カエ

日記-8月29日-

8月29日

　今日も考え事をしたくて踊り場に行った。彼は多分まだ私の考えに反発してる。私が東京に行くと言ってから、なんだかギスギスしてる。会話こそするものの、どこか辛そうな顔をしている。私だって彼と過ごせる日が次第に消費されていくのは辛い。でもそれを表に出したら君は余計に離れなくなるじゃないか。
　なんとか彼を私離れさせて、広い視野で幸せをみつけて欲しいと思う。私は彼には幸せに人生を送って欲しいと心から思う。
　いろいろ考えてると、彼が来た。今日は彼のクラスの作品制作の日だったようだ。自分の用を済ませてさっさと撤退したといってた。まったく彼らしい行動。
　いつもみたいに色々話していた。部誌に載せる小説の話になった。私たちのことを主軸に物語を書いているが、まだ私たちの終わりは経験してないから、そこはオリジナルで描かなきゃいけない。いつも通りバッドエンドになることは確定してたが、どうバッドエンドにするかはなかなか決まってなかった。話し合った結果、物語の中の私モデルの女が、自殺をして終わるという形になった。私は、死に対して美を見出す人間。そのことを知ってる彼は、美しく自殺するための計画を立てるというシナリオを語った。私もそこに意見を入れていき、ようやく話が完結した。久しぶりに彼の嬉しそうな顔をみれて私も嬉しかった。
　その後、部室で執筆し、提出した。私たちの最後の作品制作が終わった。
　あとは文化祭くらいしかイベントは残ってない。あとは受験勉強だ。それなりの大学に行けるように勉強しなきゃね。