上 下
20 / 32

ジャミアの試練

しおりを挟む
 四回への螺旋階段を登り、気持ち的にはどこか、現実感がなく…より深淵へ…深淵へ…飲み込まれていくような感覚に襲われていた、だが…

 「なぁ、ターケン…一つ聞きたいんだが、親父さんの事なんだが、いや、その、あまり話しに出てこなかったからよ。その…ここの司法機関地区の刑務所に受刑者として入所してるんだよな…やはり、ボンタや先代に逆らったりしたか何かか?もしそうだとしたら、ハッキリいって、冤罪レベルの事であり捕まる事ではない!!」

 「ありがとうカーオル。まずは町長だ!!今、刑務所に行ったとしても警備が厳重で返り討ちに会うだけ…当然、父を救い出す!!町長を制圧すれば、恩赦や条件を引き出して、父を救い出すことができる!!」

「ああ。俺も、この街から脱走する前は、理不尽さから、人を…救えたはずなのに…結局、結果的には、自分の身を守るために何もアクションもせずに、ずっと頭から、離れなかった…その汚点を今から晴らす!!」

 目の前にドアが現れた。とうとう四階についた。目的を全うする瞬間が目の前に…ドアを開けた…

 
  [一方その頃 司法機関にてーー] 

 「オーライ!オーライ!」

 「よお~し!きたな!受刑者供、並べ~!!前に習い!!」
 「ほーら、こっちだ。ボサッとしてねえでこっちに並べ!!おっ、あれは、ジャミア様の戦車だ、へへへ…」

 ーーーーー

 「フーー、着いた、が…下の運転手は、あのさっきの男達を連行してると思ってるんだ。ばれたらまずい…わかってるな、お前」

 「へい!ジャミア様!わかってます。到着した時に、すぐさま、あの二人を降ろして引き渡したと言います。では、下に降りますよ。運転手をすぐ外に出さないようにしますよ」

 「ああ、そうだな。(今頃、どうしてる…ターケン…うまく進んでるのか?だが、どっちにしろ、ある意味町にケンカを売るようなもんだから、ただじゃ、すまないはず…)…よし、着いた」

  戦車は所定の位置で止まった。

 「ジャミア様!!お疲れ様です。相変わらずお綺麗で…まさに紅一点とは言ったものです!!」

 ヘラヘラ笑いながら、看守はジャミアに話しかける。

「で、どうなさったんですか?戦車でここまで来られるということは誰か連行でも?」

 「いや、ただ、様子を見にきただけだよ」

 半分開いてきたハッチの下から声が 聞こえてきた。

 「おい!早くトイレへ行かせてくれ!!何引き止めてんだよ!?」

 「すっ!!少し待て!!ジャミア様は今大事なお話をしてる!!」

 「ハァ?看守とか!?」 

 「(ちっやばいな)くそっ)ドキドキ ゴックン 
 「ん、何か下から聞こえてきますね」 看守が、聞き耳を立ててきた。 
  「おら!どけって!!」 
「ウワッ! お、おいまだ上に上がるな!」 運転手は強引に兵士を跳ね除けてハッチの上に上がってきた

 ジャミアにとっは、誤算の出来事が起こってしまった。

 「よし!!トイレ!トイレ!と。ん、あれ。さっきの連行した二人は、どこいった?っと、それどころじゃねえ!早く行かんと漏れちまう!あの草むらで、我慢するか!」 運転手は、草むらの影に、走っていった。

 「はて?ジャミア様。今、あの運転手が言っていた『二人』というのは何の事ですか?ジャミア様と兵士それと今の運転手の三人だけのはずですが?」 看守は、今の会話の違和感を感じ眉間にしわをよせて質問してきた。

 「あ、ああ…実は二人組を連行してたんだが、ほんのさっき途中で逃げられてしまってな、すまない。今から急いで捕まえにいくつもりだ。縄で縛ってたつもりが着く直前に逃げられたんだ(これしかない…)」

 「何と!!それは大変だ!!我々も手伝いましょう!!」

 「い、いや大丈夫だ!!副兵士長としての責任を果たすため私一人で捕まえにいく」

 「いやー…すっきりした。ジャミア様、聞こえましたが、罪人を逃したんですって?こんな事が町長にバレたらまずいですよ」 運転手に知られてしまった…。

 ブゥ~ー ブゥ~ー ブゥ~ー 
 [緊急発令!!]  [緊急発令!!]  [兵士達に告ぐ!!直ちに町長の屋敷を包囲せよ!!] [繰り返す!!] [直ちに町長の屋敷を包囲せよ!!]

 「なっ、まさか(タ、ターケン…)まさか…やっぱりターケンの身に何かが?」

 

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
今宵もあの方は帰ってきてくださらない… フリーアイコン あままつ様のを使用させて頂いています。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

処理中です...