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赫沙

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日記-8月1日-

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8月1日
 夜中の学校に残って、部室に侵入した。なかなかスリルのある体験だ。今まで特に面白くない人生を送ってきた私にとっては、そういう悪いことは楽しくて仕方ない。でもまさかそんなことを本当にするとは。彼とは本当に気が合うと思った。彼は怖がりなので、肝試しを提案したり、いきなり音を立てたりして驚かせてみた。反応がいちいち面白い。
 部室で、高校生活最後の文芸部の活動、文化祭で配布する部誌に掲載する物語を書いた。今回は最初で最後の彼との合作。価値観が近かったりする私たちは、物語の好みも同じなので、そういう合作も面白いだろうねと、前から話してはいた。
 何を書こうかという話をだらだらしてる中で、何故か進路の話になった。彼は私が卒業後何をするかを気にしていた。実の所、私は何も考えてない。特に就きたい職がある訳でもなし、行きたい大学がある訳でもなく。今、彼と楽しい日々を送っている私が、今後これ以上の楽しみを期待することは無かった。今まで生きてきた中で、辛いことばかりで心が疲れきった私に些細な幸せをくれた彼。恋愛とかとはちがう、不思議な絆。これがまた心地よくて。私の望みはこの時間がずっと続くこと。でもそんなの叶うわけない。時間は必ずすぎていく。私を待つことなんてない。現実を見て、勝手に死ぬまではそれなりに生きてみるくらいの気力は残ってる。だから私は、適当に生きるよと答えた。普通に君ともお別れして新しい世界に行くよと。
 そしたら彼はこんなことを言い出した。
「合作、文章だけじゃつまらなくない?」
意味を問うた。彼は私に、私たちの今から書く小説と、残りの高校生活を融合させたいと言う。私たちのことを描くってことかな?と思った。私は承諾した。
  思った通り私たちの事を書く感じになったので、2人で出会った時のことなどを話しながら少しづつ進めて言った。今現在の私たちに追いついたとこで、いったん作業をとめた。続きは各自家で考えてくることにした。
 どんな作品になるか楽しみだ。
 
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