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「プラカードはグリーン、イエロー、レッドの順に評価されています」執事は淡々と話す。
「かっ、管理だと?」
「そうです。ちなみにあなたは防具屋のバッキさん。だから、見事グリーンプラカードがついてます。ボンタ様からの評価が高いという事です。防具屋といういい仕事に何年も就かれていて…良い事です」
「…以前、道具屋のウガルさんが薬草の屋敷への調達が遅れた後、道具屋から外され、泥上げ係に回された事があったが、そういう事なのか…」
「うちらは、管理の中で生きている…」
「そんな…常に、家にいても監視されてるようなものか…」
「執事さんよぉ~、俺は、ちっとも嬉しくないぞ」 バッキは腕組みをしながら言う。
「おや、バッキさん、グリーンなのにですか? グリーンは数的には多くないんですよ?」
「いいか、いい餌をぶら下げられたからって、ただそれだけだ。真に認めてもらっちゃいない…人を信用していない証拠だ!! 俺は本当は医者になりたかったんだ!! おい、外出るぞ!!みんなと話し合おう!!」
「フォフォ…」 ───
「──てなわけだ。いいのか!?みんな!俺たちは、このままで!なんかおかしいのは分ってたはずだ!! だが、今まで生活のために仕方なく従ってきた」
「ああ。俺も、急に給料のいい仕事に転職させられたからおかしいと思ってたんだ。たまたまトイレがかなり汚かったから綺麗に掃除しただけなのに…なんか適当だな」
「町長に文句を言ってはならないと思っていた」
「しかし、みんな…違うよな!? 俺たちは、言いたい事も言えずただ従うだけ…ここは、間違った街だとみんなわかってる!!」
「ああ!そうだ!!みんな!みんなで立ち上がろう!!」
「そうね!!やっとここの男達は、わかってくれたかな? なんて!、それに、中に入って行った二人は、街のために行ったんじゃないの!?」
「ああ、間違いねぇ!、今こそ、みんなで一致団結だ!!みんなで行けば怖くない!!だろ!?」
「そうだ!そして、気は早いが、町長を引き摺り下ろした後にこの中から多数決で町長を決めりゃいいじゃねえか!!」 オオ~~~ッ!!
「よし!いくぞ!!包囲どころか、上まで、突破するんだ!!誰かが…きっと俺たちのために戦ってくれてるんだから!!」
[一方その頃:司法機関屋外にて]
「食らえ!!」鞭を振るうジャミア。切れ味は抜群だ。
「グワァァ!!」想像以上の痛みに必死に兵士は耐えている。
「おっ、おやめ下さい!!ジャミア様!!気は確かですか⁉」
「緊急発令ですよ!? 何故止めるんです!?むしろ、ジャミア様が副兵士長として率先して行かねばならないのに!」 怯えおののく兵士達。
「行かせられないんだ…」
「何やら理由があるようですねぇ。しかし、行かないと我々があとで、町長から、何かしらのペナルティを受けるんですよ…一刻も早く行かないと!」 かなりの数の兵士達が、ぞろぞろ集まって来た。
「まさかぁ、ジャミア様、そういえば戦車の甲板の上で、何を話されていたんですぅ~? まさか…ジャミア様、本当に逃してしまったんですか?」 運転手が何やら勘付いたようにニヤける。
「ここで、我々を止めるとは、あの二人とジャミア様に何か、ある。それしか考えられないですねぇ。グルだな」
「………」
「(あわわわ気付かれてしまったか。グルってわけじゃないのに。ジャミア様はあの男達を守ろうとしている)」 ジャミアと共に来た兵士も青ざめる。
「父上…」
──[過去の回想シーン]──
『ジャミア…これ、この蝶のネックレスを預けるよ」
「わーい!ありがとうパパ!宝石?真っ白い石、綺麗…でも変なの。預けるって?プレゼントじゃないの?」
「…このネックレスは『誇り』なんだ。そしてジャミアがジャミアらしく生きていけるようお守りの役割も果たしてくれる。いいかい? 必ず形見かかさず身に付けておくんだよ。」
「よくわかんないけどわかったよ、パパ!」
──────
「…と、いうことは、ジャミア様は、町長へ対しての反逆罪!! というわけですな!! 今、町長の身がどれだけ危険が及んでいるのか!?もはや、ジャミア様も邪魔をする敵とみなす!!」 看守もいきり立つ。
