これ、犯罪?
「とりあえず4時間はこもると思うんでどうしますか」
達也に言われた。
「い、一応確認なんだけど。秋葉って気が付いてないの、もしかして」
九条様の執着とか、九条様に掘られているとか。
「あのバーベキュー明けのあれももしかして……」
睡姦!?睡姦ですか!?まさかの片思いのままですか!?
「そうですね。バーベキュー同様、実は今もこの部屋にはβにしか効かない特殊な睡眠ガスが充満しているんですよ。内緒ですよ」
あ、あれ?
これ、話したら、社会的に消されるやつ?
「……一回帰ります」
否、だって。どう考えても機密性の高い部屋なのにリビングまで漏れてくるフェロモンって何なんだよ。どんだけマーキングしてんの?恐ろしすぎる。
「隣のマンションに僕らが普段使っている部屋があります。そこで映画でも見ますか」
達也が笑った。
今度は正解だったらしい。
なんだろう、薄氷を踏む、そんな緊張感だ。
4時間経って達也と九条様の部屋に戻ってくると、ツヤッツヤの九条様が出迎えてくれた。
秋葉はソファーで寝ていた。肌が少し赤らんでいて、あからさまに事後だ。これで、ホントに最後までやってないの?
「なんの映画見たの?」
「昨日公開された2作です」
「智則は疲れていたんだね。映画観ながら寝ちゃうなんて」
「……そうですね~」
俺は命が惜しい。
正義感なんていりません。
「俺たちは付き合つてないんだけど、みんな誤解してくれているんだ、嬉しい事に」
そりゃこれだけべったりマーキングされておいて、付き合ってないはないだろう。天下の九条様が一服盛っているなど誰も思うまい。
「よろしくね」
「はい……」
つまりは、周りに誤解?させたままでいろと。そのフォローをするようにということですね、ハイ。
「う~ん、あれ?俺?」
秋葉が目を覚ました。
「秋葉、映画みながら、早々に寝落ちしたんだよ」
「あ、そうなのか、すまん殿山、九条」
「良いんだよ、気にしないで、智則。それに、そんなに疲れているなら、うちに泊まっていけば?」
九条様は気遣うように言った。人間不審になりそうだ。
「いや、まだ電車あるし帰るよ」
「わかった。またね。殿山君もウチのシアター気に入ったみたいだし、二人でまた見においでよ」
「はい、また来ような、秋葉!」
俺は空気が読める男です!
「あ、俺お茶あるんで大丈夫です」
………
なんか違和感
なんだ?
ああ、普段から秋葉個人宛に出される食べ物には手を伸ばさないのだ
大皿料理といったみんなで食べるものには手を伸ばす。潔癖症だったら普通は逆だし何なんだろうか
警戒心が強い?ならば九条様の家には来ないだろうし
「九条、ケーキ色々あるから、じゃんけんで買ったものが順に選べるようにしない?」
「いいよ」
九条様がうっすらと笑った
ケーキを食べたら帰ると言っていたアキバだが腹が膨れて少し眠くなったらしい。
ウトウトしだした。
「智則、大丈夫?少し眠る?」
「う~ん、いや、帰れる」
いや帰れるって言いながら、半分寝てるその状態は無理じゃね?
「無理でしよ?少しねたら?殿山君はどうする?」
え!?
これなんて答えるのが正解なんだろうか
「あ、俺は予定が……」
「智則、殿山君も家に泊まるって言ってるし、智則も泊まっていきなよ」
あ、ハズレた。そっちが、正解ね。ハイハイ
「う~ん、殿山が…でも……」
秋葉が完全に寝落ちした。
……なんか、不自然じゃ……
いやいや、考えてはいけない。
九条様が智則の髪を撫でながらこちらに向かっていった
「智則は可愛いよね。師匠とやらに何か言われているみたいで、大皿料理とか食べるけれど、個別に自分用に出されたものを外では食べないようにしているんだ。なのに俺の部屋に来ちゃうんだから、抜けてるよね。師匠の忠告も意図を説明していないから的を得ていないんだ。違うかな?智則が理解できないだけかな」
「え、えっと………」
「殿山くんは野心家ではないね。だから君に決めたんだ」
ナニヲ!?
「智則は俺とセックスしたなんて思ってない。あの会話で、みんな誤解したみたいだけど、いや、誤解をさせておいたけど、その誤解を解きたくないんだよ、わかるよね?」
え?
あんだけ精液ベッタリで?
………
不自然に眠りに落ちた秋葉
じゃあねとだけ言って九条様は秋葉を抱きかかえ隣の部屋へと消えていった。
え?
え?
隣の部屋からめっちゃ九条様のフェロモンが。
え?
これ、犯罪?
「とりあえず4時間はこもると思うんでどうしますか」
達也に言われた。
「い、一応確認なんだけど。秋葉って気が付いてないの、もしかして」
九条様の執着とか、九条様に掘られているとか。
「あのバーベキュー明けのあれももしかして……」
睡姦!?睡姦ですか!?まさかの片思いのままですか!?
「そうですね。バーベキュー同様、実は今もこの部屋にはβにしか効かない特殊な睡眠ガスが充満しているんですよ。内緒ですよ」
あ、あれ?
これ、話したら、社会的に消されるやつ?
「……一回帰ります」
否、だって。どう考えても機密性の高い部屋なのにリビングまで漏れてくるフェロモンって何なんだよ。どんだけマーキングしてんの?恐ろしすぎる。
「隣のマンションに僕らが普段使っている部屋があります。そこで映画でも見ますか」
達也が笑った。
今度は正解だったらしい。
なんだろう、薄氷を踏む、そんな緊張感だ。
4時間経って達也と九条様の部屋に戻ってくると、ツヤッツヤの九条様が出迎えてくれた。
秋葉はソファーで寝ていた。肌が少し赤らんでいて、あからさまに事後だ。これで、ホントに最後までやってないの?
「なんの映画見たの?」
「昨日公開された2作です」
「智則は疲れていたんだね。映画観ながら寝ちゃうなんて」
「……そうですね~」
俺は命が惜しい。
正義感なんていりません。
「俺たちは付き合つてないんだけど、みんな誤解してくれているんだ、嬉しい事に」
そりゃこれだけべったりマーキングされておいて、付き合ってないはないだろう。天下の九条様が一服盛っているなど誰も思うまい。
「よろしくね」
「はい……」
つまりは、周りに誤解?させたままでいろと。そのフォローをするようにということですね、ハイ。
「う~ん、あれ?俺?」
秋葉が目を覚ました。
「秋葉、映画みながら、早々に寝落ちしたんだよ」
「あ、そうなのか、すまん殿山、九条」
「良いんだよ、気にしないで、智則。それに、そんなに疲れているなら、うちに泊まっていけば?」
九条様は気遣うように言った。人間不審になりそうだ。
「いや、まだ電車あるし帰るよ」
「わかった。またね。殿山君もウチのシアター気に入ったみたいだし、二人でまた見においでよ」
「はい、また来ような、秋葉!」
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