マリスセイバー ー精神の行き着く先にー

丘の山小次郎

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拡張世界その2

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  わ、わたしは今…とてつもない現象に襲われている、私の脳内で起こっていることなのか…?

「さて、お次は、何と、腰!!です。腰!。生活習慣病の一種と言われている腰痛、あなたは腰痛もち…に間違いない!! フフ、そんなあなたにはスペシャル治療コースで治療しましょう。さて体勢を変えてもらいましょう」

 ベッドは私の背中にくくりつけられたまま、何と、立たされた。バランスを崩さないよう、足で立っている状態。

 「さあ、この丸型キューブを持ちなさい」

 丸型キューブを持つ瞬間、一瞬で、稲妻がかけ巡った。

「グ、グワッ!!何だ、、この重さは!!」

 しかも、電気が走っているみたいで、電気のショックも受ける!!

 「おーっとっと、離さないで下さいよ。その位置で離せば、あなたの足はぺちゃんこ!! 重さ200kgですからね…ショック療法です!!普段は、高額治療になる所、特別サービス無料にて、提供しましょう!!」 

「ぐががががっっ!!!」

 だめだ、重くて前に投れない。
 
 「フフ、全ての治療を受けてもらわなければ、なりません」

 お、恐らく、ここの拡張世界で、攻撃を受けると、現実ではないとはいえ、現実世界のダメージに繋がる。心に起因する。今までこの攻撃、というより拷問を受けて来たものは、その後、先ほど執事が言っていたように廃人や社会復帰が難しくなっていく…乗り越える方法は『耐えること』? なのか。全ての治療を受けるしかないのか?
 
 「いいですよ~~、その調子です。治療に専念するという事はこういう事です。フフ、では、一気にメインディッシュにいっちゃいましょう!!」

 一瞬で持っていた、丸型キューブが消えた。しかし、その感触はしっかり残っている。

[グルッッ!] ベッドがまた平らに通常の形に横たわった。

「フフフ、いよいよ本番です!!体の中に悪いものが入ってるのは、わかっています。それを取り除きます!!このハサミでね」

 何とドクターは、とても清潔的とは言えない、古びた錆びたハサミを持っている。

 「そ、そんな衛生的に問題ありそうなハサミで体を切る気…か…」

「フフ、周りを見てご覧なさい」

 いつの間にか白衣を着た医者達が周りを囲んでいる、皆若そうだ。

 「この子達は、医者の卵達よ。研修医。私の執刀技術を勉強するんです。モルモットはあなたです。私の技術は世界中に広がり、社会貢献するですしょう」

 「…イカれた医者だ。やってみろよ…」

 「では、いきますね。はい!まずは、お腹から!!」

 「グワァッ!!!」

 錆びついたハサミで切るというより一気に刺し貫いてきた!錆びてる、そして、この激痛!!

 [ギギギギギ~](刺さってくる音)   
 
 「ハハハ!この感触です!!この充実感!!人のために尽くしているという!!生きている実感!おや、何か出て来ましたよ!!中から、鳥が出てきました!!」

 「おお~~!!」

  研修医がざわつく…

 「こんな可愛い小鳥ちゃんを体内で飼っているなんて、ズルイです。没収です」

 ど、どうなってるんだ…ヤバイ…いけない。正気を保て、私よ…ここは、架空の世界なんだ。それにしても、この拡張世界、これを作ったボンタ町長…許せない…そうだ、許しちゃいけない。

 「ウ、ウォ~~!!!」

 仏頂面なその面立ちが、今は、内なる本性が、外部にマグマのように沸き立っているかのような怒りのエネルギー!!が…その時、間違いなく場に現れた瞬間。精神が肉体を凌駕した瞬間が確かにその時あった… 
 
  


 

 
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