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1学期編 ~期末試験~
第28話
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翌朝、以前と同様にこの日も起きてからランニングに出ようと蒼雪は思っていたのだが、天候が悪くランニングはできそうになかった。やろうと思えばできそうではないが、雨の中を走るつもりはなかったのでランニングはやめて筋トレにしようかと考えた。
(まずは着替えないといけないが、今回は起こさないようにしないといけないな。)
前回は起きてから着替えをこの部屋で行っていたので動いている気配で響真を起こしてしまった。また、その後は一緒にランニングに行けてよかったと思ったが、詩音の機嫌を損なってしまうということも重なった。
そのため、今回は寝巻のまま着替えを持って部屋を出ることにした。起こさないように着替えるほうが疲れそうなので単純にこの部屋ではなく地下室で着替えればいいと思ったのだ。そう考えると、トレーニングウェアとこの後の着替えの両方を手に取り蒼雪は部屋を出た。
地下室では一通り考えたメニューをこなした蒼雪だが、いつものランニングにかかる時間よりは早く終わっってしまったので、何かメニューを追加しようかと悩んでいたが、やりすぎはよくないと思いそのままシャワーを浴びに移動をした。
すると、ちょうど秀人が起きてきたので地下室を出たところで出くわした。
「おっ、悪い。おはよう。朝早いんだな。」
「蒼雪か。驚かさないでくれ。おはよう。俺はいつもこの時間には起きている。それで、何を…、いや、この雨の中走ってきたようには見えないが、何か運動をしていたのか?」
秀人は蒼雪を観察して、トレーニングウェアを着ており、汗をかいている。しかし、外は雨という情報と以前から聞いていた朝のランニングを踏まえて何かしていたことは察したのだが、どこで何をしていたのかはわからないという結論が出たようだ。
「そこを降りると地下室があるんだ。そこを使って簡単に筋トレをしていたんだ。」
「なるほど…、そういうことか。っと、すまないな。それなら汗を流すためにシャワーを使うんだろう? ここで話していて冷えて風邪をひかれては申し訳ないな。」
「それほど軟な体じゃないけどな。」
秀人は蒼雪を気遣いそこで話をやめて早くシャワーを浴びて汗を流すように促した。蒼雪も気にしないでいいといったが、実際に汗で体は冷えつつあるのでシャワーを浴びに移動をした。
汗を流し終え、着替えを済ませるとそのままリビングへと行った。秀人は蒼雪と別れてからリビングへと移動をしたと思うのだが、そのまま戻ったような気配は感じなかったのでそこにいると思ったのだ。
リビングに移動をすると、まだ6時にもなっていない朝早い時間だというのにもかかわらず、一を除く3人はすでに起きていたのだ。
「おはよう。秀人はさっきぶりだがみんな朝早いんだな。」
「ああ。そのようだな。」
「おはようございます。」
「おはよう。蒼雪君も人のことを言えないと思うわよ? 」
「そうかもしれないな。」
朝から和やかに蒼雪たちは会話をしていた。一が起きてくるまでは勉強道具を取りに行くこともできないので朝早くから起きたものの特にやることもなく時間をつぶしていた。
「あれ、おはよう。みんな朝早いんだね。」
7時近くになり一はゆっくりとリビングに降りてきた。リビングに降りてくると、自分以外のみんなが起きており自分は寝坊したのかと一は驚いてもいた。
「おはよう。偶然なんだろうがここにいるメンバーは朝が早いタイプの人たちだったようだ。」
「そっか、よかった。みんな早すぎるから僕が遅いのかと思ったよ。」
「そんなことないですよ。大森さんも休みの日にこの時間なら早いですし。」
「そうだな。一はいつもこの時間なのか?」
「うん。あまり早いとは思わないけど大体この時間には起きているよ。この時間なら学園のある日に遅れることはないからね。」
一もそういって蒼雪たちの座っているところに来たので席を開けて座って話すことにした。全員起きてきたということで朝ごはんの用意を始めみんなで食べたが、前回よりも早い時間にみんな起きてきていたので、集合の時間に余裕ができた。
「先に俺たちは勉強を始めておこう。この天気だ、もしかしたら多少遅れてくるかもしれない。」
「その可能性はあるな。まぁ時間に遅れてくることはないだろうし、気長に待とう。」
蒼雪たちが先に勉強会をしていると、8時30分ごろに彼らは到着した。どうやらこの天気で人数分の傘はなかったようで一度コンビニまで行き不足分のビニール傘を買いに行っていたらしい。
「おはよう。悪いな、遅くなった。」
「おはよう。まだ時間もあるし、この天気だから遅れてくる可能性も考えていた。それよりも天気も悪いから早く中に入ってくれ。風邪をひいてしまうだろう?」
