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1学期編 ~中間試験~
第57話
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翌朝、試験前日ということで俺たちも事前の対策はしてあったが、学園に入学して初めての中間試験ということでまだ試験を行うわけでもないのに不思議な焦りから生まれる緊張があった。
「おはよう。」
「おはよう。あなたも少し緊張しているのかしら?」
「そのようだ。俺はそんなものを感じることはないと思っていたが、ふむ…。相手を信じるということがどういうことかそれを理解しようとしているからだろうな。」
「どういうことかしら?」
「俺は誰かに頼ることなどなく1人で大抵のことはすることができたし、成功率の低い策は取らずに行動をすることが多かったからな。頭で理解していてもそれがどういうことか実際の経験が不足していることがある。その1つが他者を信じることだ。」
「そういうことね。それなら明日は私も頑張らないといけないわね。あなたの期待に応えてみせる。そして、信じてよかったと思わせて見せるわ。」
「任せるぜ、俺の相棒。」
「ええ、そちらもね。」
俺たちは試験が明日だが、このような会話をしていたおかげで、緊張もなくなっていた。
そして、お互いに自然と笑い合っていた。
それから朝の勉強や朝食を終え、学園に行く時間となった。
「それじゃあ行くか。」
「そうね。舞依と早乙女君も今日は行くらしいわよ。」
「そうか。1日休めばよくなるものなんだな。」
「彼が日頃から勉強をしていなかったことで知恵熱でも出たんじゃないかって舞依が言ってたわ。」
俺たちがそう言った話をしながら玄関を出ると、舞依と正悟が待っていた。
「よう、おはよう。迷惑かけたな。」
「おはよう。本当だ。試験に間に合わなかったらどうするつもりだったんだ?」
「その時は無理してでも学園にはいくかな。」
「…おはよう。それで試験が酷かったら私は怒って殴っていた。」
「その時は私もそうするかもしれないわね。これだけ試験対策に他の人に時間を割いたのだもの。それなりの成果を出してもらわないと困るわ。」
「うっ…。頑張るからそこまでプレッシャーかけないでくれ…。」
俺たちはそんなことを話しながら教室へと向かった。
教室に入ると、前日問うこともあっていつもより多く人が来ており、大体の人は各自で勉強をするのではなく、ペアや相棒に分かれて対応策や勉強をしていた。
俺に気づいた詩音たちもこの日は手を振ってくれたがわざわざ移動をしてきて会話をする、ということはなかった。
彼らもそこまで余裕がないのだろう。
俺たちも手を挙げて挨拶を簡単にする程度にとどめ、自分たちの机の周りで俺たちも試験範囲の復習をした。
朝のホームルームでは月宮線から翌日に試験があるから欠席や遅刻をしないように言われた以外に特に何も連絡事項はなかった。
休んだらどうなるのか、ということを質問した人がいたがそれは0点扱いになるだけだとサラッと言われた。
休むのか無理をしてでも来るのかはその人の熱意次第で変わるだろうとも言っていた。
そして試験直前の授業を一取り終えた放課後、この日はさすがに学園に残って対策をするということはせずに千春と正悟と舞依でまっすぐに帰ることにした。
俺たちは荷物をまとめ終え、教室を出たところで、瑞希と皐月に呼び止められた。
「あ、蒼雪君たちも今から帰り?」
「そうだが、2人とも待っていたのか?」
「うん。あ、でも、教えてほしいからじゃないから時間は取らせないよ?一緒に帰りながらお話しできたらいいなって。」
「そう言うことならいいんじゃないかしら?こんなところで時間を浪費するわけにもいかないわ。」
「そうだな。じゃあ途中までになると思うが一緒に帰るか。」
「うん!」
「失礼するわ。」
俺たちは瑞希と皐月も加えた6人で帰ることにした。