「かっ、管理だと?」
「そうです。ちなみにあなたは防具屋のバッキさん。だから、見事グリーンプラカードがついてます。ボンタ様からの評価が高いという事です。防具屋といういい仕事に何年も就かれていて…良い事です」
「…以前、道具屋のウガルさんが薬草の屋敷への調達が遅れた後、道具屋から外され、泥上げ係に回された事があったが、そういう事なのか…」
「うちらは、管理の中で生きている…」
「そんな…常に、家にいても監視されてるようなものか…」
「執事さんよぉ~、俺は、ちっとも嬉しくないぞ」 バッキは腕組みをしながら言う。
「おや、バッキさん、グリーンなのにですか? グリーンは数的には多くないんですよ?」
「いいか、いい餌をぶら下げられたからって、ただそれだけだ。真に認めてもらっちゃいない…人を信用していない証拠だ!! 俺は本当は医者になりたかったんだ!! おい、外出るぞ!!みんなと話し合おう!!」
「フォフォ…」 ───
「──てなわけだ。いいのか!?みんな!俺たちは、このままで!なんかおかしいのは分ってたはずだ!! だが、今まで生活のために仕方なく従ってきた」
「ああ。俺も、急に給料のいい仕事に転職させられたからおかしいと思ってたんだ。たまたまトイレがかなり汚かったから綺麗に掃除しただけなのに…なんか適当だな」
「町長に文句を言ってはならないと思っていた」
「しかし、みんな…違うよな!? 俺たちは、言いたい事も言えずただ従うだけ…ここは、間違った街だとみんなわかってる!!」
「ああ!そうだ!!みんな!みんなで立ち上がろう!!」
「そうね!!やっとここの男達は、わかってくれたかな? なんて!、それに、中に入って行った二人は、街のために行ったんじゃないの!?」
「ああ、間違いねぇ!、今こそ、みんなで一致団結だ!!みんなで行けば怖くない!!だろ!?」
「そうだ!そして、気は早いが、町長を引き摺り下ろした後にこの中から多数決で町長を決めりゃいいじゃねえか!!」 オオ~~~ッ!!
「よし!いくぞ!!包囲どころか、上まで、突破するんだ!!誰かが…きっと俺たちのために戦ってくれてるんだから!!」
[一方その頃:司法機関屋外にて]
「食らえ!!」鞭を振るうジャミア。切れ味は抜群だ。
「グワァァ!!」想像以上の痛みに必死に兵士は耐えている。
「おっ、おやめ下さい!!ジャミア様!!気は確かですか⁉」
「緊急発令ですよ!? 何故止めるんです!?むしろ、ジャミア様が副兵士長として率先して行かねばならないのに!」 怯えおののく兵士達。
「行かせられないんだ…」
「何やら理由があるようですねぇ。しかし、行かないと我々があとで、町長から、何かしらのペナルティを受けるんですよ…一刻も早く行かないと!」 かなりの数の兵士達が、ぞろぞろ集まって来た。
「まさかぁ、ジャミア様、そういえば戦車の甲板の上で、何を話されていたんですぅ~? まさか…ジャミア様、本当に逃してしまったんですか?」 運転手が何やら勘付いたようにニヤける。
「ここで、我々を止めるとは、あの二人とジャミア様に何か、ある。それしか考えられないですねぇ。グルだな」
「………」
「(あわわわ気付かれてしまったか。グルってわけじゃないのに。ジャミア様はあの男達を守ろうとしている)」 ジャミアと共に来た兵士も青ざめる。
「父上…」
──[過去の回想シーン]──
『ジャミア…これ、この蝶のネックレスを預けるよ」
「わーい!ありがとうパパ!宝石?真っ白い石、綺麗…でも変なの。預けるって?プレゼントじゃないの?」
「…このネックレスは『誇り』なんだ。そしてジャミアがジャミアらしく生きていけるようお守りの役割も果たしてくれる。いいかい? 必ず形見かかさず身に付けておくんだよ。」
「よくわかんないけどわかったよ、パパ!」
──────
「…と、いうことは、ジャミア様は、町長へ対しての反逆罪!! というわけですな!! 今、町長の身がどれだけ危険が及んでいるのか!?もはや、ジャミア様も邪魔をする敵とみなす!!」 看守もいきり立つ。
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