僕たちは正義の味方

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　私の名前は早見里紗。同じ団地に住んでる友達と家族連れで天狗山に遊びに来たはずだったけど。
なぜか神隠しに遭い、いま遭難しかけている。
どんよりと曇った空に立ち込めた霧のせいでここが何処かもわからないまま体は冷えるばかり。道を間違える暇もなく、天気も景色も違う所へ放り込まれてパニクッたけど、次郎ちゃんと悟君のおかげで元いた世界に戻るために前へ進むことが出来ている。この場にいる六年生は私と勇吾の二人だけ。
だけど五年生の次郎ちゃんと悟君の方が勇吾よりもよっぽど頼りになる。
かわいい弟達の成長を喜ぶお姉ちゃんの気持ちを味わっていると明かりが、建物が見えてきた。
次郎ちゃんの予想通りなら、この中に私たちを呼び寄せた神様(仮)がいることになる。どんな人かと近づきながら観察してみたけど・・・。
みえないなぁ、神様(仮)には。たぶん私たちと同じく呼びつけられた人というだけの、只のおじさん？おじいさん？なんだか怒ってるしお近づきになりたくはない、けど。身体は冷えてるし気温は下がり続けてる。暖かそうな焚き火も風を遮る壁も、あの人の所にあるんだよね。このままじゃ皆で遭難しちゃうかもだし、まず雫ちゃんが風邪を引く。普通の人なら、小学生が避難してきたら受け入れてくれそうなものだけど。なぜかあの人の場合は違う気がした。
「おまえ等を助けて、俺になんの得がある？」
そんな冷たい言葉と拒絶にあう自分を想像するが覚悟を決める。まず勇吾は
論外、次郎ちゃんや悟君にも荷が重い。私しかいない。
深呼吸を繰り返し、重たい足を前へと進める。
「こんにちは・・。一緒に、焚き火にあたっても、いいですか？」
私はおそるおそる中にいる人に向かって声をかけた。