そのため、この日の帰るルートを女子寮経由に変更した。
「それで、話って言うのは、千春と蒼雪君に試験が終わった後でいいからお礼がしたいなって。」
「お礼?」
「ええ。私たちはあなたに迷惑もかけたし勉強まで教えてもらったわ。ここまで何かしてもらってばかりだと貸を返すと言っても瑕疵が大きすぎて釣り合うようなことはできないと思ったの。」
「だからその分何かしてあげたいなって。」
「ふむ…。そう言われてもな…。」
「そうね。特に何か見返りを求めてしたわけではないものね…。」
「…その場合私たちも何かしたいと思う。」
「だな。俺もなんだかんだ言って蒼には借りがあるし、白崎にも勉強教えてもらってたし。」
「何かしたいならしてくれてもいいが、それは試験が終わってから考えないか?今は目先のことに集中しよう。試験で失敗しても知らないぞ?」
「うっ、そうだね。せっかく教えてもらったんだし頑張るよ!」
「そうね。試験が終わってからまた相談させてもらうわ。じゃあ、ここで。」
俺たちはそんなことを話しながら帰っていると、女子寮の近くまで来ていたので俺たちはそこで瑞希と皐月と別れた。
「またね~、試験頑張ろうね!」
「では、失礼するわ。試験頑張りましょう。」
「ああ、頑張ろう。」
「お互いに頑張りましょう。」
俺たちはそれからそれぞれの家へと帰宅した。
俺たちは帰宅をしてから一通りやるべきことをしてからリビングに集まった。
帰宅してから千春は俺の部屋でやろうと言っていたが、リビングの方が荷物を運ぶ手間はあっても集中力がある気がしたのだ。
前回俺の部屋でやっているときの千春はふとした時に集中力を切らすことがあったので、前日なので確認できることはすべてやっておきたかった。
今のままでも問題ないとしても、どこで足元をすくわれるかわからないので隙を作りたくなかった。
千春も俺の意見を聞いて何か反論をしようとしていたが、結局折れてくれた。
自分が集中できていない時があることは認めることができ、それが不安要素となり得るなら避けるべきだと判断したようだ。
「さて、それじゃあ最終確認をしていくが、いいか?」
「ええ。」
「まずは、明日の科目についてだ。」
木曜日と金曜日に試験を実施するが、木曜日は、日本史、世界史、国語、英語の4科目。
金曜日は、生物、化学、数学の3科目を実施する。
国語は、漢文はまだやっていないので古文と現代文、数学はまだ1学期でⅠしかやっていないのでⅠの分野のみだ。
「取りあえず、前半から計算して50点分は千春が、残りの50点分になる問題は俺が解く。それでいいな?」
「ええ。それでいいわ。私が苦手ア分野に当たっても解く努力はするからこちらの心配はしなくていいわ。」
「わかった。同じく後半は俺が解くから気にしなくていい。時間が余ったとしても自分の担当するところだけに集中してくれ。」
俺たちは日本史と世界史の復習から始め、夕食を挟んで古文と現代文、そして英語の順に範囲を復習した。
また、直前に慌てないように自分が不得意、間違える確率が比較的高かったところを重点的に勉強したが、自分が得意だからと復習する回数が少なかったところも確認をしておいた。
これで今日できることはもうないだろうとお互いにやり切ったと思ったところで勉強はやめた。
「対策はこんなところでもういいだろう。」
「そうね。もうやれることはすべてやりきったわ。」
「あとは明日に備えてしっかりと休むくらいだな。」
「確立としてはほとんどないとは思うけれど、緊張して眠れなくて、寝坊…、ということにはならないようにしないといけないわね。」
「そうだな。」
俺たちは風呂を終えてから少しリビングで、2人で会話をして寝ることにした。
お互いに朝のような変な緊張はもうなくなっていたので無駄な気負いもなくコンディションも問題ないだろう。
明日もこの調子で行けば実力通りの成果を残せるはずだ。
「おやすみ。」
「おやすみなさい。」