蒼雪に促されて正悟たちも家の中へと入ってきた。蒼雪は正悟たちの話を聞いて、もしもこの雨が長く続くと帰るときに秀人たちも傘がないことに気が付き、蒼雪たちも買ってくる必要ができるのではないかと考えた。
リビングに行くと先に勉強を始めていた組に参加しようとしていた。
「ちょっと聞きたいのだが、この天気は午後も続く予報だったか?」
「…確か、そのはず?」
「多分な。だから俺たちも買いに行ったわけだし。」
「そうか。」
「どうした? 雨が続くと都合が悪いのか?」
蒼雪たちは話に夢中になっており天気予報の確認をしていなかったので、後から来た組の人たちにこの雨のことを聞くとどうやら午後も降り続いている予報らしい。秀人たちは先ほどのやり取りを聞いていないのでどういうことか疑問に思っていたので、傘の件を説明すると、
「それなら俺は心配ない。折りたたみ傘は常にかばんに入っているからな。」
「私も持っているので大丈夫です。」
「それなら持っていないのは僕だけかな。」
「あっ、それなら私と一緒に入れば大丈夫だし、傘は心配しなくてもいいかもしれないね。」
優里は一と一緒の傘に入るという提案をしたので新たに傘を購入してくる必要はないと分かったので、蒼雪は安心することができた。
時刻が9時になると、昨日と同様に試験問題を各自に配布した。その間は蒼雪はやることはなくなり、部屋に戻った。
(そういえば、昨日は端末の確認をしなかったな。)
秀人や一と話したり、勉強をしていたので夜に確認をすることもなく寝てしまったので誰かから連絡が来ているかもしれないと確認をすると、案の定メッセージは来ていた。
メッセージをくれていたのは君島と瑞希からで、君島からのメッセージには緊急性はなく、試験問題案についてのことだった。それについては既読を付けて後で返信をすることにしたのだが、瑞希からのメッセージは明日のことについての相談だった。
さすがにこれについては早めに返事をしておくべきだったと思い、返信の内容を考えた。
瑞希からのメッセージは、明日の待ち合わせと行く場所の確認についてだった。蒼雪は待ち合わせは目立たない方がいいと思い、店の近くにすることにした。幸いにして店の場所はショッピングモールの1階の隅なので他の人の目につきにくいと思った。そのことを瑞希に返信をすると、了解の旨の返事がすぐに来た。
蒼雪はそのメッセージにすぐに既読を付けることになったので、瑞希からいくつかほかのことについてもメッセージが飛んできたので、それについても返事をしておいた。まだ時間にも余裕があったのでそういうやり取りに付き合う時間があったのだ。
しばらくすると、瑞希からやり取りを終えてきたので蒼雪はパソコンを立ち上げて試験問題案の答えを見直し、自身の勉強を始めた。
(まずは着替えないといけないが、今回は起こさないようにしないといけないな。)
前回は起きてから着替えをこの部屋で行っていたので動いている気配で響真を起こしてしまった。また、その後は一緒にランニングに行けてよかったと思ったが、詩音の機嫌を損なってしまうということも重なった。
そのため、今回は寝巻のまま着替えを持って部屋を出ることにした。起こさないように着替えるほうが疲れそうなので単純にこの部屋ではなく地下室で着替えればいいと思ったのだ。そう考えると、トレーニングウェアとこの後の着替えの両方を手に取り蒼雪は部屋を出た。
地下室では一通り考えたメニューをこなした蒼雪だが、いつものランニングにかかる時間よりは早く終わっってしまったので、何かメニューを追加しようかと悩んでいたが、やりすぎはよくないと思いそのままシャワーを浴びに移動をした。
すると、ちょうど秀人が起きてきたので地下室を出たところで出くわした。
「おっ、悪い。おはよう。朝早いんだな。」
「蒼雪か。驚かさないでくれ。おはよう。俺はいつもこの時間には起きている。それで、何を…、いや、この雨の中走ってきたようには見えないが、何か運動をしていたのか?」
秀人は蒼雪を観察して、トレーニングウェアを着ており、汗をかいている。しかし、外は雨という情報と以前から聞いていた朝のランニングを踏まえて何かしていたことは察したのだが、どこで何をしていたのかはわからないという結論が出たようだ。
「そこを降りると地下室があるんだ。そこを使って簡単に筋トレをしていたんだ。」
「なるほど…、そういうことか。っと、すまないな。それなら汗を流すためにシャワーを使うんだろう? ここで話していて冷えて風邪をひかれては申し訳ないな。」
「それほど軟な体じゃないけどな。」
秀人は蒼雪を気遣いそこで話をやめて早くシャワーを浴びて汗を流すように促した。蒼雪も気にしないでいいといったが、実際に汗で体は冷えつつあるのでシャワーを浴びに移動をした。
汗を流し終え、着替えを済ませるとそのままリビングへと行った。秀人は蒼雪と別れてからリビングへと移動をしたと思うのだが、そのまま戻ったような気配は感じなかったのでそこにいると思ったのだ。
