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怖いαと怖くないαー智則
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智則も馬鹿ではない。
数日経つと、自分が怖いとおもうのが、成長したαだとわかった。
一馬の嗤い、あの時、感じたナニカ。
それを一切感じないαには、平然と出来たが、そうでないαとの遭遇には震えそうになる。
その怯えを感じ取り、αは更に煽られる。
ある日のことだった。
骨折してからずっと側にいてくれた優がキレた
上級生αを投げ飛ばしたのである。
そのαは、特に智則を怯えさせるナニカを持っていた。
幼い智則には分からない、精通をおえたαの嗜虐性を伴う狩猟本能を纏わせたフェロモンだった。
そのαは、智則がβとわかるまでは一馬の友人だった。家にも遊びに来ていて、よく智則と遊んでくれていたので、智則も懐いていた。
だが、智則がβとわかり、秋葉家に行くべきでないと彼なりに自重したのである。
だが、自分は離れたのに、深澤優は隣りにいて、智則に頼られている。
『由希にぃ』そう言って笑顔で迎え入れてくれた智則は今や咄嗟に優の影にかくれる
ゆるせない
自分ではないαに笑顔をむける智則が。
自分ではないαを頼る智則が。
ああ、そうか。
杖なんて付けるからダメなんだ、
杖もつけなければ、智則は動けない。優程度の体では智則を抱き上げあげられない。自分ならそれが可能だ。
智則に手を伸ばす。
「痛いっ」
ああ、涙目で見上げてくるの良い。智則が更に怯える。ああ可愛い。
「智則を離せっ!」
「優、助けてっ」
カッとした。そんなヤツに助けを求めるなんて!
深澤の手を払おうとしたら、何故か、仰向けに寝転がっていた。背中に痛みが走る。
「何をしているんだ!」
教員がやってきて、その後はドタバタだった。
優、智則、由希の両親が呼び出され、状況確認をされる。
大人のαに囲まれ、智則がパニックになりかけたとき、優の父親の猛と目があった。
怖くない大人だ………安全地帯だっ!
智則は猛の元に飛び込んだ。実際には骨折で足が動かず倒れ込んだのを猛が抱きとめたと言った方が正しいのだが…
「智則!なんで親父!?」
「智則そんな爺の所なんて!!」
「智則、深澤さんに迷惑がかかるからこっちに来なさい」
一気に賑やかになったのを
「お前ら黙れ」と軽く威圧をまとわせながら言って、落ち着かせた。
「智則くん、ちょっとだけ頑張ってみようか。おじちゃんの膝の上だったら安心するかな?」
猛は智則を怖がらせるナニカを纏ってはいなかった。膝の上に乗り首を縦に振った
「まずは優、状況を説明しろ」
「智則と廊下を歩いていたらそこのやつがいきなり智則の腕を掴んだんだ。智則が痛がったから、そいつの手を離させようとしたらそいつが俺に向かって飛びかかってきた。だから怪我がない程度に転がした」
「智則君の見解は?」
「優と同じ」
「由希君の見解は?」
「智則が悪い。智則が俺を見てその陰に隠れた。だから松葉杖、つけなくなればそいつじゃなくて俺を頼るしかないと思ったんだ」
「君を頼る?」
「うんだってそいつ智則を抱き上げられない。智則が腕を骨折すれば、智則はそいつから離れるしかない。俺が、智則を抱っこして登校する」
「……」
大人達は、ため息をついた。由希のこれは、αの囲い込みの前触れだ。このままでは、エスカレートしていくだけだ。
「状況はだいたい分かった。優は智則君と家にかえりなさい。秋葉さん、今日は智則君を家に泊めます。良いですね?」
「……はい」
「じや、智則君、また後でね~」
猛が手をひらひらさせた。………かっこいい。。
数日経つと、自分が怖いとおもうのが、成長したαだとわかった。
一馬の嗤い、あの時、感じたナニカ。
それを一切感じないαには、平然と出来たが、そうでないαとの遭遇には震えそうになる。
その怯えを感じ取り、αは更に煽られる。
ある日のことだった。
骨折してからずっと側にいてくれた優がキレた
上級生αを投げ飛ばしたのである。
そのαは、特に智則を怯えさせるナニカを持っていた。
幼い智則には分からない、精通をおえたαの嗜虐性を伴う狩猟本能を纏わせたフェロモンだった。
そのαは、智則がβとわかるまでは一馬の友人だった。家にも遊びに来ていて、よく智則と遊んでくれていたので、智則も懐いていた。
だが、智則がβとわかり、秋葉家に行くべきでないと彼なりに自重したのである。
だが、自分は離れたのに、深澤優は隣りにいて、智則に頼られている。
『由希にぃ』そう言って笑顔で迎え入れてくれた智則は今や咄嗟に優の影にかくれる
ゆるせない
自分ではないαに笑顔をむける智則が。
自分ではないαを頼る智則が。
ああ、そうか。
杖なんて付けるからダメなんだ、
杖もつけなければ、智則は動けない。優程度の体では智則を抱き上げあげられない。自分ならそれが可能だ。
智則に手を伸ばす。
「痛いっ」
ああ、涙目で見上げてくるの良い。智則が更に怯える。ああ可愛い。
「智則を離せっ!」
「優、助けてっ」
カッとした。そんなヤツに助けを求めるなんて!
深澤の手を払おうとしたら、何故か、仰向けに寝転がっていた。背中に痛みが走る。
「何をしているんだ!」
教員がやってきて、その後はドタバタだった。
優、智則、由希の両親が呼び出され、状況確認をされる。
大人のαに囲まれ、智則がパニックになりかけたとき、優の父親の猛と目があった。
怖くない大人だ………安全地帯だっ!
智則は猛の元に飛び込んだ。実際には骨折で足が動かず倒れ込んだのを猛が抱きとめたと言った方が正しいのだが…
「智則!なんで親父!?」
「智則そんな爺の所なんて!!」
「智則、深澤さんに迷惑がかかるからこっちに来なさい」
一気に賑やかになったのを
「お前ら黙れ」と軽く威圧をまとわせながら言って、落ち着かせた。
「智則くん、ちょっとだけ頑張ってみようか。おじちゃんの膝の上だったら安心するかな?」
猛は智則を怖がらせるナニカを纏ってはいなかった。膝の上に乗り首を縦に振った
「まずは優、状況を説明しろ」
「智則と廊下を歩いていたらそこのやつがいきなり智則の腕を掴んだんだ。智則が痛がったから、そいつの手を離させようとしたらそいつが俺に向かって飛びかかってきた。だから怪我がない程度に転がした」
「智則君の見解は?」
「優と同じ」
「由希君の見解は?」
「智則が悪い。智則が俺を見てその陰に隠れた。だから松葉杖、つけなくなればそいつじゃなくて俺を頼るしかないと思ったんだ」
「君を頼る?」
「うんだってそいつ智則を抱き上げられない。智則が腕を骨折すれば、智則はそいつから離れるしかない。俺が、智則を抱っこして登校する」
「……」
大人達は、ため息をついた。由希のこれは、αの囲い込みの前触れだ。このままでは、エスカレートしていくだけだ。
「状況はだいたい分かった。優は智則君と家にかえりなさい。秋葉さん、今日は智則君を家に泊めます。良いですね?」
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「じや、智則君、また後でね~」
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