俺たちは、それぞれの部屋の前であいさつをして、部屋に入り、俺はそのまま布団に入った。
明日は相棒と行う初めての試験。どういった結果を残せるか不安と楽しみを抱えて俺は眼を閉じた。
「おはよう。」
「おはよう。あなたも少し緊張しているのかしら?」
「そのようだ。俺はそんなものを感じることはないと思っていたが、ふむ…。相手を信じるということがどういうことかそれを理解しようとしているからだろうな。」
「どういうことかしら?」
「俺は誰かに頼ることなどなく1人で大抵のことはすることができたし、成功率の低い策は取らずに行動をすることが多かったからな。頭で理解していてもそれがどういうことか実際の経験が不足していることがある。その1つが他者を信じることだ。」
「そういうことね。それなら明日は私も頑張らないといけないわね。あなたの期待に応えてみせる。そして、信じてよかったと思わせて見せるわ。」
「任せるぜ、俺の相棒。」
「ええ、そちらもね。」
俺たちは試験が明日だが、このような会話をしていたおかげで、緊張もなくなっていた。
そして、お互いに自然と笑い合っていた。
それから朝の勉強や朝食を終え、学園に行く時間となった。
「それじゃあ行くか。」
「そうね。舞依と早乙女君も今日は行くらしいわよ。」
「そうか。1日休めばよくなるものなんだな。」
「彼が日頃から勉強をしていなかったことで知恵熱でも出たんじゃないかって舞依が言ってたわ。」
俺たちがそう言った話をしながら玄関を出ると、舞依と正悟が待っていた。
「よう、おはよう。迷惑かけたな。」
「おはよう。本当だ。試験に間に合わなかったらどうするつもりだったんだ?」
「その時は無理してでも学園にはいくかな。」
「…おはよう。それで試験が酷かったら私は怒って殴っていた。」
「その時は私もそうするかもしれないわね。これだけ試験対策に他の人に時間を割いたのだもの。それなりの成果を出してもらわないと困るわ。」
「うっ…。頑張るからそこまでプレッシャーかけないでくれ…。」
俺たちはそんなことを話しながら教室へと向かった。
教室に入ると、前日問うこともあっていつもより多く人が来ており、大体の人は各自で勉強をするのではなく、ペアや相棒に分かれて対応策や勉強をしていた。
俺に気づいた詩音たちもこの日は手を振ってくれたがわざわざ移動をしてきて会話をする、ということはなかった。
彼らもそこまで余裕がないのだろう。
俺たちも手を挙げて挨拶を簡単にする程度にとどめ、自分たちの机の周りで俺たちも試験範囲の復習をした。
朝のホームルームでは月宮線から翌日に試験があるから欠席や遅刻をしないように言われた以外に特に何も連絡事項はなかった。
休んだらどうなるのか、ということを質問した人がいたがそれは0点扱いになるだけだとサラッと言われた。
休むのか無理をしてでも来るのかはその人の熱意次第で変わるだろうとも言っていた。
そして試験直前の授業を一取り終えた放課後、この日はさすがに学園に残って対策をするということはせずに千春と正悟と舞依でまっすぐに帰ることにした。
俺たちは荷物をまとめ終え、教室を出たところで、瑞希と皐月に呼び止められた。
「あ、蒼雪君たちも今から帰り?」
「そうだが、2人とも待っていたのか?」
「うん。あ、でも、教えてほしいからじゃないから時間は取らせないよ?一緒に帰りながらお話しできたらいいなって。」
「そう言うことならいいんじゃないかしら?こんなところで時間を浪費するわけにもいかないわ。」
「そうだな。じゃあ途中までになると思うが一緒に帰るか。」
「うん!」
「失礼するわ。」
俺たちは瑞希と皐月も加えた6人で帰ることにした。
そのため、この日の帰るルートを女子寮経由に変更した。
「それで、話って言うのは、千春と蒼雪君に試験が終わった後でいいからお礼がしたいなって。」
「お礼?」
「ええ。私たちはあなたに迷惑もかけたし勉強まで教えてもらったわ。ここまで何かしてもらってばかりだと貸を返すと言っても瑕疵が大きすぎて釣り合うようなことはできないと思ったの。」