リビングに移動をすると、まだ6時にもなっていない朝早い時間だというのにもかかわらず、一を除く3人はすでに起きていたのだ。
「おはよう。秀人はさっきぶりだがみんな朝早いんだな。」
「ああ。そのようだな。」
「おはようございます。」
「おはよう。蒼雪君も人のことを言えないと思うわよ? 」
「そうかもしれないな。」
朝から和やかに蒼雪たちは会話をしていた。一が起きてくるまでは勉強道具を取りに行くこともできないので朝早くから起きたものの特にやることもなく時間をつぶしていた。
「あれ、おはよう。みんな朝早いんだね。」
7時近くになり一はゆっくりとリビングに降りてきた。リビングに降りてくると、自分以外のみんなが起きており自分は寝坊したのかと一は驚いてもいた。
「おはよう。偶然なんだろうがここにいるメンバーは朝が早いタイプの人たちだったようだ。」
「そっか、よかった。みんな早すぎるから僕が遅いのかと思ったよ。」
「そんなことないですよ。大森さんも休みの日にこの時間なら早いですし。」
「そうだな。一はいつもこの時間なのか?」
「うん。あまり早いとは思わないけど大体この時間には起きているよ。この時間なら学園のある日に遅れることはないからね。」
一もそういって蒼雪たちの座っているところに来たので席を開けて座って話すことにした。全員起きてきたということで朝ごはんの用意を始めみんなで食べたが、前回よりも早い時間にみんな起きてきていたので、集合の時間に余裕ができた。
「先に俺たちは勉強を始めておこう。この天気だ、もしかしたら多少遅れてくるかもしれない。」
「その可能性はあるな。まぁ時間に遅れてくることはないだろうし、気長に待とう。」
蒼雪たちが先に勉強会をしていると、8時30分ごろに彼らは到着した。どうやらこの天気で人数分の傘はなかったようで一度コンビニまで行き不足分のビニール傘を買いに行っていたらしい。
「おはよう。悪いな、遅くなった。」
「おはよう。まだ時間もあるし、この天気だから遅れてくる可能性も考えていた。それよりも天気も悪いから早く中に入ってくれ。風邪をひいてしまうだろう?」
蒼雪に促されて正悟たちも家の中へと入ってきた。蒼雪は正悟たちの話を聞いて、もしもこの雨が長く続くと帰るときに秀人たちも傘がないことに気が付き、蒼雪たちも買ってくる必要ができるのではないかと考えた。
リビングに行くと先に勉強を始めていた組に参加しようとしていた。
「ちょっと聞きたいのだが、この天気は午後も続く予報だったか?」
「…確か、そのはず?」
「多分な。だから俺たちも買いに行ったわけだし。」
「そうか。」
「どうした? 雨が続くと都合が悪いのか?」
蒼雪たちは話に夢中になっており天気予報の確認をしていなかったので、後から来た組の人たちにこの雨のことを聞くとどうやら午後も降り続いている予報らしい。秀人たちは先ほどのやり取りを聞いていないのでどういうことか疑問に思っていたので、傘の件を説明すると、
「それなら俺は心配ない。折りたたみ傘は常にかばんに入っているからな。」
「私も持っているので大丈夫です。」
「それなら持っていないのは僕だけかな。」
「あっ、それなら私と一緒に入れば大丈夫だし、傘は心配しなくてもいいかもしれないね。」
優里は一と一緒の傘に入るという提案をしたので新たに傘を購入してくる必要はないと分かったので、蒼雪は安心することができた。
時刻が9時になると、昨日と同様に試験問題を各自に配布した。その間は蒼雪はやることはなくなり、部屋に戻った。
(そういえば、昨日は端末の確認をしなかったな。)
秀人や一と話したり、勉強をしていたので夜に確認をすることもなく寝てしまったので誰かから連絡が来ているかもしれないと確認をすると、案の定メッセージは来ていた。
メッセージをくれていたのは君島と瑞希からで、君島からのメッセージには緊急性はなく、試験問題案についてのことだった。それについては既読を付けて後で返信をすることにしたのだが、瑞希からのメッセージは明日のことについての相談だった。
さすがにこれについては早めに返事をしておくべきだったと思い、返信の内容を考えた。
瑞希からのメッセージは、明日の待ち合わせと行く場所の確認についてだった。蒼雪は待ち合わせは目立たない方がいいと思い、店の近くにすることにした。幸いにして店の場所はショッピングモールの1階の隅なので他の人の目につきにくいと思った。そのことを瑞希に返信をすると、了解の旨の返事がすぐに来た。
蒼雪はそのメッセージにすぐに既読を付けることになったので、瑞希からいくつかほかのことについてもメッセージが飛んできたので、それについても返事をしておいた。まだ時間にも余裕があったのでそういうやり取りに付き合う時間があったのだ。
しばらくすると、瑞希からやり取りを終えてきたので蒼雪はパソコンを立ち上げて試験問題案の答えを見直し、自身の勉強を始めた。
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