マリスセイバー ー精神の行き着く先にー

丘の山小次郎

文字の大きさ
上 下
13 / 32

拡張世界その4

しおりを挟む
 さすがに拡張世界とはいえ、今のダメージを負った体には堪える台詞の数々を言ってくる。しかし、このショップ店員風の男の言ってる台詞、言葉使い…町長を思い起こさせる。

{メラメラ、、}「そして先ほどの女性の、私の父と母を侮辱する発言…逆効果だったな。怒りが込み上がってきたぞ!許せん!」

 「ああん!?なんだ!逆らうやつはいらんぞ!?」

 [ガシッ!!]

 手のひらを全開まで拡げ、男の顔を掴んだ…

「グッグワ~~、イッ痛い!!何する離せ!!きっ貴様!上司に向かって、なんて事を!」

 「ほう。これは、すごい作りだ、拡張世界。何かアクション起こしても、きちんとそれに沿うようにプログラムされてるなんて。あなたの様なタイプの人間はこっちが何を言っても通じないんでね。経験でわかるんですよ…だから一気にいきますよ!!今までは誰もが、その前に、心をやられて、動けなかったのかな…それに、上司だなんて、笑わせる。お前は私を怒らせた。お前のような、自分で責任を取らない男を認めない」

 「グ、ぐぎゃ~っ!!やめろぉ!」

  [シュウウ~ーッ] 

どんどん威張っている男は映像グラデーションのように薄くどんどん透明になっていった…消滅しそうだ。

 「現実世界でも、なかなか、こんな事はできなかったからな。幻の世界という事で、多少、気が大きくなったか。いや、正義感のなせるワザだ。私も一歩、先にいけたような気がするよ」

 [プシュウ~ッウ~ッ、、] 男は消滅した。


 [一方、その頃 カーオルのほうでは…]

 「くっ、なんだ…さっきの眩しい光の後、風景が変わり目の前に見えてきた光景…そうだ…この街プワラでも片隅にある貧困街…治安が悪く、スリ、ひったくり、暴力と、犯罪事件も多発するスラム街じゃあねえか。俺も毎回、通るたびにお金をひったくられた…」

キナ臭い匂い、不衛生な物の散乱、この世に、救いは、あるのか、カーオルは、虚しさを感じた…が、目の前には、ガタイのいい男が3人現れ、カーオルは、とっさに身構えた…

 「よう~色男~!!結構、おたくさんも、うちらと同じくらいに、たくましい体つきジャン!!遊ぼうぜ!!」
 「おおっ~!!いいねえ! 遊ぼうぜ!!」

モヒカン頭の男やタトゥーを入れた男、金髪男達が話しかけてきた…
 
「けっどうせ拡張世界だろ。(無難に合わせて耐えれば、ミッションクリアのはず。それに、恐らくこれが、二つ目だ。これさえクリアすれば…)」

次の瞬間、突然、モヒカン男は殴りかかってきた。大きなフルスイングで!それをなんとか、カーオルは、かわした…

 「おっ!よく!よけたねえ!俺の自慢のパンチ、名付けて、ヒップホップパンチを!!」
 「ギャハハ、なんだよ!それ!イケてるネーミングじゃん!」 
「ハハ!!だろ!!人生は、愉快痛快ヒップホップよ!! 知ってる?君? 音楽ジャンルのことよ!?しかし、よぉ~よけたのは、気に食わねえなぁ…三十点だなぁ~…だからよぉー、そうだな、合計千点取ったら許してやるぜ」
 「ギャハハ!なんだよ!それよ!でもよお~、そろそろ俺らも、混ぜてもらって、楽しむとするかなぁ~」

 急に、背後から、凄まじい蹴りが、飛んできた、カーオルは、肩に食らってしまった…

「グッ、ぐわ!!い、痛え!!」

 「よし!!ヒット!!やったぜぇ~~!!俺様のビッグバンキック炸裂だぁ!!気持ちいいぜぇぇ!よし百点だぁ~!!」
 「おいおい~それじゃ、快感得る攻撃はあと九回しかあてらんねえじゃねえかよ~」 
  
 …カーオルの中で静かな闘志が湧き上がってきた…
     
   

 

 
  


 

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

蔑ろにされた王妃と見限られた国王

奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています 国王陛下には愛する女性がいた。 彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。 私は、そんな陛下と結婚した。 国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。 でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。 そしてもう一つ。 私も陛下も知らないことがあった。 彼女のことを。彼女の正体を。

【コミカライズ&書籍化・取り下げ予定】お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。

ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの? ……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。 彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ? 婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。 お幸せに、婚約者様。 私も私で、幸せになりますので。

愛する貴方の心から消えた私は…

矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。 周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。  …彼は絶対に生きている。 そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。 だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。 「すまない、君を愛せない」 そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。 *設定はゆるいです。

処理中です...