「だからその分何かしてあげたいなって。」
「ふむ…。そう言われてもな…。」
「そうね。特に何か見返りを求めてしたわけではないものね…。」
「…その場合私たちも何かしたいと思う。」
「だな。俺もなんだかんだ言って蒼には借りがあるし、白崎にも勉強教えてもらってたし。」
「何かしたいならしてくれてもいいが、それは試験が終わってから考えないか?今は目先のことに集中しよう。試験で失敗しても知らないぞ?」
「うっ、そうだね。せっかく教えてもらったんだし頑張るよ!」
「そうね。試験が終わってからまた相談させてもらうわ。じゃあ、ここで。」
俺たちはそんなことを話しながら帰っていると、女子寮の近くまで来ていたので俺たちはそこで瑞希と皐月と別れた。
「またね~、試験頑張ろうね!」
「では、失礼するわ。試験頑張りましょう。」
「ああ、頑張ろう。」
「お互いに頑張りましょう。」
俺たちはそれからそれぞれの家へと帰宅した。
俺たちは帰宅をしてから一通りやるべきことをしてからリビングに集まった。
帰宅してから千春は俺の部屋でやろうと言っていたが、リビングの方が荷物を運ぶ手間はあっても集中力がある気がしたのだ。
前回俺の部屋でやっているときの千春はふとした時に集中力を切らすことがあったので、前日なので確認できることはすべてやっておきたかった。
今のままでも問題ないとしても、どこで足元をすくわれるかわからないので隙を作りたくなかった。
千春も俺の意見を聞いて何か反論をしようとしていたが、結局折れてくれた。
自分が集中できていない時があることは認めることができ、それが不安要素となり得るなら避けるべきだと判断したようだ。
「さて、それじゃあ最終確認をしていくが、いいか?」
「ええ。」
「まずは、明日の科目についてだ。」
木曜日と金曜日に試験を実施するが、木曜日は、日本史、世界史、国語、英語の4科目。
金曜日は、生物、化学、数学の3科目を実施する。
国語は、漢文はまだやっていないので古文と現代文、数学はまだ1学期でⅠしかやっていないのでⅠの分野のみだ。
「取りあえず、前半から計算して50点分は千春が、残りの50点分になる問題は俺が解く。それでいいな?」
「ええ。それでいいわ。私が苦手ア分野に当たっても解く努力はするからこちらの心配はしなくていいわ。」
「わかった。同じく後半は俺が解くから気にしなくていい。時間が余ったとしても自分の担当するところだけに集中してくれ。」
俺たちは日本史と世界史の復習から始め、夕食を挟んで古文と現代文、そして英語の順に範囲を復習した。
また、直前に慌てないように自分が不得意、間違える確率が比較的高かったところを重点的に勉強したが、自分が得意だからと復習する回数が少なかったところも確認をしておいた。
これで今日できることはもうないだろうとお互いにやり切ったと思ったところで勉強はやめた。
「対策はこんなところでもういいだろう。」
「そうね。もうやれることはすべてやりきったわ。」
「あとは明日に備えてしっかりと休むくらいだな。」
「確立としてはほとんどないとは思うけれど、緊張して眠れなくて、寝坊…、ということにはならないようにしないといけないわね。」
「そうだな。」
俺たちは風呂を終えてから少しリビングで、2人で会話をして寝ることにした。
お互いに朝のような変な緊張はもうなくなっていたので無駄な気負いもなくコンディションも問題ないだろう。
明日もこの調子で行けば実力通りの成果を残せるはずだ。
「おやすみ。」
「おやすみなさい。」
俺たちは、それぞれの部屋の前であいさつをして、部屋に入り、俺はそのまま布団に入った。
明日は相棒と行う初めての試験。どういった結果を残せるか不安と楽しみを抱えて俺は眼を閉じた。
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