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1学期編 ~期末試験~

第39話

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 放課後になり、蒼雪は休み時間のうちに放課後に会えないかとメッセージを送っていた瑞希と合流した。放課後になってすぐに合流したのでは、帰宅をしようとする学生、部活や図書館に行こうとする学生に見られてしまうので、少し時間をおいて会おうと話をしていたのだが、



瑞希:このまま学園で時間を使うのは勿体ないから蒼雪君たちの家にお邪魔しちゃダメかな? またはその近くとか、とりあえず学園の外で合流しよう?
千春:そうね。思ったより今日は人の行き来が多いから時間がかかりそうね
蒼雪:わかった。それなら一度学園から出ようか
瑞希:私は笹崎先生と話をしてから向かうから先に帰ってていいよ


 放課後の人の流れを見て一先ず学園からは下校することにした。蒼雪と千春は瑞希に言われたとおり先に下校を始めた。


 家に帰ると、蒼雪たちはその旨を瑞希に連絡した。千春は家に来る可能性も考慮してそうなってもいいように用意をしていた。


 2人でリビングで勉強をしながら瑞希からの連絡を待っていると、数分したころに返信が今から学園を出るところだと言い、迷惑でないならそのまま蒼雪たちの家に行くと言っていたので了解した。



「ごめんね、結局また2人のところにお邪魔することになっちゃって。」
「いいのよ、今日はあれほど放課後に人の行き来が途切れないと予測できた人はいないと思うわ。」
「そうだな、明日で試験まで一週間前となって落ち着かないのか、問題の提出期限が明日までだから偵察をしているのか、それとも俺たちの知らないところでまた何かあったのか、考えればきりはないと思うがな。」

 蒼雪たちはリビングで開口一番にその話から入った。そして、問題の提出を瑞希たちも終えたと言っておりそのことについても話した。


「私たちも試験問題を今日提出してきたけど、他のクラスはどうなのかな?」
「さぁな? 俺も今日、俺の場合は学園についてから朝のうちに出したんだが、それでも放課後のあの空気ならほかのクラスのうち少なくとも1クラスは出した可能性が高いかもしれないな。」
「ほかのクラスの動向は気にしなくてもいいのではないかしら? どうせ確認もできないことなのよ? 私たちはその問題を解けるように勉強をするしかないわ。」
「そうだね。それで、出してきたってことは蒼雪君は月宮先生から相棒について聞いてきてくれたのかな?」
「ああ。そのことを話そうと思っていたんだ。」
「そっか。一応私の方も笹崎先生に聞いてきたけど、話の内容はそこまで変わらないかな?」



 瑞希も提出に行ったときに笹崎先生に相棒について説明をもらっていたようだが、その話がどこまで同じなのかはわからないので話を聞いた方がいいのか、というような様子だった。

「一応お互いに聞いたことに齟齬がないか確認しよう。おそらく共通してすべてを知っているわけではないと思うがな。学務課に行かなくてはならないことに変わりもなさそうだと思うがな。」


 蒼雪がそう言うと、瑞希も苦笑しながら頷いていたのでやはり詳細なことまでは教員も把握しきれていないのだろう。


 蒼雪から朝月宮先生と話した内容を伝えると、瑞希は驚いたような反応もした。


「私が聞いた話よりもしっかりと説明されてる…。」
「笹佐々木先生は変わらないのね。」
「時間はかかっているから同程度の情報は得ていると思ったのだが。」


 瑞希は首を振ってから

「私は試験に関してどうなるかって聞いても一緒に試験を受けることになるよってしか聞いてないよ。」

 瑞希はため息をついてそう言った

「そ、そうか。だが互いに情報の共有ができたんだ。」
「そうね。笹崎先生のことはもう忘れてしまいましょう。それで申請に行く件だけれど、試験が終わった日でいいかしら?」
「うん。私もその日か、その次の月曜日がいいと思うんだ。」

