マリスセイバー ー精神の行き着く先にー

丘の山小次郎

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VS町長3

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 「うっぎゃぁ~!! なっ、何しやがる!離せ!! だっ、誰に向かってこんなことをしてるのか分かってるのか!貴様!!」 恐れおののく町長。
  カーオルは町長をギュッと抱きしめた。

 「カーオル、君は…」
 
「町長さんよぉー、俺は、今までのあんたの行いを…許すぜ。人によって、ポジションによって、そうなってしまう人もいるよな、きっと…兵士長も言っていたな。少しでもいい奴になるように」カーオルはやや力を込める。
 
「なっ、なんなんだあ、お前!(こいつの体、熱いなぁ~!)はぁはぁ、くっ!おい料理長!その窓から見えるか?
すでに包囲してるか!」 町長は凄む。
 
「いえ、ボンタ様、兵士は誰も来ておりません!!」首を何回も振り確認する料理長。

 「なっ何だとぉ~⁉︎ まだだとぉ~! どうなってる?」町長は理解し難い形相だ。

 「しかし、ボンタ様!兵士は来ておりませんが、町民達が包囲しています!!」 料理長は、胸に突き刺さるような事を言った、町民だと。

 「ちょ、町民、フフフクハハ!そうだ!あの緊急発令は、町民達のほうでも流れて、我が屋敷を包囲するんだった。思い出したわ!! 兵士の奴らには、後で、罰を与えるとして、町民達のグリーンカードの奴らは、ここまで来させろ! こいつらを粛清させろ! アズちゃん! そのネックレスに向かってそう言ってご覧!! 声が、一斉放送されるマイクになってるから!早く!」

「ハッ、ハイ。ボンタ様、ん?な、ない、ネックレスがいつの間にか、はっ!!」
家政婦は、私の方に向かって、首を横に回していき恐れおののいた表情で驚いた目で、ニヤリと笑っている私を見た。

 「そうだ。私がネックレスを持っている」

 「なっ! 貴様、いつの間に!!」 ここからでも町長が冷や汗をかいているのがわかる。

 「おい~、町長さん~。俺にハグされながら何言ってんの。それとも嬉しくなってきたか?」

  [一方その頃: 町長の館の周辺にて] 

 「おい、どうなってんだよぉ。緊急発令だなんて」
 「ああ、こんなの初めてだ。町長の屋敷を包囲する決まりだが、包囲して…そっからどうするんだ?」
「ああ、しかも、俺ら町民だけで、兵士がいねえぞ。一体何なんだ?」
「不審者二人組て、誰だよ」

 [バッターーン!(ドアが開く音)]

「なっ、何だ!! 急にドアが開きやがった!!」
 「お、おい見ろよ、玄関に執事らしき爺さんが立ってるぞ」

 「フォフォフォ…町民の皆様、よくいらして下さいました。フォフォフォ。そうですね、包囲すれと言われてるだけで、そこから何をしていいかわかりませんよね。兵士もなぜか来ない…不審者二人組が町長に手をかけようとしているのに。そこでだ、一つ質問したい。ここ一階に置いてある物を見てもらって、どう思うかを」

 「なっ!何、置いてある物!?」
「町長に手をかけようとしているだって!?」 町民達はざわめき立つ。 

「そうです。その二人は、この街の運営の仕方に疑念を持ち改革のためにやって来ました。今、町長の身が危険なのかもしれません。そこで何百人も当然一斉に入れないから…そこのあなた達、十人くらいいますね。中に入って、まず、物を見てください」

「改革…だって…」 
「えっ、俺たち? まあいいや…見にいけばいいんだな」 夕陽が差しかかってくるその時刻、町民達は青ざめた。
 
「うっ、うわぁ⁉」 
「なっ、何だこれはぁ⁉」
 「きっ、気持ちわりぃ!!」
 「きゃああああ~、わっ、私達の人形だわ!!」
 「蝋人形だ!! しっ、しかも、この配置は街のだ。」
 「何だ、このプラカードは?」 驚き驚愕する町民達。
 
「フォフォフォ。見てみてどうですか?感想はいかに?」

 「なっ、何が感想だよ!何ですかこれは?」

  「フォフォフォこれは、皆様を…この街を発展させていくべき簡単に言えば『管理』です。適材適所の。」

 
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