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幼馴染みの家ー智則
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優の家に泊まることになった。
………なんか、ここは安心する。
優の母がΩだからか?智則の家のような、各自が『俺が俺が』といった主張している雰囲気がない。
柔らかい空気感とでもいえばいいのだろうか
「俺、優のうち好きだわ~。お前んちのコになりたい」
「えっ!?なる!?なろうよっ」
優の食いつきかたに、ちょっと後ずさる。
「いや、無理に決まってんだろ。ちょっと言ってみただけだ」
「そんな事ないんだけどっ俺と智則がけけけけっこ」
「お前、何か鼻息荒い。離れろ」
「………智則が小悪魔だ……」
「??」
優は、時々変になる。今も急にイジケ出したが、とりあえず無視することにした。
今は考えなきゃいけないことがある。
もう暫くしたら、自分は病院を出て、自宅に帰る。問題ないと思っていたが、……かなりきつい。
「優は平気なのになあ。由希兄だって、一昨日は大丈夫だったのに……」
「え?」
「ああ、優も気が付いてるだろうけど、俺、兄さんとことがあってから、大人のαがダメで。高学年のαも大丈夫なのとダメなのがいるんだよ。由希兄も、一昨日までは平気だったんだよ」
「そ、それって……高木は?小野寺は?野田は?」
優が何人かの名前を上げていく。大丈夫なのと、ダメがいるから、順に答えていくと………
よく分からんが、更に優がイジケた。
智則はしらないが、噛み事故防止の為、精通を迎えたαは、学校に報告するルールがある。Ωも同様だ。強制ではないが、保護者は幼いうちの番契約に警戒しているため、大抵報告をしている。
勿論個人情報だが、こういったことは広まるものである。
コンコンと、ドアがノックされた。
とっ言っても、ドアは開いてはいたのだか。
優の部屋に入るときに、母親の香苗が、「ドアは開けておくのよ~。優、聞こえるからね」
といっていた。
優は苦笑いをしていたな。
猛が、笑いながら入ってきた。
「優、まだ小1なんだから落ち込むな。智則君、お父さんの許可がとれたから、今日はうちに泊まりなさい」
「ありがとうございます」
猛に抱きついた。今日の憂いはなくなった!今日は絶対猛のα以外は無理だ。
「な、なんで!?父さんは違うのに大丈夫なの」
言われてみれば。なぜ猛は大丈夫なのだろう。大丈夫というよりも安心するのだ
「おじさんはなんか安心するんだ。柔らかい」
「大人ってことだよ、優」
「俺のお父さんも大人だけど、俺はなんか怖いです」
「智則くんのお父さんは大人だけれど、大人じゃないんだよ。大人になると強いから柔らかくなるんだ」
余裕のあるαほど、纏うフェロモンは柔らかくなる。弱いものほど質の悪いもので威嚇する。平たくいえば負け犬の遠吠えだ。
「大人だけど子供?じゃあ優は子供だけど大人なんだね!怖くないもん!」
猛叔父さんが更に笑った。
「と、智則君、優が、ブラジルまで穴掘れるくらいになっちゃうから、その辺で。ハハハ」
「だって、優は由希兄を投げたんだ。強いんだ!」
「そうだね」
猛叔父さんが、笑いを収めて優に向き合った
「強いからこそ、手をあげてはいけないと言いつづけた。強い者には強い者なりの責任があると。だが、武術というものは、守りたいものの為に使うものだ。しかも、お前は向こうが手をあげるまでは耐えた。投げる時も理性を失わず相手が怪我をしないように配慮した。己を律しつつ大切なものを守る術、それが武術だ、成長したな、優」
猛叔父さんは優の頭にポンと手を置いた。
優がちょっと目を潤ませた。
………猛おじさんかっこいいなー。
………なんか、ここは安心する。
優の母がΩだからか?智則の家のような、各自が『俺が俺が』といった主張している雰囲気がない。
柔らかい空気感とでもいえばいいのだろうか
「俺、優のうち好きだわ~。お前んちのコになりたい」
「えっ!?なる!?なろうよっ」
優の食いつきかたに、ちょっと後ずさる。
「いや、無理に決まってんだろ。ちょっと言ってみただけだ」
「そんな事ないんだけどっ俺と智則がけけけけっこ」
「お前、何か鼻息荒い。離れろ」
「………智則が小悪魔だ……」
「??」
優は、時々変になる。今も急にイジケ出したが、とりあえず無視することにした。
今は考えなきゃいけないことがある。
もう暫くしたら、自分は病院を出て、自宅に帰る。問題ないと思っていたが、……かなりきつい。
「優は平気なのになあ。由希兄だって、一昨日は大丈夫だったのに……」
「え?」
「ああ、優も気が付いてるだろうけど、俺、兄さんとことがあってから、大人のαがダメで。高学年のαも大丈夫なのとダメなのがいるんだよ。由希兄も、一昨日までは平気だったんだよ」
「そ、それって……高木は?小野寺は?野田は?」
優が何人かの名前を上げていく。大丈夫なのと、ダメがいるから、順に答えていくと………
よく分からんが、更に優がイジケた。
智則はしらないが、噛み事故防止の為、精通を迎えたαは、学校に報告するルールがある。Ωも同様だ。強制ではないが、保護者は幼いうちの番契約に警戒しているため、大抵報告をしている。
勿論個人情報だが、こういったことは広まるものである。
コンコンと、ドアがノックされた。
とっ言っても、ドアは開いてはいたのだか。
優の部屋に入るときに、母親の香苗が、「ドアは開けておくのよ~。優、聞こえるからね」
といっていた。
優は苦笑いをしていたな。
猛が、笑いながら入ってきた。
「優、まだ小1なんだから落ち込むな。智則君、お父さんの許可がとれたから、今日はうちに泊まりなさい」
「ありがとうございます」
猛に抱きついた。今日の憂いはなくなった!今日は絶対猛のα以外は無理だ。
「な、なんで!?父さんは違うのに大丈夫なの」
言われてみれば。なぜ猛は大丈夫なのだろう。大丈夫というよりも安心するのだ
「おじさんはなんか安心するんだ。柔らかい」
「大人ってことだよ、優」
「俺のお父さんも大人だけど、俺はなんか怖いです」
「智則くんのお父さんは大人だけれど、大人じゃないんだよ。大人になると強いから柔らかくなるんだ」
余裕のあるαほど、纏うフェロモンは柔らかくなる。弱いものほど質の悪いもので威嚇する。平たくいえば負け犬の遠吠えだ。
「大人だけど子供?じゃあ優は子供だけど大人なんだね!怖くないもん!」
猛叔父さんが更に笑った。
「と、智則君、優が、ブラジルまで穴掘れるくらいになっちゃうから、その辺で。ハハハ」
「だって、優は由希兄を投げたんだ。強いんだ!」
「そうだね」
猛叔父さんが、笑いを収めて優に向き合った
「強いからこそ、手をあげてはいけないと言いつづけた。強い者には強い者なりの責任があると。だが、武術というものは、守りたいものの為に使うものだ。しかも、お前は向こうが手をあげるまでは耐えた。投げる時も理性を失わず相手が怪我をしないように配慮した。己を律しつつ大切なものを守る術、それが武術だ、成長したな、優」
猛叔父さんは優の頭にポンと手を置いた。
優がちょっと目を潤ませた。
………猛おじさんかっこいいなー。
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