 瑞希としても申請に行くのは試験が終わった時でいいと同意してくれた。そして、その際に学務課に話を聞きに行くということも納得してくれた。

今の時期に学務課に話を聞きに行くことになるとその姿を見られたら千春と解消するのか、または、他の人と組むのか、と様々な憶測を呼びかねないということを懸念していた。また、それが千春や瑞希であっても同じことなので、結局1人で行くより3人で行かないといけないなら申請の時に聞きに行こうということになった。


「それじゃあ今日もありがとうね。お互いに今は試験頑張ろうね!」
「ええ、お互いに頑張りましょう。」
「また学園でな。」


 瑞希はこの日も話を終えると、そのまま蒼雪たちの家から寮に向かって帰宅をした。蒼雪たちは瑞希が帰宅をしてから夕飯の用意を始めて、それを終えてから勉強をしてこの日は休むことにした。



 翌日、試験問題提出日となった。この日の学園では朝から提出をしてきてくれたのか、問題はどうしたのかとひっきりなしに質問攻めにあって蒼雪はうんざりしていた。

「大丈夫か?」
「何がだ?」
「いや、あれだけ質問されまくって機嫌が悪そうだからな。」
「よくわかっているじゃないか。さすがにあれだけしつこいと俺だって当然うんざりする。」
「まぁそうだよな。今は事態が落ち着いてくれているからいいけど、また質問攻めにされるんじゃないか?」
「問題を漏洩させるつもりはないとあれほど言っているのにな。」
「それでも問題を知って楽をしたいと考えても仕方ないだろ?」
「努力して自分の力でなんとかしろと言いたい。」

 蒼雪と正悟は朝からそのような会話をしていた。瑞希と舞依はお互いに教科書を開いて勉強をしており、本来は正悟もそちらに加わっているはずだが、あまりにも質問をされ続けてイライラしている蒼雪を見かねてこちらにやってきていたのだ。



「おはよう。今日もそろっているな。」


 朝のホームルームの時間になり、月宮先生が教室にやってきた。欠席者がいないか確認をすると、試験問題の提出状況について説明をしてくれた。


「さて、1年の方は今年は問題作成までやらされているようだが、その提出状況について話しておこう。昨日の放課後に、最後のクラスも提出をしたので全クラス提出はできている。それらを月曜日までに審査して、試験問題として採用できないものを作成していないか、模範解答に誤りがないか確認をして問題がなければ採用、問題が不敵なものが多すぎた倍は不採用とさせてもらう。」


 月宮先生は試験問題についてと今後の試験の流れの説明を始めた。


「試験問題が採用されれば、1週間後の期末試験でどのクラスの問題化ランダムに選んでもらい解答をしてもらう。封筒もこちらで同じものに封入しなおすため、何か細工されていても意味をなさない。試験は基本的には中間試験と同じだが今回はすべて自力で解いてもらうため教室が分かれることもない。どちらかと言えば確認テストと同じと考えてもらっていいだろう。試験時間なども同様だ。英語のリスニングはない。以上だが何か質問はあるか?」

 月宮先生はそう聞いてからクラスを見渡すが、今回の件について質問事項はないようだった。

「それではこれで朝のホームルームを終わる。」


 朝のホームルームで試験について説明をなされたがこれからやることに変わりはないので、蒼雪たちは勉強会を今回も土日に開くのかどうかという話を放課後にした。昼休みは教室で試験問題について内容は伝えずどうしたのかという方針だけ伝えていた。


「それで、今度の土日はどうするんだ?」
「僕として教えてもらった方が助かるかも。もちろん問題については聞かないからこれからの授業範囲についても教えてほしいな。」
「俺はどちらでもいい。ほかの人に合わせる。」
「秀人は珍しく曖昧な返事だな。俺は一応教えてもらった方が効率よくできるってわかってるから世話になりたい。」

 詩音、秀人、響真の話を聞くだけでも、どちらでもいいという意見もあったが、勉強会は開いた方がよさそうだという感じだった。千春も舞依、優里、里美と話をして勉強会について聞いていたが開いてほしいという意見が多かったらしい。

 正悟と一は自販機へと飲み物を買いに行っていてこの場にいなかったが、彼らは勉強を見てもらう側の人間だったのでおそらく開いてほしいというだろうということは予測できたので今度の土日も勉強会を開くことが決まった。


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